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メンバーの裁判

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2011年3月23日 (水)

落ち着き給え

 デマが飛んでいるらしい。一番始末が悪いのは、ずっと原発反対を唱えてきた人が流すデマだという。「どうだ、福島を見ろ。われわれの言ってきた通り原発は危険だろ!?政府が言っていた安全なんて嘘だったじゃないか!」と彼らは胸を張る。そこまでは、認めよう。問題はその後だ。「放射能は恐ろしい。だから、少しでも放射能を浴びた野菜は危険だ。食べてはいけない!出荷停止にしろ!」一気に飛躍する。もちろん、この結論は間違っている。今まで野菜が被った放射能は量的では、上野動物園のパンダが屁をこいた程度の影響もない、というのが科学的事実である。つまりゼロなのだ。

 原発反対者がそれみたことかと政府不信を煽るのは、今まで日陰者扱いされていた者がにわかに脚光を浴びて、ふんぞり返る心理で、わからないわけではない。しかし、だからと言って、愚民の恐怖をインチキ情報で煽るのはすぐやめてもらいたい。

 群馬のお百姓はハウス栽培したほうれん草や、何の関係もない野菜まで出荷停止されてとても困っている。農家の人たちは、「放射能を浴びたかどうか確かめもしないで、群馬県産だからという理由で拒否するのはひどいじゃないか」と嘆き、「せめて放射能を検査して普段と同じものは出荷させてくれ」と言っている。「基準値以上だったら、諦める、以下の野菜まで廃棄するのは農家として耐えられない」と泣いている。

 地震と津波の第一次災害、原発事故という第二次災害に加えて風評被害という第三次災害を作り出している原発反対運動家たちよ、真実が明らかになったとき、君たちは信用を失い、スケープゴーとにさえなりかねない。落ち着き給え。今回の事故で日本はもう新しい原発を作るということはできなくなった、というのが、良識ある者の見解である。本ブログの主宰者は原発の安全技術開発に携わっていた杉山弘一氏という人である。彼は文殊の安全設計が技術的に不可能であることを悟り、苦悩の末会社を辞めた人である。ひとりの優秀な人間が一生の仕事を業半ばにして辞めるというのは、よほどのことである。その絶望の深さを思うべし! 今回の事故で、テレビに登場する東大の教授連中はニュアンスの違いはあれ、原発の御用学者であるから、私は彼らの言うことに疑惑を持っていた。眉につばをつけて聞いた。そして杉山氏にいちいち確かめていた。重大な事故であり、まだ結末がどうなるか、今の段階ではわからない、というのが正しい、と杉山氏は言う。政府も御用学者も嘘はついていない、と杉山氏は請合った。

 ただし、重大だというのは、現在まで漏れた放射性物質の量ではない。いずれかの炉や使用済み燃料棒保存システムが壊れ、放射能が桁違いに漏れ出す可能性があり、万が一それが起きたら、チェルノブイリを越える大惨事となるからである。そうなれば東北地方はもとより、関東も人が住めない土地になるおそれがある。日本が壊滅することすら起こりうる。それが原発事故の怖さなのだ。しかし、くれぐれも言うが、まだそうなるとは決まっていない。それまでは、野菜など何の危険もないのである。今こそ冷静になることが必要なのだ。浮き足立ってはならない。(ある保守主義者)

 

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コメント

1 基準値というのがまたくせ者で、超えたらダメ、超えなければ良いと割り切れるものではありません。また、暫定基準値を見直そう(緩和しよう)という動きもあるようです。都合が良すぎると批判を浴びそうですが、当然だと思います。

2 チェルノブイリを越える大惨事とは言いすぎだと思いますが、あれと同列に比較できるレベルの被害が及ぶおそれがあると思います。

 小学館国語大辞典によると デマとはドイツ語のDemagogieの略で、政治的目的で相手を誹謗し、相手に不利な世論を作り出すように流す虚偽の情報。また、社会情勢が不安な時などに発生して、人心を惑わすような臆測や事実誤認による情報。

 論拠もないまま、社会情勢が不安な今、この程度のレベルの放射能で大騒ぎをするのは、まさにこの後段にあたります。

 今も、良いことをしているつもりでデマを垂れ流している方と話したところです。
 その中で、事故のイメージについて大きな差を感じました。
 その方は、もし、燃料の冷却がうまくいかなかった最悪の場合、放射性物質が、今の2倍も3倍も飛んでくるというイメージなのです。
 そうではありません。数字は正確ではないのでイメージとしてとらえて欲しいのですが、冷却がうまくいかず融けた燃料棒がむき出しになった場合に飛んでくる放射性物質の量は、今の1,000倍、10,000倍、100,000倍といった桁違いの量なのです。
 そうなると、無視できない被曝リスクが発生します。でも、今は無視できるレベルです。

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