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2009年8月23日 (日)

老人の回顧談*私事ですが・・・

 白井基勝です。

unoさん、ダルタニアンさん。市民の目沼田にコメントを寄せられたこと大歓迎です。皆さんとこれからも「建設的で生産的」な言葉のボクシングをやって行きたいと望んでいます。

 unoさん、あなたは、峯崎さんを「支離滅裂」と断じ、「団塊の世代でしょう?」ときめつけ、管理者さんから議論の内容に無関係な私事を持ち込まないように、とたしなめられましたね。そうです。論者の年齢は議論のなかみと無関係です。アメリカなどであなたのような発言をしたら、年齢による差別を行った、として、法的責任を問われかねません。議論は、論理が通っているか、いないか、で争われるべきです。非論理的なことを言い出したら、そのとき負けになります。従って、年齢、性別、人種など、論者のプライヴァシーに属することは、基本的に言うべきではありません。
 沼田の一部の人々が好きな「よそ者」という見方も議論の内容と関係がなければ、差別です。日本国憲法は、国民は自分が住みたいところに住む権利を認めています。「よそ者」と言ってよそから来た人間に差別的扱いをするのは、憲法に違反するでしょう。(判例があるかどうかは、知りませんが。)

 あなたのおそらく何気なく出てしまったであろう、峯崎さんに対する「団塊の世代でしょう?」という発言に私がこだわるのは、峯崎さんも私も団塊の世代より十年年上の、いわば戦争中に小学生だった世代だからです。私が経験してきたものは、戦後に生まれ育った人のそれとはずいぶん違います。団塊の世代も今は老人の仲間入りをしましたが、私などから見れば「若造」です。私だって、永井羊一さんのように兵士として先の戦争に行って来られた方から見れば、幼稚に見えるにちがいありません。もちろん、紳士である永井さんは決してそのようなことはおっしゃいませんが。

 老人には生きてきた長い過去があります。歴史があります。私は平凡なサラリーマンの人生を生きてきた男ですが、いくつかの歴史的事件を身近に経験しています。ひとつは、昭和三十五年に起きたいわゆる六十年安保の東大生樺美智子さんが殺された事件です。そのとき私は二十六歳でアメリカの会社で働いていました。全学連が国会突入した日、私は動員されてデモに反対する側にいました。どこから出たカネか知りませんが、日当として五百円と桐の下駄一足をもらい、安保賛成の側にいたのです。翌日の新聞で樺さんが踏み殺されたことを知り、国家権力の恐ろしさを肌に感じました。

 その後、私はアメリカ人、スイス人、ロシア(ソ連)人、ドイツ人などを相手に広告の仕事に携わってきました。外国人を相手にすると、日本的な「なあ、なあ」は通じません。また相手の言うなりになっていては仕事になりません。相手の言い分とこちらの条件を論理的に整理し、へたくそな英語で必死に説得するしかありません。私は全く文化的背景の違う外国人と付き合う方法を覚えて行きました。

 アメリカに滞在していたとき、ニューヨークの市立図書館で行われた市民の対話集会を見学したことがあります。議論は、ときにエキサイトして、口論に近くなり、禁断語が混じる場面もありましたが、基本は論理と論理の争いでした。なにより感心したのは、相手に真向から反論しながらも、相手が意見を述べる権利はあくまで尊重する、という態度を失わないことでした。そこに市民社会の成熟をかんじました。言い換えれば、「勝ち取った民主主義」と「負け取った民主主義」の差を見たのです。ロンドンのハイド・パークで見た論争も同じでした。

 unoさん、老人には生きてきた歴史の長さがあります。私のような者でも、ゴルバチョフが監禁され、モスクワにあわや血の雨が降るかと世界中が固唾を呑んでいた事件に遭遇しています。たとえ、沼田から一歩も外に出たことがない人でも、世界の歴史と無関係ではありません。沼田の経済が停滞しているのは、日本政府の政策が工業偏重、大都市中心だったことだけでなく、沼田人自身の思考回路が目詰まりを起しているからでもあります。私のような「よそ者」の意見に素直に耳を傾ける度量を持てば沼田はきっと発展するでしょう。民主党は自民党政府の無駄遣いを言っていますが、沼田だって、私から見れば、大変な無駄遣いをやっています。一緒に、浄化に立ち上がりませんか?沼田が今必要としているのは、しがらみのない若者と「よそ者」なのですから。

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