行財政改革はまやかしだ(続)
では、広報ぬまた6月号の5ページに記載されている行財政改革の各項目を見てみよう。順不同になるが、目に付いたものから指摘していく。また、金額はわかりやすいように万円単位で表示することにする。
4 昨年度で終了、または休止する事務事業 3,000万円
これは詐欺に等しい。昨年度で終了・休止した事業を予算化しないのはあたりまえだ。こんなものが行財政改革ではありえない。それとも、星野巳喜雄は市長になって7年間、前年度で終了休止した事業も毎年予算化していたとでもいうのだろうか。議会もそれを承認していたとでもいうのだろうか。そうだとすれば、たしかに歳出構造の改革ではある。
5 特定目的基金の活用 1億1,065万円
基金の設置目的が達成されたもの、また基金設置目的のための事業の財源に充てることが可能な基金の活用
これも詐欺に等しい。
第1に、基金(使途を定めた貯金)の取り崩しがどうして歳出構造の改革になるのか。
第2に、基金とはその基金設置目的の事業の財源に充てるために設置される。それをその設置目的のための事業に利用するのはあたりまえだ。それとも、沼田では、基金をその基金設置目的の事業の財源に充てずに、他の目的に使っていたとでもいうのだろうか。そうだとしたら、それはネコババだ。また、沼田には基金設置目的のための事業の財源に充てることが不可能な基金が存在するとでもいうのだろうか。そうだとしたら、それはヤミ基金だ。
6 一般財源枠配分方式による予算編成(一般財源枠を配分する方式による削減) 2億1,840万円
一般財源枠配分方式?こんな専門用語は解説がなければ市民は解るはずがない。調べてみて解ったのはこういうことだ。
従来の予算編成は、各部署で必要と思われる事業を積み上げ、それを財政部局が取りまとめ、最終的に優先度の低い事業を市長が削っていくという手順で行われていた。これに対して、財源枠配分方式とはあらかじめ各部署の予算額を決めてしまう方式である。民生部20億、建設部10億というようにである。この方式では、配分枠におさめるため各部長が事業の優先順位を判断することになる。
要は事業の優先度の判断を現場に委ねたというだけである。市長が政治判断をせずに、職員に「良きに計らえ」と指示したということだ。これで削減できたと言うことは、市長の無能力ぶりを世にさらしたということだ。
しかし、本当にこれで良いのだろうか。職員が事業の優先順位を最終的に決めると言うことは、住民自治からますます遠のいていくことにならないだろうか。結局は、弱者にしわ寄せがいくのではないだろうか。最終的な事業の優先順位は、市民から選挙で選ばれた政治家が決めるのが民主主義であろう。これでは官主主義だ。
3 事務事業の見直し 1,249万円
市民生活に直結しない事務事業、効果に比べて多大な費用を要する事務事業、コストを減らしても目指す効果が期待できる事務事業の見直し
これは、実質的な歳出構造の改革のようである。
しかし、第1に、金額が少ない。200億に比べて0.1%以下でしかない。
第2に、削減した事業名を明らかにしなければ理解のしようがない。他の項目のところで公用車の整理廃止などというのは記載されているのだから、事業名を明らかにできない理由があるのだろう。例えば、乗り合いタクシーの廃止がここに入るのだろう。
以上の通り、歳出構造の改革とは言えないものばかりだ。行財政改革がまやかしであることは明らかである。
分析に喝采を送る!!!
市民が思う疑問点をズバリ指摘している。予算作成に理念が無いと言うことだ。分権時代を迎え沼田市に地方交付金(地方が自由に使える税)が来たら市民が望む優先順位の予算配分など程遠い。
投稿: 一市民 | 2009年6月13日 (土) 10:54