トービン税が実現する?
COP15は無残な失敗に終ったと言われている。
失敗の背景には、「人間の排出ガスにより地球が温暖化する」というIPCCの主張が必ずしも科学的に立証されているわけではないことがひとつ挙げられるだろう。立証されていないどころか、温暖化説そのものが間違いだと称える有力な科学者(たとえば、日本の丸山茂徳)が現れるに及んで、来年は大揺れに揺れると思われる。丸山の主張は、人間が排出するCO2などの影響はたかが知れている、という科学的根拠に基づく綿密なものであり、IPCCの学者がデータの歪曲や捏造をやっていたことが昨年露見するに及び、一段と説得力を増している。
しかし、今日このブロッグで取り上げるのは、温暖化論争ではない。COP15の失敗に伴って出てきたトービン税のにわかな実現可能性である。トービン税とは、かつて私が「沼田市民の目」で二回ばかり言及したことのある、国際的取引税のことである。昨今の、自由化のグローバル化により、金融取引が自由化され、巨額な投機マネーが世界を飛び交う事態となった。この取引に税率は低いがいくらかの課税をし、その揚がりを途上国の貧困対策費にする、というのがトービン博士が考えた税の仕組みだった。COP15では、先進国は1000億ドルの基金をつくり発展途上国の温暖化対策に使う、という案が出されたが、1000億ドルなどというカネは集まりそうもない。そこでトービン税をやってその揚りをあてようという訳だ。
トービン税をやるには、一種の世界政府のようなものをつくらねばならない。世界の高官が集まって運営することになるらしいが、これが世界政府の代役である。具体的にはG20カ国の高官会議になるはずだ。
私は、来年以降、この実現を楽しみに待つ。温暖化説は間違いかもしれないが、トービン税は凄い前進である。世界は変るだろう。(峯崎淳)
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