日本代表は15日、キリンチャレンジカップでベネズエラ代表と対戦する。国際サッカー連盟(FIFA)ランキングで、日本は22位、ベネズエラは52位。両国代表は14日、試合会場の札幌ドームで前日練習を行った。MF本田圭佑(26)=CSKAモスクワ=はこの日朝、新ヘアスタイルで帰国し、練習に参加。ハットトリックを達成した6月8日のワールドカップ(W杯)アジア最終予選のヨルダン戦(埼玉)以来のホームゲームで、本田が再び大暴れするか乞うご期待だ。
ただならぬオーラを漂わせた男が新千歳空港の到着ロビーに姿を現すと、集まったファンがどよめいた。「あれが本田!?」「かっこいい!!」。地元テレビ局が本田の登場を興奮気味に実況中継するなか、群衆の視線を集めたのは、その頭部だ。トレードマークの金髪は残しつつ、サイドを大胆に刈り上げた新ヘアスタイル。ブラジル代表の若きエースFWネイマールのようでもあり、はたまたお笑い芸人のウド鈴木か…。日本代表でも香川や藤本らが取り入れる流行の2ブロックヘアだが、本田がやれば、やはりそのインパクトは段違いだった。
今季は開幕から4試合連続フル出場し、2得点1アシストを記録。それでも帰国したこの日朝の成田空港では「好調ではない」と冷静に自分を分析した。そのうえ、モスクワから移動し、中2日で臨むベネズエラ戦での先発は確実。過酷な日程だが、大黒柱の自覚から本音を封印した。「それはね。僕だけではないので。弱音を吐くことは許されない」。どんな状況でも結果を出してこそエース。新ヘアスタイルは、あえて自らにプレッシャーをかける意味合いもあるのかもしれない。
44年ぶりに4強に進出したロンドン五輪については、「何十年ぶりとか、いろいろあったみたいですね」とあっさりとした感想にとどめた。己が目指すのはあくまでブラジルW杯での世界の頂点。ちょうど1年前、同じ札幌で行われた韓国戦でもゴールを決めた。新ヘアで参上した本田がベネズエラの守備ブロックを破壊し、南米の強豪を“キャイーン”と驚かす。 (宮崎厚志)
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