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メンバーの裁判

« 市民協働推進会議の意義 | メイン | 格差と沼田(その2) »

2009年8月14日 (金)

格差と沼田

軽トラに白菜を積んで渋川の市場に出荷してきたUさんにいくらで売ったのか聞いて愕然とした。一個八十円だった。仮に十個出したとしても八百円。それでは、百姓は食えない。

しかし、農業は戦後の一時期を除けば、商才に長けた一部の農家以外、儲かったことはなかった。とりあえず食いものだけはあるから、何とか死なずに済むのが農業とされていた。農業をやるのに頭や学問は要らない、とされ、馬鹿な子は百姓にした。利巧な子は都会にやった。劣等感が農家にはつきものだった。

沼田にも片品村にもこの劣等感の底流がある。どうせ俺たちは馬鹿だ、難しいことはわかんねえ、と逃げる癖がついている。だから、なにごとにせよ、知らないものには尻込みする。そのくせ、耳障りのいいことだけを並べる嘘つきの政治家や詐欺師にすぐ引っかかる。

現在、世界も、日本も激しい格差社会となっている。国内の地方格差、雇用の格差などが問題になっているが、資本主義というシステムは格差を肯定するシステムなのだ。小泉改革以前の一億総中流の日本は、社会主義によく似ていた。資本主義は窒息しそうになって、小泉が登場したのである。

格差というものは暴力に似ている。合理的な説明はできない。運のいい、力の強いものだけが生き残る。理不尽だとじたばたしても、しているうちに人生の賞味期限が過ぎてしまう。昔の農民たちがそれをいやというほど味わった。食いつなぐため娘を売ったり、兵隊にした。白木の箱が帰ったら、一家が食いつなぐことができた。

今度の選挙のテーマの一つは格差の是正である。沼田が再生するには、地方格差をなくす必要があるが、沼田自身の格差をなくす自覚的努力がないのに、地方格差是正を唱えても説得力はない。まず、病気の老人や障害を持つ人たちが安心して生きていけるよう最大の努力をすることが必要なのだ。乗り合いタクシーを廃止するなどは愚策というより、格差を是認する非道である。利用者は病院通いの老人や障害者なのだから。

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乗り合いタクシーの存続を求める陳情は、11日の民生福祉委員協議会で審議され、賛成少数で不採択となったようです。
http://www5.kannet.ne.jp/~jcp-tn/yamabiko/yamabiko184.pdf
そもそも、地方自治法100条12項、議会規則162条の根拠のない委員協議会は、議案の協議の場ですらない、たんなる雑談の場です。そこで、陳情を審議すること自体が適正手続違反でしょう。昨年の地方自治法の改正後も、法的根拠のないこんな委員協議会を設置しているのは、沼田市議会ぐらいだ。市民に傍聴されたくない議員が考えた姑息な手段だ。
陳情を審査したメンバーは、片野彦一委員長、宇敷和也副委員長、真下恭嗣、鈴木圭子、大島崇行、井之川博幸、星川嘉一郎、牧野保好、金井康夫の9名の議員である。密室で、誰が賛成し誰が反対したのか、それぞれの理由は何か、を明らかにしなければならない。

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