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メンバーの裁判

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2009年6月10日 (水)

甘えの構造が通じない相手

沼田の人々はGB21問題に並々ならぬ関心を持っている。日本中の地方都市で発生しているシャッタービルが、沼田の目抜き通りに出現する恐れがいよいよ現実的になってきた。テナントが一抜け、二抜けして、虫歯だらけの口のようにはなっているものの、今のところはシャッターを下ろすところまでは行っていない。
 市当局も経済活性化の掛け声だけはかけているが、新規事業に投資するカネはないし、起債するにも県の許可が必要な状態では、何もできない。こんな悲惨なありさまだというのに、市長は振興局長という無意味なポストを温存するなど、市長選挙の票確保に狂奔している。
沼田市を少しでも住みよい町にすることより、自分の票のことが心配で、無駄を省く合理化ができない。合理化すれば、恨む人が出る。それが怖いのだ。

 市長にとって選挙は個人の事情である。私的な事柄である。市経済の活力を生み出す措置は公的な仕事である。政治の近代化は、個別的特殊的価値(つまり、私情)の追求から、より一般的普遍的価値(公益)への移行にある。これは星野がよく名前を挙げる政治学者マックス・ウエーバーの指摘するところだ。星野巳喜男は、私的関係と公的関係を混同しており、彼が尊敬すると広言しているマックス・ウエーバーに背いている。

 ここに沼田の悲劇がある。沼田の人は近代化以前の人たちなのだ。車を乗り回し、携帯電話を持っていても、頭は江戸時代なのだ。GB21問題の原因は、経済規模という身の程をはるかに超えたものをつくってしまったことにあるのだが、問題が顕わになったときに打つべき手を打たなかったのは、頭が古すぎたためだ。自分たちには筋道立てて考える能力がないと分ったときに、できる人を探すべきだったが、それもしなかった。市に引き受けさせ、借金棒引で立ち退き料までせしめようなどと甘いことを考えたのだ。星野の拒絶は意外だったろう。八方美人の星野のことだ、断る勇気などない、と踏んでいた。星野だって断りたくなかったろう。しかし、市にカネが全然ない。将来お荷物となるから断ったのではない。今日明日当面のカネもないので断ったのだ。

 三井生命が見つけてきた買い手は、アメリカのシンシナチに本拠地を持つファンドらしい。香港にも拠点を持ち、三菱商事の子会社とも提携関係にあるようだ。グローバりゼーションの見本みたいなケースである。何千億円規模の商売でなければ、アメリカの本部からは人は来ないだろう、というのが消息通の予想である。現れるのが日本人であっても、甘えの構造は通用しないだろう。徹底的に理屈で押し通すしかない。

 GB21は沼田の公益に資する使い方をしてこそ、GB21の最も有効な使い方であり、最大の利益を稼ぎだすことを主張し、論理的に説得するのである。それに説得力があれば、一階はパチンコ屋、二階はサラ金、三階より上は東京都の生活保護を受けている独居老人のアパートにするなどという使い方にいきなりすることはないかもしれない。

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コメント

市長が、限られた予算の中でグリーンベル21の再生と振興局長の給与とを比べて後者を取ったということです。換言すれば、街なか再生対策よりも自己の選挙対策を優先したということでしょう。
振興局長だけでなく、市民活動支援センター、図書館長、公民館長などを嘱託のポストにして、幹部職員を天下りさせているのも来年の市長選のためでしょう。
ますます、財政状況は悪化し、福祉・教育は後退し、経済も停滞すること間違いありません。

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