ブログ内検索

  • Google

    WWW を検索
    ブログ内を検索

メンバーの裁判

« 民主政権と沼田市政①・・・・論評 | メイン | 3月議会始まる »

2010年2月28日 (日)

こんな男に、いつまで、やらせるのか。

 ギリシャ神話に登場する人物の中に、手に触れるものをすべて黄金にする力を与えられた、小アジアの古国フリジアの王マイダスがいる。英語のMidas touch、つまり「錬金術」という言葉は、このギリシャ神話に由来する。
 「4年前には、財政調整基金から観光事業特別会計に6億5千万円を貸し出してあったので、財政調整基金は差し引き2億2千万円しか正式にはなかった。しかし、毎年度1億6千万円、1億5千万円、1億7千万円積んできたので、今現在財政調整基金は8億7千万円を超えるまでになった」。昨年の9月定例議会における星野育雄議員の一般質問に対する村長の答弁である。この答弁を聞く限り、千明金造は錬金術に長けた、いわば片品村のマイダス王といったところか。景気の2番底までが懸念される厳しい昨今、片品村の住民としては、はなはだ心強い。が、果たして、そうなのか。

 9月定例議会の一般質問で、星野育雄議員は、行財政改革を進めるために常勤特別職(村長、副村長、教育長)の報酬削減の意志の有無を問い、村長は「片品村は、条例で金額を正式には23.3%削減をしております。したがいまして、今正直に申し上げますと、教育長の報酬が、課長の報酬を実質的には下まわっているということは、ご存じでしょうか。この片品村の特別職の報酬につきましては、同人口規模におきましては、群馬県の最低の金額であります。しかも群馬県36市町村の中で、片品村は下から3番目。ただ言えることは、その間議員さん方の報酬につきましては、1割程度の削減ということでありました。これも数字で申し上げますと、順位としては、群馬県36市町村の中で8番目ということを、是非理解していただきたいと思います。以上であります。」(http://www.vill.katashina.gunma.jp/soshiki/gikai/gikai-kaigiroku/kaigiroku/h21-8t-1.pdf)と答え、これが要約されて、「議会だより第122号」には「常勤特別職の報酬を削減する意志はない。」と載った。(http://www.vill.katashina.gunma.jp/soshiki/gikai/gikai-tayori/tayori-122/tayori-122-9.html
 ホームページの議事録には、一言一句載っているとはいえ、スペースが限られた「議会だより」に載せるには、要約せざるをえない。村長の答弁を要約すれば、その意志がないことがわかるし、新年度予算にも組まれていないのだから、常勤特別職の報酬削減の意志がないことは明らかである。
 しかし、議会だよりに要約されて載った答えについて、村長から議長と委員長に「答弁の内容と議会だよりに載った内容が違うから、正しく載せろ」とクレームがついたらしい。そして、昨日届いた2月15日発行の「議会だより第123号」の12月定例議会の報告の後に、9月定例議会における星野育雄議員の一般質問に対する村長答弁の一部修正として、村長が望んだ答えが載った。 (http://www.vill.katashina.gunma.jp/soshiki/gikai/gikai-tayori/tayori-123/tayori-123-8.html
 そして、「載せろと言うなら載せよう」とした編集委員の思惑が当たり、私も予想した通り、千明金造はボロを出した。 つまり、議会だよりの発行元は片品村議会であり、発行責任者は入澤登喜夫議長である。片品村の行政の長である千明金造が、片品村村議会に軽重にかかわらず圧力を加えることは、金造が憲法で謳われた三権分立の主旨を理解していないことを表し、村長としての裁量権を逸脱している自覚がないことをもさらしている。

 答弁の内容を細かく見てゆくと、千明金造の村長としての資質を疑わざるをえない点がいくつも見える。まず、常勤特別職の報酬削減について、金造は、条例で金額を23.3%削減している、と言っているが、これは星野賢二前村長の時のことである。さらに、その金額が群馬県36市町村の中で下から3番目、議員報酬は同36市町村中8番目であることに理解を求めているが、議会だよりの次ページに載った群馬県町村議長会発行の第55回町村議会実態調査集計表(平成21年7月1日現在)を見ると、町村長と議員の報酬は、ともに下から10番目である。
 つまり、仮に古い資料に基づく単純な勘違いであったにしろ、質問者が知らないだろうとタカを括っての故意だったにしろ、金造は議会で嘘の答弁をしたことになる。
 また、村の財政調整基金について、金造は冒頭に書いた通りの答弁をしているが、次ページに載った平成17年11月末と平成20年度の片品村基金等比較を見れば、土地開発基金としてあった4億6千300万を平成19年度に財政調整基金に繰り入れただけのことである、とわかる。しかも、この繰り入れの裏には、県からの指導があったと聞いているが、毎年度1億数千万ずつ積んできた、とあたかも自らの実績のように答える金造の精神構造にも、疑問を感じざるをえない。「失われた4年間。」にも書いたように、何もかも自分の手柄だと思っているとしたら、金造の知能までが疑わしい。本当に力を証明したいのなら、来年度にも、財政調整基金に1億数千万を積んでみてくれないか。そうしたら、金造を片品のマイダスとして認めよう。

ちなみに、基金等比較の中、総合計の欄に千の位まで同じ数字が並んでいるのを見て、私は咄嗟に、尾瀬和楽舎が県を相手に詐欺まがいを働いた寅さん映画の収支決算を思い出し、同じ穴のむじなが何らかの操作をしたのでは、と疑ったが、これはイージーミスで、正しくは平成20年度が1,138,103である。つまり、金造が財政調整基金を増やした、と胸を張っても、何のことはない、基金総額では2千560万を減らしているのだ。

 議会だより123号に載った一部修正のもうひとつは、水資源機構の戸倉ダム建設事務所(土地付き)譲渡を、金造が村長就任直後に独断で断った件であるが、この事実は、公正公明・ガラス張りの村政とは言えないのではないか、と星野育雄議員が追求した。この土地と建物は、星野賢二前村長の時代に、村が貰い受け、村の庁舎として利用すると、私も聞いていたし、当時議員をしていた金造も承知していたはず、と当時務めていた幾人もの議員からも聞いている。議員たちにも寝耳に水の断りだったわけだが、それを金造は貰うとは決めていなかったはずと答え、譲渡を断ったいきさつを答えた中で、「そしてその時に国土交通省に行き、戸倉ダム中止は片品村にとって大変な痛手であることを伝え、一つ橋を造ってほしいと要望し、そして今御座入に橋が架かりだしています」と、あたかも御座入橋は自分の手柄のように答えている。戸倉ダム中止の補償としては、20億がまちづくり交付金事業として戸倉地区整備に費やされたが、この事業と御座入の橋との位置付けを、金造はどう説明するのか。そもそも、御座入橋については、先々代村長の梅沢羊太氏が種蒔きを始めたと聞いているし、当時議員をしていた金造がそれを知らなかったとも考えられないが、何が何でも自分の実績にしたいのか、とその思考回路さえ疑う。

 『週刊朝日』に登場した片品村村長「千明金造氏」によれば、片品村では、戸倉ダム中止は星野賢二前村長の責任だとなる、と金造がコメントしている。私は、クマタカの営巣が確認されたことが中止の理由と聞いているし、村の誰からも故星野賢二氏の責任を問う声を聞いたことはない。つまり、田舎というのは、都会の目線とは違う、と村民をバカにしたようなあのコメントは、都会とは違う目線の、田舎者のバカを自らさらけ出す金造の考えなのだ。益につながることは、何が何でも時の村長の実績、不利益は時の村長の責任、とする金造の思考回路とも矛盾しない。ただし、本ブログのカテゴリー「片品村」を読んでいただければ、わかるように、不利益は時の村長の責任としながら、それを引き受ける潔さ、本当の意味での責任感は金造にはない。これが、金造がかかえる大きな矛盾である。自らの非は決して認めず、ごまかしにごまかしを重ね、「黒豆が、遂に、飛んだ」に書いたように、すでにごまかしが利かないところまで来てしまったのだ。未確認ではあるが、役場がその対応を県に相談に行ったらしいことを小耳にはさんだ。正論に勝る詭弁などあるはずもないのだが、そんな自明の理さえわからない男に、片品はいつまでやらせておくつもりなのか。(木暮溢世)

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.kazelog.jp/t/trackback/308121/23454559

こんな男に、いつまで、やらせるのか。を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

2012年8月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近のトラックバック