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メンバーの裁判

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2010年9月27日 (月)

遂に、片品村が、非を認めた。

 主文「本件異議申立は、容認し、片品村情報公開・個人情報保護審査会・委員の氏名非公開の決定処分を取り消す。」
 この決定を受けて、委員3名の氏名が公開された。大竹長久、青木博子、笠原精作だ。事務局として星野準一と星野勝彦が名を連ねる(平成21年3月10日現在)。任期は平成21年3月10日から平成24年3月9日まで、とある。
 昨年7月の「跳ねても黒豆」、同8月の「世間の常識以下?片品の識見」に詳しく書いたから、それを読んでいただきたいが、要するに、昨年7月22日に異議申立を行ってから1年2ヶ月たって、ようやく村の決定が出た、というわけだ。
 (1)村内に住所を有する者、(2)村内に事務所または事業所を有する個人および法人その他の団体、(3)村内にある事務所または事業所に勤務する者、(4)村内にある学校に在学する者、(5)これら1から4までにあげるものの他、片品村役場が行う事務または事業に利害関係を有する者は、村に情報開示の請求ができる(片品村情報公開条例第5条)。請求を受けた村は14日以内に何らかの決定を出さなければならない。この決定に不服がある場合、請求者は行政不服審査法(昭和37年法律第160号)の規定により、60日以内に片品村長に対して異議の申立てをすることができる。これを受けた村は片品村情報公開・個人情報保護審査会(以下、審査会という)に諮問し、その審議を経て審査会から出る答申を踏まえ、村が決定を下す。
 平成20年8月いっぱいで尾瀬国立公園誕生記念事業が終わり、7つの事業のうち4つに企画としての不備を感じていた私は、そのうち3つの事業の疑問点と以前から疑問を感じていた2点の計5件について、村に情報開示の請求をした。出てきた決定に新たな疑問が見つかり、重ねて情報開示の請求をしたり、納得がいかない決定について異議申立てを行った。
 こうして私自身がときどき交通整理をしなければならないほど、いくつものおかしな点が見つかり、いくつかの異議申立てに対しての審査会の答申に疑問を抱き、審査会の顔ぶれを尋ねると、総務課からは、「本人が名前を伏せてくれ、と言うから」と言う返事が来た。行政がままごとでは、迷惑を蒙るのは住民である。
 昨年6月15日に、審査会の名簿の公開を請求すると、村は事務局の役場職員2名の名前以外のすべてを黒塗りして公開した。黒塗りの理由は「委員の氏名を公開することで、その個人の生活、仕事に影響を与える可能性があり、それを恐れ発言が抑制されることや、選任した委員が退任したり、新たな委員の選任が困難になることが危惧されるため。(片品村情報公開条例第7条第1項7号カに該当)委員、事務局職員の住所、連絡先は個人情報のため。(片品村情報公開条例第7条第1項第1号に該当)」であった。これが、人口5000人といえど、曲がりなりにも地方自治体を名乗る片品村役場の頭脳である。
 片品村情報公開条例第7条1号のウによれば、「公務員等(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員等の職及び氏名に関する情報」は非公開に出来ないとされている。一方、地方公務員法第3条第3項2号によれば、「法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規定により設けられた委員及び委員会(審議会その他これに準ずるものを含む。)の構成員の職で臨時又は非常勤のもの」は特別職の地方公務員である。
 これを理由に、昨年7月22日、村に対して、「審査会の委員は片品村情報公開条例第18条によって設けられた委員会の構成員の職である。したがって、氏名であっても非公開にはできない。」と異議の申立てをした。要するに「名前は伏せてくれ」と言う審査会の委員に「あなたの名前を公開しないことは違法でしょ?」と言って、公開の適否を審議しろ、というワケだ。「跳ねても黒豆」に寄せられた杉山弘一氏のコメントによれば、「泥棒が泥棒を捕まえるとはこのこと?」とあるが、審査会の面々もさぞ困ったことだろう。
 こうした経緯があって、1年2ヶ月たった先週9月24日、冒頭に書いた村の決定が出たのである。私からの異議申立てを容認し、審査会の委員の氏名非公開の決定処分を取り消した、つまり、村がようやく非を認めた理由は、私が異議申立ての理由に上げたものとまったく同じである。要するに、村長がその識見を認め任命した審査会の頭脳は、諮問を受けた昨年10月27日から、その理由を理解するのに11ヶ月の時間を要した、ということである。
 それでも、これで一歩前進、と単純に判断するのは甘い、と言わざるをえない。「黒豆が、遂に、飛んだ」に書いた、監査委員の認識と審査会の認識の間にある矛盾はまだ解決されていないし、昨年9月の定例会の時点で、監査委員の中村康彦は審査会の存在すら認識していなかった。私が初めて異議申立てをしたのが昨年1月5日で、審査会の任期を見ると昨年3月10日から、とあるから、誰も声をあげず、情報開示の請求はもちろん、異議申立てなど他所の話の片品村には、審査会すら存在しなかった可能性さえ疑わせる。
 第2回尾瀬オゾンシアターの実施にあたって、運営を担当したむらづくり観光課職員が、第2回尾瀬オゾンシアター実行委員会という、村とは別の事業主体が実施した事業の業務に就いた時間や対価に関する文書について、審査会は、存在しないから公開しない、という村の決定を妥当としたが、本質的な誤りは、村が職員をその就業時間に別の事業主体の業務に就かせ、その時間に職員としての業務をしなかった職員に、村の財源から法的根拠のない賃金の支払いをした、ということなのだ。ただ、これまでのところ、それが不当なことである、と認識している役場職員は見当たらず、この不当が解決する兆しさえない。
 先日、村長と面会する機会を得たが、席に着き挨拶が済むと、村長は面談を録音する了承を求めてきた。私は言質をとられて困ることを言うつもりはないから、もちろん了承したが、スイッチを押して以降、村長は自らの意志表示を一切することはなく、貴重なはずの45分は無駄に過ぎた。要するに、「文句があるなら、前橋地裁へ行ってくれ。司法の判断に委ねたい」ということらしい。「私の信念・政治理念」のひとつに掲げる「住民の声に最大限耳を傾け…」は形ばかりで、「村民と意思疎通のできた風通しの良い村政をつくります。」はかけ声に過ぎない、ということだ。(木暮溢世)

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遂に、片品村が、非を認めた。を参照しているブログ:

コメント

 開示決定は当然のことです。
 それにしてもややこしい話です(笑)。
 総務課職員に対して、自分らの「名前を伏せてくれ」と言っていた審査会委員が、その審査会委員の意向を踏んで村長がなした「名前を伏せる」という処分を違法であると村長に答申したということですね。
 「識見を有する」(片品村情報公開条例18条4項)先生方だけあって、理解困難なことをされますね。

 「委員の氏名を公開することで、その個人の生活、仕事に影響を与える可能性があり、それを恐れ発言が抑制されることや、選任した委員が退任したり、新たな委員の選任が困難になることが危惧されるため。」
 公的機関の公文書に載る言葉じゃないでしょ!? 21世紀の今の今まで、これが片品村役場ではまかり通って来た、というわけです。審査会事務局の星野準一、今は片品村教育長です。行政マンとしての経験は長いけれど、沼田高校で学業を終えている。ということは「教育」を専門に勉強したことはないわけで…。決定に判を押した千明金造、今は片品村村長です。片品中学で学業を終えている。ということは「地方自治」など専門に勉強したことはないわけで…。まっ、学校だけが学び舎じゃないから、ふたりとも、頑張ってもらいましょう(笑)。笑っている場合じゃないけどね。

 この識見豊かな、3名の委員には、1時間の会議でも8,000円の日当が支給されているようです(片品村特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例2条別表)。
 何回会議を開いて、合計でいくら報酬を得たのでしょうか。
 こんなに美味しい役職、「選任した委員が退任したり、新たな委員の選任が困難になることが危惧される」はずなどありません。

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