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2009年10月 1日 (木)

鳩山の国連演説と沼田

 二千二十年までに炭酸ガスの排出を25%(1990年のレベルと比べ)削減することを宣言した鳩山由紀夫は世界中から注目を浴びた。日本で政権交代が起きたことをはっきり示したばかりか、アメリカのポチであったこれまでの自民党とは一味違った政権であることを世界の人々に印象付けた。

 鳩山が温暖化ガス排出の難問を敢えて取り上げた先見の明と勇気は称えられるべきである。二大排出国であるアメリカと中国が容易に踏み切れないでいる数値化に一歩先んじた事実は大きい。アメリカの言いなりで、自分の意見などないカネ儲けにだけ熱心な人種としか見られていなかった日本人が、自分の言葉で明快に語ったのだから痛快である。
 約束した25%について「経済が破壊される」など、つい先日まで自民党が言っていたことをまだ繰り返している日本の経営者もいるようだが、鳩山由紀夫が圧倒的多数によって選ばれた日本の首相であるということの意味がわかっていない。鳩山の掲げた数値目標は日本人の約束となったのであり、日本人すべての努力目標とすべきものなのだ。かつて日本人は実現不可能と言われたマスキー法の排出ガス規準を独創的な技術によってクリアした実績を持つ。GMもフォードもクライスラーも出来なかったことを日本のホンダが成し遂げたのである。25%の削減というのは達成するのに相当の努力の要る目標には違いないが、地球の環境状況はもう待ったのきかないところまで来ている。
 鳩山の宣言は地政学的な見地からしても、極めて時宜に叶った適切なものであったと考えられる。

 例えば、チベット高原(ヒマラヤ山系)のバイシュイ第一氷河は、かつて2700メートルあった長さがこの二十年間に170メートルも後退し、後退のスピードを年々ますます速めている。チベット高原は南北の極に次いで巨大な永久氷塊を持ち、「第三の極」と呼ばれる。アジア大陸に流れる大河、西はインダス河から東は黄河にいたる間のガンジス河、ブラマプートラ河、イラワジ河、サルウイン河、メコン河、揚子江などの水源なのだ。チベット高原の温暖化のスピードは地球平均よりはるかに速い。短期的には下流の河川の水量は増えるが、やがて激減する。そうなると激しい水争いが起きる。戦争が予想される。
 環境問題に極めて鈍感に見える中国にとっても温暖化阻止は緊急のテーマとならざるを得ない。

 アメリカのオバマにとってもそうだ。環境分野に新しい経済成長の可能性を見出そうというのがオバマ大統領の戦略である。日本が大胆な排出ガス削減を打ち出したことは、オバマにとっても追い風になる。

 アメリカ、中国の二大排出国も数値目標に向って進まざるを得ない。鳩山の一見無謀とも見える発言は、地球環境の必然に基づく極めて妥当なものだった。われわれは混迷を極めた自民党政権の後に、初めて政治家らしい政治家をリーダーとして得たことを喜ぶべきだろう。

 さて、沼田の政治はどうなっているか? 市長が無策無能で、市の財政がずるずると夕張化に向っているのを、議会が何らかのチェック機能を果たしているか? 答えは、明らかにノーだ。議会もまた市長にふさわしく無能無策、たわけぞろいである。(「たわけ」とはケツの穴のまわりに生えている毛で、クソの役にも立たない、ことを言う。)財政を健全に導くため、支出の優先順位を徹底検証しなおすべきだし、なによりも市長の財政運営の方針を問題にすべきなのに、振興局長がどうして必要なのかすら問う議員がいない。議員のするべき仕事をしない議員など全部辞めてもらいたい。狎れ合いの議会など要らない。市民のために戦うことをしない議員に払う月給は、泥棒に払う追い銭である。

 沼田の政治は自民党のでたらめ政治の名残である。尾身幸次も落選した。困ったときの尾身頼みももうできない。政治の目的は既得権の温存ではなくなった。沼田もこの機会に変わるべきである。 (峯崎淳)

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