黒豆が、遂に、飛んだ
尾瀬ブランド委員会(以下委員会という)の委員長に、片品の人間ではない進士猛を任命した理由を村に尋ねたところ、委員会の互選に任せたという返事がきた。そこで、委員は誰で、認定委員は誰なのかを尋ねると、村は、委員9名のうち民間の4名と認定委員10名のうち民間の5名を黒塗りして非公開とした。広報や認定証で公表されている委員長の氏名さえ黒塗りしてある。認定委員3名については、ブランド委員3名を順番で対応すると、意味不明瞭な記述もある。要するに、村がいかがわしいNPO法人尾瀬和楽舎に丸投げし、体裁を整えるために役場職員を加えたということだ。
委員会設置要項には、その趣旨として「尾瀬の郷・片品村らしい商品を認定することにより、尾瀬ブランドの確立を図り、商品の付加価値を高め、もって販売を促進させることを目的として尾瀬ブランド委員会を置く。」とある。
ここで、要項にあるふたつのキーワード「認定」と「付加価値」に注目しよう。
村が「認定」したということは、村が公式に尾瀬ブランドとしてのお墨付きを与えた権威付けのようなものだが、その委員と認定委員が正体不明では、村の認定の裏付けをどう説明するつもりなのか。そもそも委員会名簿も認定委員会名簿も公開しないということは、認定の裏にあらゆる疑いの可能性が否定できないはずだ。意地悪い具体例をあげよう。
「金造さん、あんた、10品目の業者から袖の下いくらもらったんだ?」
尾瀬国立公園誕生記念事業の監事(平成20年度)のひとりを務めたのが星野千里であり、「尾瀬を食いものにする奴ら」「そんなタケシに騙されて」に書いたように、詐欺師まがいの進士猛が委員長を務めた尾瀬ブランド委員会なのだから、裏にあらゆる不正、疑惑があっても不思議はない。
もうひとつのキーワード「付加価値」については、付加されたのが不正や疑惑という負の価値では、10品目の加工品を作った人たちだけでなく尾瀬国立公園誕生を歓迎した村民すべてに対する裏切りである。つまり、村は「認定」「付加価値」を謳いながら、その価値を自ら貶めているのだ。
そこで、村の公式事業である尾瀬ブランド認定に関わった委員および認定委員の氏名を非公開とすることは違法であるとして、私が行った当該情報の全面開示を求めた異議申立てに対して、片品村情報公開・個人情報保護審査会(以下審査会という)の答申を受けて、異議申立てから4ヶ月半もたった7月30日、村から「棄却」の決定が出た。
決定の理由は、ふたつ。ひとつは、「個人に関する情報は当該個人が公にすることに同意している情報以外は非公開としている」。しかし、こんなことは条例のどこにも書いていない。村は、片品村情報公開条例(以下条例という)第7条第1項第1号をあげるが、そこには原則公開に対する例外の例外規定がある。
ア)委員長名は、広報や認定証ですでに公表されているのだから、慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報である。
エ)尾瀬ブランド委員会の趣旨からして、その委員の氏名を公開しても、委員個人の権利利益を不当に害するおそれはない(少ない)。また、尾瀬ブランド認定事業の趣旨からして、公にすることが公益上必要である。
オ)公にすることに黙示の同意がある。
つまり、個人に関する情報であっても、特定の個人が識別できる又は個人の権利利益を害するおそれがなければ、公開しなければならない。
ふたつ目の理由に、村は片品村個人情報保護条例第15条第1項をあげるが、そもそもこの件は、情報公開(村長の開示義務)の問題であり、委員及び認定委員の氏名を非公開とする理由にはならない。個人情報保護条例第15条は、自分自身の情報の開示請求(村長の開示義務)の規定であるから、なおさらである。
要するに、「名前を伏せてくれ」と言う審査会が、自らの無知と腰抜けを棚に上げてブランド委員と認定委員の名前を公開しろ、とは言えなかったということだろう。これが、千明金造が認める片品村の識見だ。
尾瀬ブランドに関しては、幾人もの村外の人たちから"あの豆腐"が入っていないことの不思議を尋ねられた。同じように思っていた私は社長に尋ねたが、彼は農産物加工品だけでなく、片品の農業そのものに何のビジョンもない村や委員会の枠で考えることを無意味と言った。そもそもブランドは消費者の評価の積み重ねが生み育てるのだから、「認定」を消費者に任せた彼の判断が正しい。
委員会の設置要項の、委員の役割には、認定作業の他に、ブランド確立のための方策の提言と、新たな商品の発掘、開発の環境づくりの提言と、それらしい謳い文句はあるが、所詮はマーチャンダイジングやマーケティング、広告やセールスプロモーションにもど素人の進士猛が委員長を務める委員会に頼っても埒が明かないのだから、10品目の加工品を作り上げた人たちは、ままごとが終わったことを肝に銘じて、これまで通りやってゆくしかない。
7月30日に村から出た決定に話を戻そう。送付された審査会の答申を見ると、「尾瀬ブランド委員会や尾瀬ブランド認定委員会の行った事業は、片品村から補助金等の支出がなされていることやその目的を考慮しても、公的性質を有していることは間違いない。」とある。遂にというか、早くもというか、「這っても黒豆」「跳ねても黒豆」に予言したごまかしのほころびが出てきた。
尾瀬の森映画祭はNPO法人尾瀬和楽舎が行った営利事業であり、村が支出した60万の補助金には法的根拠がないのだから「返還させろ」という私の監査請求に対して、片品村監査委員は「村は、尾瀬国立公園記念事業実行委員会に委託料として145万円を支出した。その実行委員会がそれぞれの事業主体に補助金を支出した」と言い、尋問で、監査委員は私に「村が尾瀬和楽舎に補助金を支払った証拠がありますか」と尋ねた。つまり、村が委託料を支出したのは尾瀬国立公園実行委員会であり、それぞれの事業主体ではないということだ。一方、審査会は、村から尾瀬ブランド認定事業に補助金等の支出がなされていると言う。
監査委員は中村康彦と星野完治。一方の審査会は「名前は伏せてくれ」と言う3人。どちらの言い分が正しいのか。しかも、「跳ねても黒豆」に書いたように、村は、「尾瀬国立公園記念事業のそれぞれの事業主体は、村とは別の事業主体」と言う。
そこで提案がある。来る8月30日は尾瀬国立公園が誕生して丸2年になる。その2周年記念イベントとして、片品村文化センターで監査委員と審査会、村を代表して千明金造に「片品村の真実」をテーマに、事実を語り合ってもらうというのはどうだろう。もちろん、審査会の3人には覆面、頭巾の着用、変装は断る。私が司会を務めてもいいし、必要なら、「市民の目!沼田」の場を借りて書いてきた呆れるばかりの疑問や疑惑、違法の数々を基調講演として洗いざらい話してもいい。
そもそも村は、すでにごまかしきれないところまできてしまったのだから、すべての市民住民が社会の秩序を守るために決めた約束事である法律、条例、規則を尺度とする、いちばん公正で正当な情報公開請求が、村の運営を改善し、活性化するための貴重な情報源となり得ることを真摯に受け止めるべきである。(木暮溢世)
1村のホームページには尾瀬ブランド認定委員会」は村の諮問機関とあります。
http://www.vill.katashina.gunma.jp/soshiki/kanko/burando/burando.html
村の機関に村が補助金?それはないでしょう。タコが自分の足を食って生きながらえているもの。
2 進士猛委員長の名前は、村のホームページにも掲載されています。
http://www.vill.katashina.gunma.jp/soshiki/kanko/burando/images/yousiki.doc
これも同意を得ないで公表したのでしょうか。だとすると、いずれ進士氏から損害賠償請求されそう。
投稿: 杉山弘一 | 2009年8月12日 (水) 09:37
小人閑居して不善をなす。村を食いものにする小人たちの暗躍が伺われて面白い。どうしてこうも品性下劣な連中がのさばるのか。情報の公開は、悪徳代官やその取り巻きの最も怖れるものだ。ちよろちょろ悪いことばかりして村のカネをくすねることを、甲斐性だと思っているネズミどもは、お日様が怖い。白日の下に悪行が晒されては、さすがに村人に顔向けができなくなる。尾瀬の二周年にドブネズミ退治をするのは大賛成だね。小生も見物に行くよ。年増の妲妃までいるっていうじゃないか。
投稿: 峯崎淳 | 2009年8月12日 (水) 11:10
根源は無関心としがらみ。ほとんどの人たちは変化を望んではいない。それが無関心を生み、複雑に絡み合った地縁血縁のしがらみが、お互いを人質にし、人質にされ、たとえ関心があっても、人々に暗黙に沈黙を強いる。そこにつけ込んだ品性下劣な首長と、それに与する同じく品性下劣な村議たちがつるんで、ひたすら従順な犬たちを侍らせ、狂宴に酔い痴れる。
公式事業の実行委員会に名前を連ねる民間の人たちも、結局は住民参加のアリバイ作りに利用されているだけ。この人たちの名前が公開されたからといって、彼等をあれこれ責めるつもりはない。問題は、委員会で機能しない肩書を持つ奴ら。甘い汁だけがこいつらのところに行く。
投稿: 木暮溢世 | 2009年8月13日 (木) 19:38
時々拝見しています。相変わらず片品村を過激に攻撃していらっしゃいますねえ。私は片品で生まれ、育っていますから、さしずめ生粋の従順な犬ですか???
審査会や審議会のメンバーの方々がお名前を公開したくないのは、こんなふうにドブネズミとか犬とか個人攻撃されることから自らを守るためではないのでしょうか?顔が見えないところから攻撃されると、とっても傷つきますものね。
ここにコメントを投稿された、あなた。人間をドブネズミ呼ばわりするあなたの品性こそ少々お下劣のような気がしてなりません。 ネット上だから平気なのですか?顔を見ながら話す時もこんな表現をするのですか?
ちなみに、私は偽名を使いましたが、単純に恥ずかしいだけで、ドブネズミの一味でも、犬の仲間でもありません。常々こちらにコメントを投稿される方々の表現に不快な思いをしておりましたので・・・
木暮さんにはお願いがあります。次期村長選には是非立候補していただき、めでたく村長になられましたら、疲弊した村を誰もが羨む片品村にして下さい。村の将来を案じ、誰よりも村を愛していらっしゃるようにお見受け致しますので。
あなたしかいない。
投稿: 八雲 | 2009年8月17日 (月) 14:08
人をドブネズミ呼ばわりした”品性下劣な”男は私、峯崎淳です。狐や狸なら、品性下劣にならないのですか?片品のエライ人にはたくさんいるようですが。獣に喩えてその性格を表わすのは、イソップの昔から有力な表現手段でした。日本でも同じです。鳥羽僧正の鳥獣戯画なんて大変な傑作ですよ。獣がだめなら、鳥ではどうでしょう?アホウドリとかウソとかサギとか議会にもたくさんいるんじゃありませんか。
喩えの巧拙は表現者の能力です。ドブネズミなんて呼ばれたくなければ、それを想起させる汚い手口で利得を図ることを許さないようにすればいいんです。
みながドブネズミ呼ばわりするようになれば、こういう厚かましい手合いもちょろちょろできなくなりますよ。なお、私は面と向うともっと激しく批判いたしますよ。
ドブネズミなんて穏やかなつもりなんです。
投稿: 峯崎淳 | 2009年8月17日 (月) 19:12
八雲さん、コメントありがとうございます。
最初にお伝えしておきたいのですが、このブログにある片品村に関する記事は「片品村村議、萩原一志様」以外は、すべて私が実名で書いてきたものです。しかも、その内容はすべて私自身が確かめた事実です。2月20日の初めての記事から読み返してくださればお解りいただけると思いますが、私は一度も一私人について責めるようなことは書いていません。あくまで公職にある人物、公式事業に関わる公的立場の人物に関する事実だけを書いてきました。なぜなら、そこに公金が流れているからです。公金は、言うまでもなく、住民であるみんなが払った税金です。その税金が一部の人間の懐だけに入る。それを見逃す監事がいて、それで良しとする首長がいる。行政ぐるみで非を認めず、ごまかすための詭弁を重ねる。そのことが許せなくて、それを告発するつもりで書き続けているのです。
私は、法律の専門家ではありません。ですから、何かおかしいと感じたとき、ネットで検索して法律や条例、規則を読み、解りずらい個所を法律に詳しい友人に尋ねたり、もっと必要なときには、中学高校時代からの弁護士をしている友人に相談したりしながら、自分の解釈が正しいかどうかを確かめています。それは、法律や条例、規則が社会秩序を守るためにすべての市民住民が決めた約束事であり、不正を追求する唯一の、すべての人にとって公平かつ公正な尺度だと考えるからです。
昨年10月に、おかしいと感じた5件について情報開示の請求をしました。出てきた情報2件に新たな疑問があり、重ねて情報開示請求、3件について異議申立てをしました。こうして、10ヶ月足らずの間に、異議申立てが9件、住民監査請求が1件になりました。まさかこんなにと驚いているところです。友人の知識を借りての私の解釈でも、村がやっていることは違法だらけです。それをごまかすために、村は次から次に詭弁を労し、遂に、審査会と監査委員からの答にほころびが出てきたというわけです。
試しに、情報公開・個人情報保護審査会をネットで検索してみてください。あちこちの自治体が委員の氏名と肩書を公開しています。つまり、個人攻撃から身を守るためとか、攻撃されると傷つくとか、そういう次元のものではなく、氏名と肩書の公開は法律で決められたことなのです。単純に考えても、姿形の見えない人物を信用しろと言われても、無理でしょう。ちなみに、顔が見えないところから攻撃されると、とても傷つくと八雲さんはおっしゃいますが、私はそうならないためにも、実名で書いていますし、逃げも隠れもしない、いつでも誰とでも話をすると言っています。
八雲さんがおっしゃるように、私は片品を気に入っています。行政には、この溢れる自然に相応しい村になるような運営をして欲しいと願っています。首長や役場職員に、何が何でも非を認めて謝れと言っているわけではありません。そもそも、日常的に健全な運営がなされていれば、非を認めるもごまかすもないはずです。ただただ私が望むのは、風通しのよい村になることです。
投稿: 木暮溢世 | 2009年8月17日 (月) 22:23
八雲さん
木暮さんは、このブログにとって稀有な存在で、事実に基づいて、片品村の村政批判をしております。価値判断よりも事実を優先していることにお気づきですか? その他の方の片品村批判は、事実というよりも外から眺めて面白くおかしく揶揄しているだけであって、あまり意味の無いものですから、気になされないほうが良いと思います。これはブログの常識というヤツです。
むしろ八雲さんも、ノイズにごまかされることなく、片品村行政の問題点について、どう思うのかコメントをして欲しいと思います。 口汚いコメントと木暮さんの血と汗の結晶である事実と実名による分析・考察を一緒にするのは、このブログで将に貴方様が気にする、あげ足取りであって、つまらないことだと思います。
投稿: ダルタニャン | 2009年8月18日 (火) 14:30