国政選挙と沼田
衆議院が解散した。四粋人がそれぞれの感想を話し合った。
歴史家:今度の選挙は歴史的な選挙になるという。今まで政権を握ってきた自民党がどうやらすべり落ち、野党が政権を取るというシナリオが現実味を帯びてきたね。地方自治体の選挙を前哨戦と見る限り、政権交代が起きる確率は高いね。
法律家:政権が交代するのは基本的には望ましい。自民党の統治能力は、安全保障は米国にお願いし、国内ではひたすら経済成長を追求する、という路線が通用しなくなるのに比例して、衰えたんだ。米国の一極支配が意外に短命だったね。バブルとその崩壊という資本主義の宿命が米国を追い詰めてしまった。
ビジネスマン:ドルの凋落も甚だしいね。米国債を大量に保有している中国のご機嫌を損じないようにとても気を使っている。ウイグル問題にしろ、先のチベット問題にしろ、人権問題なのに米国の歯切れがよくないのは、そのためだろうな。
哲学者:私のように世間の喧騒を遠くから眺めている者には、今度の政争は今までの政争と違って見えるね。それぞれの陣営が依って立つ原理が透けて見える。自民党は一時市場の自由競争を信仰する原理主義者に入れあげていたが、このところの金融危機で熱が冷めた。市場原理では社会がもたないとわかってきた。自民党の自由主義などといっても極めて底の浅いものなんだな。米国とは比較にならんよ。しかし、高福祉社会に踏み込むほどの覚悟はない。基本的仕組みは変えずいわば微調整によってセイフティー・ネットを用意し、この場の危機を凌ごうと考えている。よろずアバウトでいい加減なんだ。これに対し、民主党は甚だ曖昧だ。旧社会党の一部が自民党の改革派と結びついてできた党なので、どこかに社会主義的な気分が残っている。この人々はハイエクの『隷従への道』をもう一度読み直す必要がある。その上で、自由競争を認め、同時に倫理的であることが可能であることを追求すべきなんだ。成熟した市民社会こそ民主党の目指す方向だろう。自民党が村社会のメンタリティーでやってきた政党だとすれば、社会党はイデオロギー政党だった。堕落して単なる裏切り者に成り下がったけれど、社会主義という理想があったんだ。社会主義によって国家が市場経済に介入すれば、仕舞にどうなるかはソ連や北朝鮮が示している。民主党はこのことを曖昧なままにしておいてはいけない。この際「社会主義への道」とははっきり理由を掲げて訣別すると宣言すべきだね。社会主義を捨てたからといって、すぐ戦争に結びつくわけではなかろう。本物の市民社会がその経済システムとして米国流の粗野な株主絶対主義を選ぶとは思えない。資本主義ではあっても大分赴きの違うものになるだろう。
歴:わが国の政党政治の歴史はかつては腐敗の極みだった。あまりに醜悪だったために、世直しを求める気分が濃くなり、国粋主義と軍国主義に傾斜していった。
法:潔癖は個人においては美徳だが、リゴリズム(厳格主義)はいただけないね。
ビ:今日問題なのは政策の対象となる領域が多岐に渡っていて、高度に専門的な内容を持つものも多いことだ。母子加算とか児童手当などという比較的単純なものと、コンピュータ・ソフトウエアの版権の問題のように、専門的な知識と研究が必要なものとが混在している。判断を間違うと大きな損失をもたらす危険がある。医療の分野では人の命と直結したものも多い。官僚政治をなくす、といったって、テクノクラートまで否定してはやっていけない。
哲:複雑な世の中で難しい選択を迫られる政治家の条件はなにか、といったことを国民は考えて投票しなければならん。
歴:わが群馬一区の場合、新聞の報道によれば、自民党の候補は尾身幸次(76)だが、今の世の中で七十六歳の老人に期待できるものはあまりないね。
法:民主党の候補は宮崎岳志(39)。これはまだ若いが、ポスターに父親が有名病院の院長であることをでかでかと書いている。あまり期待できそうもない。
ビ:選挙戦の期間が四十日と長い。この間には各党のマニフェストも発表される。じっくり読んで、一体どんな日本社会を目指そうとしているのか検討して投票できるのはありがたいよ。
星のさんは市長辞めて衆議員目指したらどうかね?
星のさんのように立派な人を沼田だけで埋もれさせるのは勿体無い。
星のさんなら国政でも立派に働けると思うよ。
投稿: ono | 2009年7月27日 (月) 14:01
onoさん、そもそも貴兄の敬愛してやまない星のさんという人は沼田市議から群馬県議を経て、尾見の殿様の後継として国政進出を狙っていたんでしょ。ところが殿の可愛い姫が登場して、後継の線がなくなった。それで大勢の県議 の中のひとりとして埋もれるよりも、せめてオンリーワンになりたくて沼田に戻ったってことでしょう。
でも、噂ではGB21の問題を後回しにしても慶弔を大切にするらしい。だったら、いっそ葬儀屋でもやったらどうかね? そうすれば3、4回の顔出しどころか、お通夜から初七日までずっと張り付いていられるし、「市長が慶弔を大切にする=選挙のため」なんて、あらぬ疑惑を持たれなくて済む。
星のさんのような立派な人を沼田市長だけで埋もれさせるのは勿体無い。星のさんなら葬儀屋でも立派に働けると思うよ。
投稿: Oh!No! | 2009年7月27日 (月) 21:56
onoさん
財政状況、情報公開度などの客観的な指標を見る限り、沼田市政は県内12市でドンケツです。就任して7年経過しても、このような事態を一向に改善できないどころかますます悪化させている星野市長のどのような点が政治家として立派なのか、また、それが国政にどのように関係するとお考えなのか、具体的に教えていただけるとありがたいです。
それが多数の国民に伝われば、必然的に星野代議士が誕生すると思います。
投稿: 杉山弘一 | 2009年7月27日 (月) 22:15