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メンバーの裁判

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2009年6月19日 (金)

そんなに職員組合の票が欲しいのか

  まずは、以下を読んでいただきたい。

 そういえば昨年、国は一日の勤務時間を8時間から7時間45分にしたのですが(21年度から施行)、これも人事院勧告。国は当然これにしたがう。しかし、群馬県は8時間勤務を堅持。もちろん中之条町も職員組合と話し合い8時間勤務で了解してもらっている。一日の勤務時間を15分少なくするということは、3%の賃上げを意味するのです。

(中略)
 そうはいっても、地方が人事院勧告に従わないのは実は異例なことです。群馬県町村会の理事会でもこの7時間45分勤務については意見が分かれました。すでに組合に実行を約束してしまった首長もいれば、私のように8時間堅持派もいる。結局意思統一は出来ず、個別の対応で決まったのですが、15分の削減が住民の理解が得られるとは到底思えない。

 これは、中之条町長がブログ「町政レポート:予算編成(2月4日)」で述べていることである。誰に向かって町政をしているのかがよく解る。町長の気持ちは住民に向かっている。住民の理解を優先したうえで、職員組合の了解も取り付けている。

 さて、我が沼田市長はどうか。
残念ながら、星野市長はブログで直接市民に説明するなどという技術を持ち合わせていないようである。そので、議会に対してどのように説明したかを確認してみた。今年3月2日の議事録である。

続きまして、議案第9号 沼田市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例についてご説明申し上げます。
 改正内容の1点目は、本年4月1日から職員の1日の勤務時間を「8時間」から「7時間45分」、1週間の勤務時間を「40時間」から「38時間45分」に改めるものであります。
 職員の勤務時間は、給与と同様に基本的な勤務条件であり、昨年の人事院勧告に基づき改正が行われた国家公務員の勤務時間を踏まえ、これまでの行政サービスを維持し、かつ行政コストの増加を招くことのないよう十分留意し改正を行うものであり、職員一人一人が仕事の進め方を再点検し、公務能率の一層の向上に努め、業務遂行に影響を与えることのないよう対応してまいりたいと考えております。

 中之条町長とは対照的である。
 第1に、勤務時間短縮は、まるで、国の法改正で決まったことで、沼田市は無条件でこれに従わざるを得ないような説明である。県が8時間勤務を維持したことや市町村の対応が別れていることなど一切説明していない。これでは、騙し討ちと言われても致し方ないだろう。案の定、議会は何も質問することもなく、何も議論することなく、3月10日、この議案をすんなり可決した。ある議員に確認したところ、「人事院勧告に従わないことができることや、群馬県が8時間勤務を維持していることを知らずに賛成した。」と言っていたから、議員も騙されたようなものだ。
 第2に、この結果、市役所の業務時間が変更となった。昼休み開始時間が12時15分から12時ちょうどになったのだ。窓口の対応時間が15分短縮になったのだ。これは明らかに行政サービスの低下である。「これまでの行政サービスを維持し」という市長の説明は嘘だったと言わざるを得ない。
 第3に、市民への説明もまったく不十分だ。条例が可決された翌日、市のホームページに業務時間変更のおしらせが掲載された(この件に関してだけ、どうしてこんなに迅速な対応なのか不思議だ)が、そこには、変更後の時間が書かれているだけで、変更前の時間が書かれてない。変更の理由や経緯も書いていない。これでは、窓口対応時間が短縮になったのか、延長になったのかわからない。どうして変更になったのかもわからない。
 その結果、ほとんどの沼田市民は職員の勤務時間が短縮されたことに気づかないままである。実質的に3%の賃上げがなされたことに気づかないのである。意図して書かない、練りに練った隠蔽工作をした成果だ。

 星野市長の気持ちは職員組合に向いている。議会や住民の理解などは念頭になく、市民よりも職員組合を優先していることは明らかだ。もっと言えば、市長にとって議会や市民は騙す対象でしかないようである。
 沼田市が毎年支払っている人件費総額は一般会計だけで約42億円、そのうち職員給料は28億である。その3%と言えば8400万円である。15分の勤務時間短縮と言うことは残業が増え、結果的にこれだけの支出増加になるということだ。
 これがなければ、給食費を値上げしなくて良かったのである。バスの路線を廃止せず、乗り合いタクシーを廃止する必要がなかったのである。それどころか、グリーンベル21の寄附を受け入れることさえできたのである。  

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コメント

この指摘は実に鋭い。何気なく見逃しがちな、ちょっと聞くと自然に聞こえてしまう市長の言動の底にある市民蔑視の本音を聞き取った耳は貴重である。このような鋭い聴覚こそわれわれ凡庸な者には持ち得ないものである。市民の味方とはこのような耳の持ち主を言わずに誰を言うか。われわれも常に聞き耳を立て、市長の腹黒い魂胆を聞き取らねばならない。いや、聞き取る努力をしなければならない。

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