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メンバーの裁判

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2010年6月23日 (水)

傍聴席から見た、片品村議会の風景 3

 現在の片品村議会の定数は14名、欠員1名を除く13名が6対6対1の勢力図を構成している。戸丸広安、星野千里、飯塚美明、高橋正治、吉野勲、星長命の6名が村長派に名を連ね、入澤登喜夫、笠原耕作、星野侃三、星野育雄、萩原日郎、星野完治の6名が反村長派、大竹文夫が、敢えて言えば第三極というわけだ。採決の票数で見れば、議長を務める入澤登喜夫を除いて、村長派6対反村長派5となり、可否の判断は大竹文夫次第というケースもある。
 ただ、問題は、村に残る近代化から取り残された旧態依然の風土である。執行側と議会の対立があれば、効率的な行政運営を妨げていると捉える空気が、村民の思考と感覚にまだまだ色濃く残るように感じるが、本来、行政の執行権を持つ首長と政策の決定権を持つ議会は、どちらもが住民からの直接選挙で選ばれる二元代表制である。つまり、どちらにも民意の支持がある、という点から言えば、議会内に村長派も反村長派もないはずである。二元代表制の本質がきちんと機能してこそ、民主主義が進んでいると言えるのだ。
 立法機関である議会には、本来、行政をチェックする機能が求められる。それは、何でも彼でも反対すればいい、というものではないが、その視点は野党的であることが望まれる。残念だが、村長派と言われる議員たちにはそれがまったく感じられない。単なる追認機関に堕しているようにしか見えない。行政のチェック機能としての自覚がわずかにでも感じられる点で、反村長派の議員たちに軍配を上げるが、私の思考回路と感覚に最も馴染むのは、第三極。敢えて言えば、大竹文夫が採るスタンスに近いが、村の旧い感覚はこれを"はぐれ鴉"と言って評価しない。彼とのいくつかの接点の中で、彼もまた旧い感覚の持ち主であることを見てしまったから、大竹文夫をそのまま支持するわけではないのが、敢えて言えば、と断った理由である。
 いま、片品村会議員たちの間では飯塚美明が言い出した議員定数削減か、星野侃三や笠原耕作が主張する議員報酬削減かが問題になっている。どちらも財政削減のためという点で一致はしているが、ここは注意して見る必要がある。定数削減派は議員定数12を主張し、報酬を削減すれば、次に議員になろうと言う人間がいなくなる、と言う。一方の報酬削減派は、広く住民の意見を汲み上げるには定数は今のままでいい、報酬を2割削減すれば定員3名を削減した分に相当する、と反論する。
 この両者の考えを単純に見れば、私は報酬削減派に1票を投じたいところだが、ことはそう簡単ではない。報酬削減派に言いたいことは、広く住民の意見を汲み上げると言うが、私がこれまで村に情報開示の請求をし、異議を申し立て、監査請求までして明らかにし、このブログに具体的に書いてきた村の数々の不正を、議員のひとりでもが議会で取り上げたか、ということだ。定数削減派に言いたいことは、報酬を下げれば、次に議員になろうと言う人間がいなくなると言うが、では、お前らは報酬目当てに議員をやっているのか、ということだ。
 6月定例議会での笠原耕作の一般質問で嘘がばれてしまったのだから、千明金造は望みもしない常勤特別職三役の報酬を削減せざるをえなくなった。身から出た錆、というやつだ。ただし、金造の思惑は、首長としては当然のことだが、議員を削減して金造に与する議員の比率を高め、行政運営をスムーズにさせたいところにある。これは、言葉を変えれば、村長として、やりたいようにやれる地盤を作りたい、ということだ。おそらく金造は村長派を抱き込んで、三役の報酬削減の条件に議員定数削減を主張して譲らないはずだ。ただし、力を一極に集中させることは危険である。権力は分散させてこそ健全な社会につながる。それが民主主義を育てる大原則である。
 二元代表制なのだから、議員も住民が直接選挙で選ぶのだから、金造の思惑通りになるとは限らないというのは、片品村の場合、当てはまらない。地縁血縁が幅を利かす片品の選挙では、本番の選挙の前に、各集落で協力を取り付けなければならない予備選挙のようなものがある。もう1年をきった来年4月の村議選までに、ここに何らかの働きかけがあるに違いない、と私は見ている。
 いつまでも地縁血縁に頼った選挙をやっていることも問題だが、もっと根本的な村の欠陥は、多くの村民が民主主義の意義さえ認識していないことだ。それは、空から降ってもこないし、地から湧いてもこない。まして、誰も与えてはくれない。一人ひとりが意識を高め、要求し、勝ち取るものだ。いやだったら東京帰ればいいのに、なんていう片品のメンタリティーに、いまさら何を言っても始まらないが、補助金欲しさの乞食根性丸出しで、それが国の制度ということも考えず、単なる窓口でしかない役場をお上と崇め、自ら下々に成り下がって、どのツラ下げて自主自立だ。"小さくても輝く村"を目指して、が聞いて呆れる。(木暮溢世)

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傍聴席から見た、片品村議会の風景 3を参照しているブログ:

コメント

本当に自主自立を掲げるのなら、まず議員自身が村から自立をしてから物事を語ってほしいです。


このブログの読者が片品村民に増える事を、心から祈っております。

飯塚美明議員のブログを見ました。
http://blog.goo.ne.jp/yosi1950uma0114de57/e/0c6b6f64572d407e66e21ed7619d08c5
 議員定数削減を主張する前に、議員としてやるべきことがたくさんあるでしょうに。
 広報かたしな縮尺版やDVDの全戸配布のような無駄な事業を事前に止めさせることこそ、財政再建のために議員がすべき仕事です。それもしないで、村長べったりの議員が、歳出削減のために議員定数削減を言い出すとは呆れた話です。
 定数削減などしなくても、ご自分が辞めるのは可能ですから、まずは、そこから始めてみては。

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