公立学校の耐震化計画を前倒しせよ
5月27日、沼田市公立学校の耐震化工事の計画が公表された。沼田市公立学校等施設整備計画である(より詳しくは、小中学校耐震化状況一覧参照)。これによると、今年4月1日現在、公立学校86棟のうち耐震性のない棟が17棟、診断すら実施していない棟が14棟も残っている。耐震性のない棟については、一刻も早く耐震化工事が実施されることが望まれるが、今年度の耐震化工事の実施予定は1棟だけである。そして、来年度の予定が3棟、残りの10棟は再来年以降の実施予定となっている(昨年までに耐震化工事が実施されたのは5棟)。再来年以降というのは、事実上予定が立たないと言うことだ。
このような遅延の理由を市は、厳しい財政状況と説明する。市にお金がなければ耐震工事は実施できないから、優先順位の問題は残るが、これは致し方ないことだと思ってきた。
しかし、今年3月10日の市議会の議論を知り、この考えが間違えであったことがわかった。耐震化工事は財政難で出来ないのではない。単に市幹部にやる気がないだけだったのだ。
詳しく説明しよう。一般質問で井之川議員がこう質問をした。
耐震化の推進については、文部科学大臣が異例の要請をしていまして、3年以内に危険なやつは全部やってくれということをホームページで出しているんですね、予算化もしますと。国会でも要望があればどんどん予算化しますという答弁もされています。今回の1兆円増額のうちの5,000億円が雇用対策ということで、この雇用対策は、先ほど言いましたように内かんで、財政課長は、「内かん」が市に来て、それで予算編成をしているわけですからご承知だと思うんですけれども、間伐や学校耐震化を始め地域の知恵を生かした事業を推進し、地域の雇用を創出するため、総経費で算定したから全額を一たん基金に積み立てて使用するなどにより、その使途が地域住民に明らかになるように取り組みを行うことが望ましいと「内かん」に書いてあるわけなんですけれども、これは確認していますね。
要は、「国が雇用対策で耐震化工事の金を出すから今年の予算編成に反映させろといっている」。市はそれを考慮して耐震化計画を進めているのかと聞いているのである。
議員と市長、教育長などとのやり取りの後、総務部長の回答がこれだ。
ご指摘のとおり、この需要額、要するに内かんの定めというものは国の方針でありますけれども、沼田市はそれを把握する中での耐震化計画を持っていたわけでございますので、これが出たからどうこうというような配慮まではされてない現状でございますけれども、国のこういった方針を仄聞しながら沼田市の耐震化計画を進めてきたということでご理解いただければと存じます。
要は、「国が金を出すから3年以内にやれと言っているとは知らなかった。もう計画を立ててしまったらから今さら変更できない。今年は1棟しかやらない。」と答弁しているのだ。
もはや、怠慢としか言いようがないだろう。
問題は、それだけではない。議員がこうも質問している。
財務省(筆者注:正しくは総務省)の財務課長の内かんというのが予算をつくるときに来るわけなんですけれども、今年度は議員には配られませんでしたが、
総務省財務課長の「内かん」(自治体の予算編成に対する国の指導文書)を今年は市議会議員に配布しなかったというのである。都合の悪いことは議員にも隠蔽しようとしたのである。ここまでくると怠慢にとどまらず、悪意を感じざるを得ない。
しかし、この「内かん」は総務省のホームページにも公表されているので、議員にバレて締まったのであるが、それでも、市長は耐震化計画を前倒しする気はないようだ。いくら、牧歌的なムラでも、それはないだろう。
子供の安全施設である学校の耐震対策が遅々と進まないのは行政の怠慢である。
教育長さん~沼小体育館の落ちそうな天井補修は完了したのかな・・・
今月臨時議会があるらしいが議員諸氏よノンビリしてはいけません。四半期が終わったが、市政の流れはとまる事は無い!!!。 九州阿久根市の懇談会ブログを見た。 ダンマリ議員や市政をチェクする能力のない議員は辞職せよ。
投稿: 一刀両断 | 2009年7月 7日 (火) 21:03
臨時議会が開かれるのですか?
議会の開催は市にとっての重大事項でしょう。そかし、その案内は市のホームページ(議会を含む)のどこにも掲載されていません。市長も議員もよほど傍聴されたくないのでしょう。
情報公開、市民参加、市民協働が聞いて呆れる。
投稿: 杉山弘一 | 2009年7月 8日 (水) 08:08
GB21問題のようないわば非日常の事件でおたおたするならまだしも、行政が全神経を研ぎ澄まして検討していなければならないことがらを知らなかったというのは単に怠慢で済まされることではない。総務部長は市役所の幹部たる己の責務をなんと心得ているのか。市民の損害は計り知れない。君は直ちに辞職せよ。
市の幹部に市民の信任を裏切る行為が横行するのは、市長が信任を裏切って平気だからだ。市民のカネを自分の選挙運動という私曲に用いている市長の下では、職員の目は節穴になる。
投稿: 峯崎淳 | 2009年7月 8日 (水) 13:12
本日(17日)開かれた臨時市議会で、約14億2千万円を追加する補正予算が提案されました。白沢小学校の体育館と利根東小学校の体育館、多那中学校校舎の耐震補強工事を前倒しして実施することが含まれていました。良かった!
市民が声を挙げ、議員がきちんとチェックをすれば、動くのですね。
投稿: 杉山弘一 | 2009年7月17日 (金) 18:26
コソコソとした批判が以下にありました。
http://pronumata.blog.shinobi.jp/Entry/2/#comment2
「またでた・・・
公立学校の耐震化計画を前倒しせよ・・・
また体のいい。
いろんな人の来る市役所が先だと思うけど。」
これは、問題の本質をまったく理解していない論外な批判です。この内容では、コソコソとしか批判できないのも解ります。
そもそも、国が、「今年公立学校の耐震化工事をすれば、雇用対策の資金を出す。」と言っているのです。市庁舎の工事は対象外です。
すでに、臨時議会で答えは出てますが、今年はどちらをやるべきかなど、議論するまでもないでしょう。
批判は歓迎ですが、もっと良く読んで内容を把握してからにしないと、不勉強を晒すだけになります。
投稿: 杉山弘一 | 2009年7月19日 (日) 12:05