2012.8.15 05:05

独立騒動の美川憲一、いいえ私は“円満退社”(2/2ページ)

「いがみ合って終わらせたくない」と所属事務所からの“円満退社”を会見で希望した美川憲一=千葉・成田空港(撮影・北野浩之)

「いがみ合って終わらせたくない」と所属事務所からの“円満退社”を会見で希望した美川憲一=千葉・成田空港(撮影・北野浩之)【拡大】

 “独立”が報じられてから5日目。ロンドン五輪日本選手団が帰国する成田空港に、美川は7月27日から夏季休暇を過ごしていた米ロサンゼルスから帰国。そのまま緊急会見を行った。

 集まった報道陣約60人を前に冒頭、「私は24年間、ご奉公させていただいたので感謝しています」と所属事務所との“決別”を宣言した。

 今回の発端となったのは美川へのギャラの未払いや社員への給料の遅配。美川は「経営にはタッチしていないけど」とした上で、「私もCMのお仕事もしていますし、経営は困難だったと思っていない」と説明した。

 ギャラの未払いについては「あるけど、たいした額じゃないわよ。それも払ってくれると思います」と穏やかな表情で話し、「けど、お金がないとは思わないんだけど…」とポツリ。金銭面での信頼関係が揺らぎ、今回の決断につながったことをにおわせた。

 美川と45年来の親友である歌手、小林幸子(58)も個人事務所の幹部解任騒動で揺れたが「さっちゃんのケースとは違う」と説明。関係者によると、同社社長との話し合いは行われている模様で、美川は「向こう(社長)も悪いと思っているし、いがみ合って終わらせたくない」と“円満”を強調した。

 さらに「信頼関係でやってきたので、所属する上での契約を書面で交わしていない」と説明。契約問題でこじれる要素がないことも付け加えた。

 美川は1966年の大ヒット曲「柳ケ瀬ブルース」でブレークしたが、72年の「さそり座の女」以降、目立ったヒット曲はなかった。19年連続26回出場のNHK紅白歌合戦には2010年から出場していないが、「まめにいろんな仕事をしてきたので、私は恵まれている」と所属事務所に謝意を示した。

 今後、美川は今回の件で退社したマネジャーら元社員6人とともに、自身がプロデュースする都内飲食店の社長とパートナーを組み、新事務所の設立などを視野に入れて調整に入るという。

(紙面から)