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メンバーの裁判

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2010年10月14日 (木)

ファミリーサポートセンターの実態

 これまで、何度も述べてきたことだが、沼田市の財政状況は危機的な状況にある。県内12市中、ダントツで12位である。県の認可がなければ、勝手に起債(借金)もできない債許可団体なのだ。そこで、県の指導の元、財政再建に取り組んでいる。行政改革もその一環である。
 第6次沼田市行政改革大綱実施状況によれば、沼田市は平成18年度から21年度まで、補助金(委託料)の見直しに取り組んできた事になっている。本当に実効性のある見直しができたのだろうか。以前、話題に上がった沼田市ファミリーサポートセンター委託事業を例に検証してみよう。

 市のホームページによれば、ファミリーサポートセンターとは「子育てを手助けしてほしい人」(お願い会員)と「子育てを手助けしたい人」(お助け会員)が会員となり、一時的な子どものお世話を有料で行うシステムである。手助けして欲しい人(お願い会員)は、1時間700円から900円の報酬を手助けしたい人(お助け会員)に支払う事になっている。
 ファミリーサポートセンターの役割は両者の仲介である。わかりやすく言えばファミリーサポートセンターとは、一時保育の斡旋所である。しかし、センターはお願い会員、お助け会員から仲介料は一切受けとらない。センターの運営費用は市が委託料として負担しているからだ。これは、市民同士の助け合いを市が間に入って推進すると言う制度だから、市の公費が使われること自体に異議を唱えるつもりはない。問題は、効率である。年461万円の委託料に見合った効果があるかと言うことである。

 そこで、受託者である尾瀬なでしこの会(後藤満里子理事長)の事業報告等を確認してみた。 その結果解った、過去3年間のファミリーサポートセンター事業の概要は次の通りである。
平成19年度
 仲介成立件数 101件、お世話時間不明、委託料 461万円
平成20年度
 仲介成立件数 71件、お世話時間172時間、委託料 461万円
平成21年度
 仲介成立件数 199件、お世話時間405時間、委託料 461万円 

 この数字が何を意味するか。
 平成21年度は、1年間に199件の仲介成立であるが、これは平均1日1件もなかったということだ。平成20年度に至っては、1年間で71件である。平均すると1週間に2件もなかったということだ。いくらなんでも、少なすぎるだろう。

 お願い会員がお助け会員に支払われた報酬は、多めに見積もっても、1年間で以下の通りである。

 平成19年度 900円×約200時間(詳細不明)=約18万円~20万円程度
 平成20年度 900円×172時間=15万4800円
 平成21年度 900円 ×405時間=36万4500円である。
 
 これだけの仕事を斡旋する事務の対価として、市からNPO法人尾瀬なでしこの会に支払われた委託料が毎年461万円である。

 一時預かりの平均時間は2~3時間程度だから、一件のお世話でお助け会員に支払われた報酬の平均額は、2,000円程度である。一方、斡旋1件あたりの平均仲介手数料は以下の通りとなる。

 平成19年度 4万5643円
 平成20年度 6万4929円
 平成21年度 2万3165円

 2,000円の仕事の斡旋手数料が、2万から6万円以上なのである。いくらなんでも、高すぎるだろう。暴利としか言いようがない。
 
  別の角度から考えてみよう。仮に、ファミリーサポートセンターが仲介ではなく、直接子供を預かるとしてみよう。預かる時間は、21年度の405時間に大幅に余裕を見て600時間とする。職員の時給が2,000円としても、600×2,000円=120万円、準備時間等を考慮しても、150万円の人件費で済む。しかも、センターには50万円ほどの報酬が入ってくるから、差し引き100万円だ。施設の維持管理費等を加えても461万などかかるはずがない。NPO法人に委託せずに、市が直営しても、461万などかからない。
 これでは、ファミリーサポート事業ではなく、NPO法人サポート事業である。こんな委託費の使い方をしていれば、市の財政状況が危機的になるはずだ。(杉山弘一)

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コメント

後藤ファミリーサポート事業ですね。

 尾瀬なでしこの会は、なぜそんなに補助金がもらえるの?星野市長と後藤まりこ氏ってどういう関係?尾瀬なでしこの会の補助金について星野市長は、議会で説明責任を果たして欲しいですね。

沼田市でほとんど活動実績のなかった「尾瀬なでしこの会」に税金(補助金)を投入するのに何を基準にして決めたのだろか。
「尾瀬なでしこの会」はファミリーサポートセンターの他にも事業をやっているが補助金との使用区分は出来ているのだろか?
「尾瀬なでしこの会」が美味しい仕事をしていると思うのは私だけ・・・・

 沼田市民Bさん、コメントありがとうございます。

「尾瀬なでしこの会は、なぜそんなに補助金がもらえるの?」
 
 一つの理由は、市長にとって都合がいいからでしょう。市民協働の審議会の委員に任命すれば、会議を非公開にすることに賛成したり、市の方針を追認するだけの答申を出してくれますから。
 なお、ファミリーサポート事業は補助金ではなく委託料です。市からの補助金は学童保育とベビールームに対して支給されています。こちらはもっと多額で、なでしこ学童クラブ576万5060円、利南東学童クラブ541万6740円、なでしこベビルーム175万7400円、計約1,300万円です。
 市長にとって都合がいいことは、高く付きますね。

 一市民さん、コメントありがとうございます。

「ファミリーサポートセンターの他にも事業をやっているが補助金との使用区分は出来ているのだろか?」

 他の事業と共用している、事務所の賃貸料、光熱費、備品のリース代については、按分して以下の額を計上していますが、按分率は不明です。

(年額) 賃貸料18万円、光熱費9万5千円、備品リース代約25万円。

 なお、この他にファミリーサポートセンター単独の経費として、備品購入費約32万円、消耗品(事務所インク代等)約24万円、通信費15万円などが計上されています。
 年間30万円程度の仕事の斡旋業務にかける経費の単位ではありませんね。

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