沼田市議会日記2 -沼田ダム構想をもち出した金井康夫議員-
金井議員の一般質問の項目のひとつに、八ツ場ダム問題があった。星野市長は、9月25日付上毛新聞のアンケートに建設中止に反対と答えたと言うことである。なぜ建設中止に反対なのかその理由は述べなかった。
金井議員は、八ツ場の地域の人々のことを考えて状況を見守る方が良いのではないかと発言した。その理由として、長年にわたり、八ツ場の人々がダム問題に翻弄されてきたことをあげた。過去には沼田市にも沼田ダム構想があり、沼田市民も沼田公園に集まって、反対運動を行っている。もしダムが出来ていれば、この近辺は皆ダムに埋まっていたというのである。だから……と続く。
八ツ場ダム問題に沼田ダム構想を結びつけた話は初耳である。議事録を待って金井議員がなぜ沼田ダム構想を持ち出したのか確認したいと考えている。沼田ダム建設の話が持ち上がったのは、昭和31年(1956年)7月である。八ツ場の人々にダム建設の話が、初めにあったのは、昭和27年(1952年)初夏である。八ツ場の方が先にダム建設の話が持ち上がっている。八ツ場と沼田ダムの関連性はないと考えられる。
金井議員は八ツ場ダム建設推進派のようであるが、建設推進の理由に40年前の沼田ダム構想を持ち出してくることは、こじつけにすぎない。
金井議員の一般質問と言えば、机の上にいくつも資料を並べいかにも勉強していますというポーズを取った、大きな声での発言である。金井議員が質問をする際には、後ろの傍聴席には、だいたい応援団がついている。金井議員のお母様が知り合いを連れて来られている。私はお母様を批判しようとは思わないが、それはまるで小学生の授業参観のようである。
金井議員の一般質問は八ツ場ダム建設、振興局制度、B級グルメ開催についてなど興味深い質問内容ではある。しかし、星野市長に負けている。なぜ、そこで質問をやめる?と思うことが何度かあった。具体的事例を挙げていけば論破できる相手である。中身のない市長の答弁を崩すことが出来ないのが不思議である。真下議員の真田氏についての一般質問よりは良いと思うが、意見が中途半端である。
沼田市の活性化への道は、ほど遠い。
ざしきわらし
金井議員の論法は、「沼田の住民が沼田ダムに反対したから八ツ場ダムが出来た。そのため吾妻の住民が50年以上も苦しんでいる。巳喜雄市長は吾妻に謝りにいけ。」(議会筋より)というものです。
八ツ場ダム推進をごり押ししてきた元自民党県連幹事長の立場を批判するならともかく、沼田市民を代表して謝れと言うのはいくらなんでも無理があります。
そもそも、ダム推進派はダム(による治水利水)が欲しいのではなく、ダム建設に伴う利権が欲しいのです。その本音からすれば、「沼田ダムが中止になったから八ツ場ダムが推進されてきた」というのは的はずれではないでしょう。しかし、沼田ダムは利根川・吾妻川の合流点よりも上流に予定されていたのですから、「沼田ダムの変わりに八ツ場ダムが必要になった」ということは治水利水上は八ツ場ダムは不要といっているに等しいことです。つまり、八ツ場ダム推進派にとっては自らの首を絞める失言です。
これまで、数の論理だけで動き、まともな議論を経験していないから論理構成が出来ないのでしょう。
それにしても、真下議員の真田氏についての一般質問がどんなものか知りたいですね。
投稿: 杉山弘一 | 2009年12月27日 (日) 12:44