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« 教育を、真剣に、考えろ。 | メイン | なぜ沼田は変われないのか?(その2) »

2010年4月 5日 (月)

教育を、真剣に、考えました?

 沼田市教育委員会の新たな取り組みが3日の上毛新聞で紹介されました。(下線は引用者)

●沼田で小中学校が「一貫教育」
 沼田市教委は2日、本年度から市内22の全小中学校で、一貫教育の導入を進めると発表した。本年度は多那中学校と多那小学校を「一貫校」と位置付け、総合学習や道徳の系統的、計画的なカリキュラムを作成する。両校以外は各中学校と近接する小学校を「連携校」とし、一貫校への移行を目指して学校行事や学習指導の研究を進める。
(中略)
 市内には中学校9校、小学校13校がある。一貫教育は各中学校とその校区にある1~3小学校を組み合わせ、まず学校間の連携や交流から始める。一貫校となっても、新たな施設整備は行わず、実施期限も設けずに各学校や地域の事情に合わせて進める。
 多那中と多那小の児童生徒数は計75人。同一校舎内にあり、校庭やプール、体育館を共有しているほか、校内作品展や運動会などを合同で開催している。
 本年度はカリキュラム作成のほか、指導方法や学校行事について研究。中学校教員が小学校で教えたり、小学校教員が中学でも授業できる体制を整える。ほかの教科のカリキュラム作成は11年度となる見込み。
 県教委は「先進的な試み。今後に注目したい」と評価。市教委は「既に連携している小中学校もあるが、『一貫教育』という目標を掲げることで、各学校や教員に連携の意義や目的への意識を持ってほしい」としている。

 すごく当然のことで、このような方針に異を唱えるつもりはまったくありません。しかし、市教委も「既に連携している小中学校もあるが」と認めるとおり、沼田では、多那(小中併設校)、池田、薄根、白沢などの地域はもともと小学校と中学校が隣接もしくは一体化しており、必然的に小中一貫の教育がなされています。例えば、池田ではスクールバスが共用されているなどが良い例でしょう。

 今回発表された一貫教育の内容は「新たな施設整備は行わず、実施期限も設けずに各学校や地域の事情に合わせて進める。」というものです。そして、今年度は、併設校であり、もともと一貫教育にならざるを得ない多那中と多那小(そもそも多那中と多那小というのは存在しない、正しくは「沼田市立多那小・中学校」である)を対象として行うというのです。

 これでは、今年度は何もしない言っているのと同じではないでしょうか。ことさら、一貫教育と発表する必要性がどこにあるのでしょうか。市教委の単なるパフォーマンスなのでしょうか。それなら大きな問題ではありません。しかし、一学年10人以下と生徒数の少ない多那が対象となったことに着目すれば、小中学校の統廃合のための布石と思えてきます。

 さて、本当のところは・・・。(杉山弘一)

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教育を、真剣に、考えました?を参照しているブログ:

コメント

 「一貫教育」とは、明確な教育方針と目的のもとに、小中、中高の垣根を超えて、9年なり6年なりでカリキュラムを組み、限定した生徒を対象に施される教育をいうのではないでしょうか。大学受験で高い成果を挙げている私立の中高一貫校が多いため、「一貫教育」が注目されると見ていますが、地域の事情、生徒数の減少という、やむを得ない物理的条件でカリキュラムが組まれ、教員の行き来が行われるのであれば、それは単なる連携でしょう。
 実は、私は中高一貫校で教育を受けた側のひとりです。50年前、私立中学お受験組として、大学進学を入試の条件に、横浜に新設された学校に2期生として入りました。「日本の指導者層になる人材を育成する」という教育方針は、いかにも西洋キリスト教(カトリック)らしい傲慢なものでしたが、目的は東大、一橋、東工大に何人送り込むか、でした。高校から新たな募集はせず、中学に入った顔ぶれが高校を卒業するまでの、文字どおり中高6年の一貫教育でした。文部省の6年分のカリキュラムの大部分を4年間で済ませ、残り2年間は文科系、理科系に分け、最後の1年は、それぞれを国立志望、私立志望に分け、大学受験に特化したプログラムが組まれました。大学受験一辺倒の是非については議論は分かれますが、文部省のカリキュラムでは選択だった数学Ⅲまでが、文科系のクラスにまで必修になっていたことを考えれば、学校としても、偏りは避けたかったのでしょう。中学入試の時点では、学校の方針、目的に納得していても、厳しい校風に馴染めず辞めていった者、点数が足りなければ留年、という処分への屈辱に堪えられず去った者もいましたし、新設校で結果が出ていない不安から、他の高校へ移っていった者もいて、入学当初180人いた生徒は、高校卒業のとき、4、50人減っていました。
 この学校で、美術系を目指した私は、学年ではひとり異色で、1年下で、東北大の建築から早稲田の建築の大学院を出た小田和正と、東工大の制御工学ロボット工学を出、当時、ロボット技術では最先端だった安川電機を蹴った鈴木康博は、音楽の方を選び、文字どおり「オフコース」になってしまった。後輩にも、たまにこうした異色組がいるようですが、ただ、卒業生には何人もの大学教授や医師、弁護士、企業家や政治家、官僚がいること、いまでは東大合格者数ランキングひと桁台の常連校になっていることを見れば、この学校の「一貫教育」は成果を出している、といえるでしょう。大学受験という枠での一例、私立校だからこそできる一例かもしれませんが。
 尾瀬高校と片品中学、利根中学との間でも、一貫教育が検討されているようですが、一貫教育を受けた側の意見としては、6年間を同じ顔ぶれで、ということは欠かせない条件だと考えます。学校教育は生徒が主役であることを考えれば、3年で顔ぶれが変わってしまう生徒に、カリキュラムや指導方法、学校行事だけを一貫させても、教員側のひとりよがりと思いますが、私の思い過ごしでしょうか。それとも、都会と地方の単なる格差でしょうか。

 コメントありがとうございます。
「地域の事情、生徒数の減少という、やむを得ない物理的条件でカリキュラムが組まれ、教員の行き来が行われるのであれば、それは単なる連携でしょう。」

 一貫教育の対象である多那中と多那小は、そもそも、多那小中学校という一つの学校ですから、連携ですらありません。
 ここは、複式学級こそ免れているようですが、9学年で75人と少人数で、この後も生徒数が増加する見込みがありません。中学校では野球やサッカー、バレーボールなど団体で行う部活動が出来ない状況が続いているのです。
 少なくとも、このような問題を抱える多那では、小中一貫教育よりも、他の中学校との統合を考えることの方がずっと優先順位が高いはずです。そして、離島でもないのですから、地理的にも統廃合は容易です。
 いくら手柄を立てたいからといっても、よりによって、その多那を対象とするとは・・・

 こんにちは、あなたのウェブサイトを初めて見ました。
 私は現在沼田市の戸鹿野町に住んでいます。
あなたのブログを読んで、少し言いたいことが有りましたのでここに書きこみいたします。
 私の子供達は多那小中学校を卒業しましたが、このような小中一貫教育とかの議論に上っているとは全く知りませんでした。
なぜなら、私たちの多那小中学校はもう数十年も小中同一の学舎で、小学校を卒業してもそのまま同じ建物の中学校舎に移動するだけの環境だったからです。
それでも、小学校の卒業式には子供達は小学校から巣立つのに涙しますよ。
すぐ隣の中学生達も、顔見知りの新入生のために大歓迎をします。
なんで他の中学と統合しなくてはいけないのですか?
東中学校は大変遠い距離にあります。
子供達の負担が増えますよ。
あなたは、中学校や小学校は人数が少ないと、まともな教育が出来ないと考えているのですか?
他の中学との合併や統合というのは、多那の住民にはとうてい許し難いことです。
住民の負担はともかく、子供達の通学や時間の使い方に制限が多くなります。
確かに、人数が少ない学校は効率が悪いし教員も他より人数当たり多く必要かも知れません。
そのようなことは、住人自体が全て分かっていて今の多那小中学校があるのです。
教員や村政の負担にならないように、スケートリンクを作ったりプールのペンキ塗りをしたり、地域総出でやってきました。
多那小中学校には朝霧の森という、学校林があります。
これは、子供達が自然に触れて欲しいとの親の願いで実現したものです。
山村でも農村でも、今の子供達は都会の子供達と変わりません。
家でTVゲームをしたり、カエルやカブトムシさえも怖がる子供達です。
そんな子供達を、少なくとも多那の地域にはクワガタムシも蝉もカブトムシもいるんだぞ。って教えたくて父兄が作った森です。
校舎も古く、プールのペンキ塗りとかは父兄と先生が一緒に作業して守ってきたプールです。
サクラが咲く前には、消防団や4Hクラブでさえも手伝って天狗巣病退治の枝打ちもします。
なぜなら、子供達に明るく元気な多那地域を見て貰ってスクスクと成長して貰いたいからです。
人数が少ないから、少年野球とジュニアバレーしか参加できませんが、それでも子供達と親も一緒になって頑張って多那の地域に学校を残そうと頑張っています。
人数が少ないデメリットを、なんとか地域住人の力で子供達の負担にさせないように頑張っているのです。
あなたたちのように、どもにでも移住できてその地が気に入らなければ行政に文句を言い、税金に対するサービスが少ないだの、行政の指導が悪いだの言う人達の気が知れません。
もっと、地域の人達の意見も聞いたらどうですか?
彼らはあなたたちが敵意を持って考えているような人達では無いと、私は思います。
地域的なハンデはそのうちになんとかするとして、今できることを親や地域が話し合って力を出し合うのが良いことでは無いのですか?
私たちの村は、確かに沼田市に編入されましたが、あなた達のように文句だけ言っては居ません。
条件は悪くなっても、もっと子供にとって良い環境になるように地域も親も頑張っています。
あなたの、市政を攻撃するための手段に多那小中学校を使われたくないので、書き込みをいたしました。
あなたに対して無礼だと思ったのなら、私が謝ります。
私は地域の代表では有りませんから、個人の意見として読んでいただきたいと考えています。
駄文、失礼いたしました。 
                        小林裕

小林裕 さん
 コメントありがとうございます。
 論点を混乱されているようですので、整理しつつ反論をします。

1 当ブログの趣旨について

「あなたのウェブサイトを初めて見ました。」「あなたのブログを読んで、少し言いたいことが有りましたのでここに書きこみいたします。」(小林裕)に対して

 このブログにある意見は一人のものではありません。複数の人間の意見が書かれています。よって、意見もさまざまであり、このブログの投稿者がすべて「多那中学校が他の中学校と統合すべき」と考えているわけではありません。
 「教育を、真剣に、考えました?」を投稿したのは私(杉山弘一)ですので、これは私の意見です。

 「私は地域の代表では有りませんから、個人の意見として読んでいただきたいと考えています。」(小林裕)

 はい。そう考えています。

2 「なんで他の中学と統合しなくてはいけないのですか?」(小林裕)について

 私の投稿と合わせて読んで頂ければ、優先順位の問題を言っているだけで、「多那中学校が他の中学校と統合すべき」と言っているわけではないことがお解りいただけると思います。
 そのうえで、小林さんの意見には反論がありますので、以下に述べます。(小林さんが意見を言われたことは大歓迎です。こういう意見のやり取りこそが必要であると考えています。)

4 「あなたは、中学校や小学校は人数が少ないと、まともな教育が出来ないと考えているのですか?」(小林裕)

 はい。複式学級のような小人数になってしまえばどんなに努力をしても得られないものがあります。母校や故郷を思う気持ちを一概に否定するわけではありませんが、それだけではどうにもならない現実があります。そのような現実を見つめることこそが必要だと思います。そして、それが真の意味での「子供のため」でしょう。

5 「地域的なハンデはそのうちになんとかするとして、今できることを親や地域が話し合って力を出し合うのが良いことでは無いのですか?」(小林裕)

 『そのうち』とは、どのくらいのスパンで言われているのでしょうか。1年後ですか、10年後ですか、それとも100年後ですか。
 そして、『なんとかする』とは具体的にどうするのでしょうか。
 これが明確でない限り、あなたのいわれていることは、何もしないと言っているのと同じです。私が今回批判した市教委の対応と同じです。
 根利、南郷と小学校があいついで廃校になった現実。多那地域の人口(特に子供)が増加する見通しがない現実。群馬県内で多くの小中学校が統廃合されている現実。これを直視してください。

5 「条件は悪くなっても、もっと子供にとって良い環境になるように地域も親も頑張っています。」(小林裕)について

 条件が悪くなることに耐えるよりも、条件を良くする事の方が遙かに合理的でしょう。そしてそれが多那に生まれた子供のためでしょう。
 例えば、統廃合しても、池田地区や川田地区のようにスクールバスを運行することで、子供や保護者の負担は大きく減らせます。池田は多那から隣の中学校に行くよりも遠い距離(約15Km )をスクールバスで通学しています。こういう現実を調べ、どちらが子供たちのために良いのかを議論する必要があります。

小林さんのご質問の対する回答漏れがありましたので追加します。

6 「もっと、地域の人達の意見も聞いたらどうですか?」(小林裕)

 はい。聞きますので、声を上げてください。

7 「彼らはあなたたちが敵意を持って考えているような人達では無いと、私は思います。」(小林裕)
 
 彼らとは市の幹部職員を射しているのだとして回答します。
 私は、これまで沼田市に関して、3件の行政訴訟をしてきました。法廷で、市長ら幹部職員と意見を戦わせてきました(書面上です)。訴訟にまで至らない法的手続で争ったことは、多数あります。訴訟は全て私の勝ちでした。市長ら市の幹部職員が違法行為をしていることを明らかにし、億単位の市の損害を回復させてきました。その経験を元にブログ上で批判を展開しています。
 しかし、市の幹部職員に敵意を持っているわけではありません。市の幹部職員にも、出来た方もいればそうでない方もいます。また、一人の方を見ても、良いことをされるときもあれば賛成できないことをされることもあります。そのような中で、これは指摘しなければと思う点を批判しているだけです。
 小林さんは「彼らはあなたたちが敵意を持って考えているような人達では無い」と言われますが、どのような根拠があるのでしょうか。単なる希望、思い込みではないでしょうか。ブログの左にリンクしてある訴訟資料をご覧いただければ、時に彼らがとんでもない違法行為(保守的な裁判所でさえダメよと言うこと)をやらかすという事実をお解りいただけると思います。

8 「今できることを親や地域が話し合って力を出し合うのが良いことでは無いのですか?」(小林裕)

 そのとおりだと思っています。
 小林さんは多那の枠内で出来ることを考えておられるが、私は多那、沼田という枠を超えて考えている。それが違いでしょう。

9 「あなたたちのように、どもにでも移住できてその地が気に入らなければ行政に文句を言い、税金に対するサービスが少ないだの、行政の指導が悪いだの言う人達の気が知れません。」(小林裕)

 移住や行政に文句をいうことがわたしたちは出来るが小林さんはできないということのようです。しかし、日本国憲法22条1項で移住の自由が、21条で表現の自由が保障されています。小林さんも移住が自由ですし、行政への文句をいうことも自由です。そして国民が権力に文句を言うことは、憲法10条の要請でもあるのです。
 小林さんは、このような原理原則を忘れ、ご自身でこれが出来ないものと勝手に枠をはめてしまっています。そのような考え方をされることもまた自由ですが、それを多那の子供たちに押しつけるとしたら、子供たちが不幸です。

10 「あなたの、市政を攻撃するための手段に多那小中学校を使われたくないので、書き込みをいたしました。」(小林裕)

 そもそも、みずからの宣伝のために多那小中学校を利用したのは、市教委です。そして市長選の直前であったことを考えれば、選挙のために多那小中学校が利用されたのです。冷静に考えれば、小林さんが怒るべき相手は市長であり、市教委でしょう。

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