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2010年6月16日 (水)

環境基本計画書こそ環境悪化の原因だ

 「改訂沼田市環境基本計画概要版」という立派な冊子が配られた。P6160001_3 表紙には、「環境問題に正面から向き合い、・・・出来ることから取り組むことから必要となっています。」ともっともなことが書いてあるので、興味をもって中を読み進めてみた。
 読めば読むほど何が言いたいのかさっぱり解らない。それもそのはず、この資料は反対から読むと「沼田市地球温暖化対策実行計画概要版」だったのだ。二つの計画が一つの資料に、しかも読む方向が違うとは。なんと解りにくいのだろう。

 それはさておいて、地球温暖化対策実行計画概要版の方の表紙に「計画書本編は市のホームページでご覧いただくことができます。」とあるので確認してみた。これだ。http://www.city.numata.gunma.jp/life/seikatu/kankyo_keikaku_kai.html
 なんと、計画書本編全文を一括でダウンロードできない設定になっているのである。全てを読むためには何十回もダウンロードしなくてはいけないのだ。これでは読む気がなくなる。よほど読んで欲しくないのだろう。

 本編全文を読むのはあきらめ、環境基本計画概要版に戻って気になったところを指摘してみよう。
 まず1~2ページ
 ここには、身近に起きている様々な環境問題が7つあげられている。身近な問題から入る姿勢は良いと思う。しかし、資源の枯渇問題(石油や金属などの枯渇)は違うだろう。沼田に油田や金属の採掘所があるわけではないのだから、身近な問題ではない。原油の価格変動は国際的な政治経済問題であって、沼田で身近に起きている環境問題ではない。あえてあげれば、沼田ではガソリンや灯油が高いと言う身近な問題があるが、これはカルテルや談合と言う社会経済の問題であって、環境問題ではない。
 こういう入口で格好を付けて沼田では解決できない問題を入れてしまうから解決策も抽象的なものになってしまうのだろう。
 次に、3~4ページ
 ここには、沼田市の環境課題として、生活環境、自然環境、地球環境それぞれについて沼田市が抱える課題が示されている。しかし、前述の身近に起きている環境問題と沼田市の環境課題がどのようにつながるのかまったく不明である。また、ここでいう「沼田市」が地域としての沼田市なのか、自治体(あるいは行政機関)としての沼田市なのかも不明である。
 沼田市という地域内に、身近に起きている環境問題があるから、それらを解決するために自治体(あるいは行政機関)としての沼田市に課題が課せられている。そういうことであれば、問題と課題の関係が理解できるが資料の内容はそうなっていない。
 例えば、生活環境の課題に「交通政策を推進する」というのが唐突に出てきている。これが、1~2 ページに示された「身近に起きている環境課題」とどのようにつながるのかまったく不明である。
 また、沼田市の環境課題の中に地球環境の課題があるという構造もまったく理解できない。地球環境の課題の中に、沼田の課題があるのだろう。
 資料の構成だけでなく、担当者の頭の中も地球温暖化対策と混同しているのだろう。

 さて、これだけ解りにくい資料を読んで理解する市民が一体どれだけいるだろうか。資料を造っている側が内容を理解していないし、理解してもらおうという気持ちがないのだから、おそらく一人もいないだろう。理解不能な資料なのだ。
 一万部以上も造ったこの資料は、ほとんど読まれないまま、そしてまったく理解されないまま、廃棄されるだろう。ゴミを増やし、環境を悪化させるだけだ。
 環境対策はこういう無駄な資料制作を止めることから始めなくてはならない。(杉山弘一)

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