消せぬ疑惑(その2)
今朝の朝刊を見て不信の念はますます高まった。「東電は、「想定外の津波」だったとの釈明を繰り返している。だが、09年の国の審議会で、約1100年前に起きた地震の解析から再来の可能性が、指摘されていたにもかかわらず、東電は対策を怠っていたことがわかった」と『毎日新聞』は報じている。同記事をさらに引用してみよう。「指摘があったのは09年6月、原発の耐震指針の改定を受け、東電が行った耐震性再評価の中間報告書を検討する審議会だった。産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の岡村行信・活断層研究センター長が、869年に発生したマグニチュード(M)8以上とみられる「貞観(じょうがん)地震」を取り上げ、「非常にでかいもの(地震)がきているのがもう分かっている」と、東電が考慮していない理由をといただした。
翌月の会合でも、この地震では、04年のスマトラ沖地震のように、幅広い震源域が破壊された可能性が高いことを指摘し、東電にスマトラ沖地震のような「連動型地震を想定するよう求めた。東電側は「まだ十分な情報がない」「引き続き検討は進めてまいりたい」と答えるにとどまった。
古文書によると、貞観地震は宮城県沖で発生、津波で約千人が水死したとされる。産業技術総合研究所などが05~09年、宮城、福島両県で、海岸付近の土砂が津波で運ばれた「津波堆積物」の分布を調べたところ、当時の海岸線から数キロ内陸まで浸水したことが判明。福島県内でも、同原発の約7キロ北の現・浪江町請戸地区で現在の海岸線から約1.5キロの浸水の痕跡があった。同規模の津波は450年~800年の間隔で、過去に繰り返し起きた可能性も浮かんだ。これっらの成果は学会や論文で報告されている。
岡村センター長は「原発であればどんなリスクも当然考慮すべきだ。あれだけ指摘したにもかかわらず、東電からは新たな調査結果は出てこなかった。『想定外』とするのは言い訳に過ぎない。もっと真剣に検討してほしかった」と話す。
私の疑いは的はずれではなかった。今回の原発事故は起きるべくして起きた「人災」だったのだ!私は強い怒りを抑えることができない。当然すべきだった地震と津波に対する対策を、怠った東電の社長は初動対策にも失敗し、事故の被害を大きくした。その男、清水正孝は、政府の原子力事故対策統合連絡本部の、なんと副本部長の椅子に座っている。
本部長は菅首相、副本部長が海江田経産相。将來被告席で裁かれるべき容疑者を、副本部長にした菅や民主党の頭の中を疑わざるを得ない。菅は原子力に詳しいと自負しているそうだが、清水正孝に自由に証拠隠滅の機会を提供するとは、借りでもあるのか?
清水とか武藤栄(副社長)などという連中は東北はおろか日本国民の半分を死滅の危険にさらした極悪犯罪者の可能性がある。秋葉原事件の加藤に死刑の判決が出たが、この東電コンビの罪はもっと重い。立ち退きをやむなくし、「計画停電」によって社会に大損害を与えている東電の経営者は、彼ら自身の驕りと怠慢を認め、国民の許しを乞うべきであろう。被害者面をして罪を逃れることを許してはならない。(峯崎淳)
共同通信です。http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032701000662.html
「東京電力は27日、清水正孝社長が16日に過労から体調を崩し、本店内に設けられた政府・東電の統合連絡本部を数日間にわたって離れていたことを明らかにした。
(中略)
東電の広報担当者は、清水社長の体調について「倒れたり、点滴を受けたりという状態ではないが、大事を取った」と説明。詳細は明らかにしていない。」
引用ここまで
大事をとると言うことは万一の事態を想定するということです。万一の津波を想定する能力も有ったということです。
投稿: 杉山弘一 | 2011年3月28日 (月) 07:55