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2011年3月31日 (木)

新自由主義の破綻

保守主義を奉ずる私は人間の進歩などというものを安易には信じない。人間は愚かで、浅ましい動物だが、ただ神の光を見たものだけがわずかに暗黒世界を自覚する。古人はそれを道を知ると言った。そして人間というものは、教育次第でどんな色にも染まる糸のような哀れな存在だと知った墨子は糸を見て泣いた。(墨子は古代中国の思想家)

 新自由主義の色に濃く染まり、会社の時価を上げることを自らの使命としたコスト・カッターは、500億円か1千億円のカネを惜しんで地震津波対策を怠り日本のみならず地球世界を危機に陥れた。500億円は巨費には違いないが、これから東電が支払いに直面する賠償費に比べれば、問題にならない。清水正孝は、株主のためにコスト削減に励み、結局、会社を潰すという小才の経営者として名を残すことになる。

 東電の社長ともなればその威光は大変なものだった。周囲は皇帝に仕えるがごとく清水に仕えたであろう。経済産業省の役人だってこの慶応経済学部出身の経営者に一目置く振りをしていただろう。清水はコストカットに辣腕を振るった。制服の縫製を中国のメーカーにして3億円の無駄を省いたときの得意や思うべし。労せずして冗費を節約し株主に配当する利益を増やしたのだから。清水の視野には長年の得意先を中国にさらわれた日本の業者の無念の顔など全く入らなかったに違いない。懇願する業者には、優勝劣敗、悔しかったら中国以下に値を下げろ、と新自由主義の哲学を振り回したのだろう。

 新自由主義思想の根底にあるのは人間の傲慢(hubris)である。ヒューブリスとはギリシャ悲劇で描かれる人間の驕りを意味する言葉だ。今度の原発事故は原発の安全などありえないことをはっきり示した。

 地震と津波だけでこれほどの大事になった。自然にはまだ台風や竜巻がある。現在の原子炉で巨大台風や巨大竜巻に耐えられるのか?はなはだ心もとない。航空機が真上に落ちたら?偶然の確率は小さいだろうがゼロではない。それに人間には意図して破壊行為を行う場合がある。ミサイル攻撃や自爆テロまで考えたら、原発の安全性など確保できないとするのが、正気の考えである。

 すぐに原発全廃に踏み切るべきだ。安全な代替エネルギーに転換すべきである。エネルギーの不足はどうするか? 我慢するしかない。産業が必要とする良質な電気は?高性能なグリッド(配電盤)を開発動くし、家庭などかなり不安定な電気でも事足りるところと、精密機械工場のようなところとは配る電気の質を変える算段をする。とにかく、原発は止めることを国民の総意で決める。それでも原発の恐怖から完全に逃れることはできない。隣りの中国はさらに原発を増やすと言っている。中国は広い。しかし、一基でも事故を起こせば風下の日本は放射能を帯びた黄砂が積もるだろう。雨が降るだろう。
 私はデマで不安を煽って社会を混乱させて喜ぶ者ではない。平穏無事な沼田に住み、いわゆるロハスな生活を営まんと心がける者に過ぎない。(沼田の保守主義者)

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コメント

以下に放射性物質の飛散についての予想があります。
http://takedanet.com/2011/03/372930_7c21.html

中国で事故が起こったときに日本がどれだけ影響を受けるか想像が付くと思います。

また、私が、群馬は今のところたいしたことはないと言っている意味がお解りいただけると思います。被曝量は風向きで、大きく変わります。

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