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メンバーの裁判

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2009年7月 3日 (金)

跳ねても黒豆

 「決して非を認めない片品村」の中に書いた第2回尾瀬オゾンシアターの資材処分を決めないまま実行委員会が解散した件について、片品村情報公開・個人情報保護審査会の諮問を受けて、村からの答が出た。つまり、あの事業は主体が第2回尾瀬オゾンシアター実行委員会であり、村が事業主体ではないため、財産処分に関する文書は保持していない。存在しない文書は開示できないのだから、片品村長の公開しないという結論は妥当である、というわけだ。なるほど、無い袖は振れないという簡単な理屈は、私の頭脳でもわかる。

 尾瀬の森映画祭についての監査委員からの結論で、尾瀬国立公園記念事業に支出された補助金の流れもわかった。だが、釈然としない。尾瀬国立公園記念事業実行委員会も第2回尾瀬オゾンシアター実行委員会も、会長は村長の千明金造、演劇スクール塾長は当時の教育長であり、担当はむらづくり観光課職員である。実質は村の公式事業とどこがどう違うのか、そこが釈然としない。
 この実行委員会が村の財産処分を決めないまま解散した。「3回目以降の継続に備えて、保存する」とでも決めて書類1枚作っておけば済んだことだと思うのだが、村からの答は、村とは別の事業主体であるこの実行委員会がやったことであり、村に関係はないというわけだ。これでは、実行委員会は詭弁ではないかという疑問が生じる。実際、役場のすべての業務に関してそれぞれ実行委員会を細かく設ければ、実行委員会が何をしようが、村には一切関係はないという理屈になる。
 そこで私はいくつかの情報開示の請求をした。片品村情報公開・個人情報保護審査会の名簿について、黒塗りされた3人の委員は「名前は伏せてくれ」と言ったそうだ。村は黒塗りした理由を委員の氏名を公開することで、その個人の生活、仕事に影響を与える可能性があり、それを恐れ発言が抑制されることや、選任した委員が退任したり、新たな委員の選出が困難になることが危惧されるためとした。名前を伏せるように言う3人の委員には、腹も括れないままなぜ受けたかを聞きたいし、村がいう理由は単なる憶測に過ぎない。
 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成15年5月30日法律第60号)第4条には「委員は、優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する」とあり、審査会は情報開示請求等の不服について、第三者的立場から公正かつ中立的に調査、審議を行う公的立場なのである。
 村もこの法律にならって、村民の中から優れた識見を持つ3人を、議会の同意を得て村長が任命したのだろうが、名前を伏せてくれと言う3人は情報公開、個人情報保護そのものの本質を理解していない点で、その資質を疑わざるをえないし、憶測だけを理由に公開しない村もその本質を理解していないと断じざるをえない。
 第2回尾瀬オゾンシアターの実施にあたっては、担当したむらづくり観光課職員が実行部隊として動いたと見られるが、彼等が村とは別の事業主体が実施した事業の業務に就いた時間や対価に関する文書も存在しないという。彼等に通常支払われている給料は、朝8時30分から1時間の昼休みをはさんで夕方5時15分までの7時間45分の就業時間に役場職員としての勤務に対する報酬である。この就業時間に職員に実行委員会の業務をさせたとしたら、村は役場の就業時間内に別の事業主体の業務をさせ、村の財源から法的根拠のない支払いをしたことになるし、その時間に職員としての業務をしなかった職員に不当な給料を支払ったことになる。そうした支払いがなかったとするなら、実行委員会は役場職員に職員としての業務と騙してただ働きをさせたことになり、いずれにしろ問題である。仮に実行委員会が某かの報酬を支払っていたとしたら、公務員の副業という別の問題にもなってくるのだ。
 要するに、村は誰ひとり正面きっておかしいと声をあげる人間がいないと高を括って、何事もいい加減に、なあなあでやってきたのだろう。そこに、おかしいと声をあげる人間が現れて、「這っても黒豆」どころか「跳ねても黒豆」と強弁せざるをえなくなったということだろう。そもそも、朝日新聞「天声人語」にもあるように、一つの嘘をつき通すには、別の嘘を20発明しなくてはならない。情報公開の時代に遅れた「嘘も方便」を重ねていけば、自分の首を絞めるのは片品村自身なのだ。それでも村は、たとえ羽が生えて「飛んでも黒豆」と言うつもりなのか。(木暮溢世)

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コメント

 片品村情報公開・個人情報保護審査会の委員氏名を非公開とするとは良い根性してますね(笑)。以下の通り違法だと思います。この際、片品村情報隠蔽審査会と改名しちゃえ!異議申し立てをしたら、同審査会委員が審議するのでしょうか。泥棒が泥棒をつかまえるとはこのこと?
 片品村情報公開条例7条1号のウによれば、「公務員等(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)の職務の遂行に係る情報に含まれる当該公務員等の職及び氏名に関する情報」は非公開に出来ないとされています。
 一方、地方公務員法3条3項2号によれば、「法令又は条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程により設けられた委員及び委員会(審議会その他これに準ずるものを含む。)の構成員の職で臨時又は非常勤のもの」は特別職の地方公務員です。
 そして、情報公開審査会の委員は片品村情報公開条例18条によって設けられた委員会の構成員の職です。
 したがって、氏名であっても非公開にはできないことになります。

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