"この程度"は"問題ない"。
4日(金)に始まった12月議会定例会が7日間の日程を経て、昨日10日(木)、八ツ場ダム建設推進を求める意見書等、3件の意見書の提出を決め、閉会した。八ツ場ダム建設推進については、片品村も自民王国・群馬の市町村とのおつき合いで、ということらしい。これら3件の陳情が近々小沢一郎の元に届くことを想像すると、とりあえず、村も日本の一地方自治体であることを改めて思い出す。とりあえず、というのは、私が認識する日本と片品村があまりにかけ離れているからだが…。
今回の定例会初日の一般質問で面白い場面を見た。私が「姑息な真似はしない」(カテゴリー「片品村」から)、「千明金造は、即刻、辞職せよ!」(同)、「千明金造は、村長選出馬を辞退せよ!」(同)に書き、9月定例会でも問題になった、村長による産業廃棄物不法投棄について、萩原日郎議員が質問をし、村長が色めきたった、ように私には見えた。
村長が自分の土地に少量の廃棄物を捨てたことを"問題なし"とする法的根拠を日郎議員が質問すると、村長は「大型ダンプで何台もと言うが、飛散を防止するために土をかけたりした結果で、"この程度"の量は問題ない」と答えた。その土地の地目についての質問には、「農地であっても、30坪や40坪のことで問題ない」と、村長は、法的根拠を示さないまま、"問題ない"を繰り返す。更に、日郎議員が投棄を始めた時期と期間を質問すると、古い話として、正確な答弁はない。問題が発覚したときに、村長の立場を慮り、きれいに片づけたのだから"問題ない"と、それが村長の言い分だ。
では、村長に尋ねよう。万引きは何回までなら"問題ない"か。100円の商品なら"問題ない"か、いくら以上の商品なら問題か。その線引きはどこだ。万引きがばれても、金を払えば"問題ない"か。村長の答弁は、例えに上げたこの理屈と、どこがどう違うか。
日郎議員は、村長が投棄した廃棄物(プラスチック粉)に許容量の5.67倍にあたる1.7mg/Lの鉛又はその化合物が検出されたとする、東京東池袋に本社を置く(株)環境科学コーポレーションの藤岡市にある関東事業所(計量証明事業登録番号環第3号)が、JIS K 0102 54.3という方法で試験した分析結果を示したが、これを無視し、あくまでも有害物質ではないと主張、誰が他人の土地に無断で立ち入り、無断で廃棄物を持ち去ったかを、議長の許可を得ず、日郎議員に逆に質問した。冷静に質問する日郎議員と比べても、根拠も示さず、ただ"問題ない"を繰り返す村長の苛立ちは、異様でさえあった。議場でのやりとりであり、言葉遣いこそ「ですます調」ではあったが、村長の日郎議員への逆質問は、チンピラの言いがかりのようにさえ私には見えた。
この村長の答弁に、別の新たな問題が出てきた。片品村議会会議規則(昭和62年2月24日議会規則第1号)には、どこを読んでも、村長及び執行側に反問権は与えられていない。一般質問に関する第61条第1項では、質問する議員にさえ、議長の許可を求めている。このときの村長から日郎議員への逆質問は、議長の権限を無視した暴挙であり、片品村議会会議規則そのものに違反した違法行為であると言わざるをえない。
私自身は、議会が議論の場であり、説明責任を首長側に課すからには、首長側に反問権を与えることはフェアーであり、論点、争点を明確にし、議論の活発化や想定外の展開も期待できる点で、賛成である。ただし、反問権が、質問、質疑の趣旨確認や、それら事項の事実関係確認、答弁にあたっての確認、という形で時間稼ぎに利用されないことが条件と考える。実際、反問権を規定している自治体は増えているようであるし、片品村でもそれを認めようとするなら、条例、規則を改正してからにしてもらいたい。それが法治国家日本の一地方自治体のはしくれである片品村に求められる筋である。
この日の日郎議員の質問は、村長からの答弁を受けた上で議論をし、今後、村として産業廃棄物全体についてどう取り組んでゆくべきか、村長の考えを聞きたいとしていたが、村長の暴挙によって、一問一答の制限時間40分が切れてしまった。
要するに、村はわずかひと月半前、このような品性を疑わざるをえない人物を、向こう4年間の村の舵取り役に選んでしまったのだ。彼に一票を投じた2048人の人たちには、そのことをよく心してもらいたい。火の粉は5300人全員に降りかかるのだ。
一年が過ぎるのが年々早くなり、今年もあと3週間で暮れる。ものぐさな男の独り暮らしで、日ごろは行き届かない大掃除でもして、せいぜい気持ちよく新年を迎えようか。たまった段ボールと発泡スチロールの箱はどうするか。まあ"この程度"の量なのだから、裏のドラム缶で燃すことにしよう。我が家の裏庭なのだから、"問題ない"。(木暮溢世)
金造村長はこんな反論をするなら、「所有する廃棄物を盗まれた」と言う被害届を出し、被疑者不詳で刑事告発すべきでしょう。
日郎議員の方も、議会で質問するだけでなく、県の担当部署にデータを添えてきっちりと告発しておくべきでしょう。おたがい、口だけでなく、しっかり実行しておかないと舐められますよ。
それにしても、金造さんは大人気ない。ここは、「問題ない」と開き直ったり逆質問をするのではなく、ただひたすら「申し訳ない」を繰り返すべきところでしょう。そうすれば、村民の見る目も違ってくるのでしょうに。
投稿: 杉山弘一 | 2009年12月12日 (土) 12:47