俺は村中で一番（削除された事務局長の憂鬱の歌）

　俺は村中で一番
　秀才と言われた男
　自惚れのぼせて
得意顔、東京は
　本郷へ来た

　そもそもそのときのスタイル
　青シャツに真っ赤なネクタイ
　乙に構えてインテリのふり
　へたくそな英語に片言のドイツ語

　吾輩を見初めた彼女
　黒い瞳で金髪に染め
背が低くて肉体美
　おまけに足まで太い

　馴れ初めの初めは英語
　ハウ・ヅ・ユ・ヅ？に
グラッド・シー・ユー
　しどろもどろに怪話

　君は知ってるかい僕の
　ママは理事長でたかりの名手
　馬鹿な市長を誑し込み
補助金をまんまとせしめる

　アラマアそれはステキ
　名誉とお金があるのなら
　たとえ男がまずくとも
　わたいはあんたが好きよ

　お前に金持ちのおやじはいない
　俺の野心はでかい
　けれども俺はアン・ジッヒ（即自存在）
この場でお前を選ぶ

　夢かうつつかそのとき
　飛び込んだ市民の目玉
　ぼかすか拳固の嵐
　殴られて俺は泣きだす

　学位も補助金もパーになり
　大事な彼女はいない
　怖いところは利根沼田
　泣くに泣かれぬ鈍才