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メンバーの裁判

« コンサルの診断を聞こう | メイン | 経済学の最先端と沼田 »

2009年6月 6日 (土)

ハゲタカファンドの手口とは

 先頃久しぶりで東京の友人に会い、沼田にもハゲタカファンドの影がさし始めたという話をした。友人は一向に驚いた様子もなく、グローバリゼーションだからな、沼田だって逃げることはできんよ、と言った。この情報通の友人は、最近その手の国際ファンドが日本で仕掛けて成功した例を教えてくれた。標的となったのは、いわば時流に乗って儲けまくっていた新興企業だ。名前を言えば日本人なら誰でも知っている鬘(かつら)のメーカーである。この情報はまだ公にはなっていない。やがてビジネス誌が取り上げ、学者に書かせて定説となるだろうが、ここではまだ「噂」として発表するしかない。

 この鬘会社は派手な宣伝で有名である。そこに目をつけたのは、米国資本の広告代理店。と言っても日本にすっかり根を下ろした一流である。鬘会社の広告媒体の使い方を徹底的に調べ上げ、それが極めて合理性に欠けた無駄の多いモノであることを突き止めた。そして理想的なメディアの使い方はこうするのですよ、というプランを売り込んだ。しかし、経営者もその同族で固めた経営陣も、古くからのしがらみで、日本の広告代理店と癒着していたから、提案を一笑に付した。「そうだからと言って、昔世話になった恩人を切るなんてことが、できるか。日本人には義理人情てものがあるんだ。おめえら毛唐とは人種がちがうんだ」。

 一蹴された米国系代理店は、侮辱された、と思った。そこで親会社にこのことを報告した。米国屈指の代理店のほかに、国際金融、情報通信、不動産、観光会社など多くの企業を傘下に持つ親会社は、鬘会社が優良企業であることを知ると、傘下の投資会社に命じ、鬘会社にTOBをかけさせた。内部留保が厚い資産価値の高いこの会社なら乗っ取り甲斐があるとみたのである。国際ファンドに攻撃される事態など夢にも考えていなかった鬘屋に備えなどあるはずがない。結局TOB合戦に破れ、創業者も一族で固めた経営陣も叩きだされたのである。

 もちろん、現在流れている鬘会社の広告はすべて米国系代理店の独占扱いである。

 GB21を買うと噂されている国際ファンドは、鬘会社を乗っ取った会社の系統で、日本法人の社長は四十二歳のユダヤ系アメリカ人だと聞いた。こういう国際ファンドは売買の前には半年かけて徹底的に調査をするのが普通だという。もしかすると、GB21の15%の持分を持っている二十七人がどこの金融機関にどれぐらいの借金をかかえているか、とっくに調べ上げているかもしれない。沼田のみなさん、相手を甘く見てはいけません。戦う以上は、相手の手口、能力などを正しく見極め、水も洩らさぬ団結で向うしかない。グローバリゼーションの下、日本政府も裁判所も、味方にはならないと覚悟してかかるべきです。

白井基勝

 

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