尾瀬を食いものにする奴ら
07年8月末の尾瀬国立公園誕生を記念して地元片品村が1年にわたって行った記念事業のひとつ第2回尾瀬の森映画祭の楽屋裏にとんでもない事実があった。企画運営したのは特定非営利活動法人(NPO)尾瀬和楽舎。県と村からそれぞれ60万ずつ、計120万の補助金の支給を受け、同年10月、片品村文化センターで山田洋次監督「寅さんシリーズ」の第1作を上映、併せて駐車場で縁日のようなイベントを行った。収支の数字が一の位まで見事に一致していることや、ヤクザのみかじめ料取り立てまがいのチケットの押し売りについては既にこのブログに書いたが、これらはまだまだ序の口で可愛いものだった。
尾瀬和楽舎は第2回尾瀬の森映画祭を実施するにあたって①ポスター、チケット等の制作②スタッフユニフォーム作成③野外イベント設営④会場周辺の装飾を月夜野に事務所を置く㈲風遊空間に発注、計127万500円を支払った。①と②については某かの実費がかかっていようが、③と④については、基本的には第1回の踏襲である。そこに、支給された補助金の総額を上回る金額が支払われた。尾瀬和楽舎の実質的代表理事は同法人設立時の初代理事長であり、片品村村会議員でもある星野千里、同法人の監事を務めるのは㈲風遊空間の代表である進士猛。しかもこのふたり、ひとつ屋根の下で一緒に暮らしている。この事実を、読者諸兄はどう見るだろうか。
特定非営利活動促進法によれば、必要な書類さえ揃えれば、その資質がどうであれ誰でも申請から最長で4ヶ月と2週間後には特定非営利活動法人を設立することができる。だからこそ、申請から審査の間に定款、役員名簿、設立趣意書、2年度分の事業計画書と収支予算書を2ヶ月間公開して一般の縦覧に供し、設立後も毎年、事業報告書、収支決算書等を作成し、公開が義務づけられている。これは、特定非営利活動法人の活動が住民の支持を得て初めて成り立つものであり、その運営が健全かつ公正でなければならないからにほかならない。
また同法は、特定非営利活動法人の要件として、営利を目的としないこと(法第2条第2項第1号)、特定の個人、法人等の利益を目的としないこと(法第3条第1項)等を謳っている。かならずしも収益のでる事業ができないわけではないが、生じた収益は特定非営利活動のために使わなければならない(法第5条第1項)と規定している。
上に書いた尾瀬和楽舎に関する事実について、所轄庁である県は「非常に不透明である」として重大な関心を示している。しかも尾瀬和楽舎は、毎年義務づけられている事業報告書、財産目録、賃借対照表、収支決算書、役員名簿、社員名簿の県への提出(法第29条第1項)を、県からの再三の要請にもかかわらず06年度以降履行していない。
尾瀬和楽舎の特定非営利活動法人としての有り様については、いずれ所轄の県から判断が出ることになるが、第2回尾瀬の森映画祭を巡る補助金の不透明な流れに関して、予見できなかったことといっても、この事業を尾瀬国立公園誕生記念事業に採用した実行委員会の責任は免れない。特に、実行委員会会長である千明金造村長、監事である星長命村会議員、星野傳六前農協組合長の責任は重大である。彼等がうっかり見落としたとしたら、その無能を自覚すべきであるし、千明金造村政に与する仲間意識で意図的に目をつぶったとしたら、それこそ絶対に許されることではない。その責任の取り方を具体的な形で示すべきである。もちろん、当事者である星野千里に最も重大な責任があることは言うまでもない。なにしろ特定非営利活動法人の理事と監事がつるんで村に損害を与えた、限りなく黒に近いグレーの張本人なのだ。(木暮溢世)
これじゃNPOはトンネルそのものじゃーん!NPOの監事が委託先の民間会社の代表、かつ、NPOの代表と内縁関係?とは節操のなさに呆れます。NPOにはいかがわしいのが多いですね。
第1に、村議が代表を務めるNPOに補助金を支出することが不適切。村議は村長が執行する補助金支出の適法性、妥当性を監視する立場だからです。補助金をもらうなら、NPOから手を引くか、議員を辞職してからにすべきでしょう。
第2に、公金から補助金を出す以上、村長は尾瀬和楽舎に映画祭企画運営のノウハウがあることを確認する必要がある。そして、それは過去の実績を調査すれば簡単なこと。よって、「予見できなかった」とすれば過失があることは明らか。
第3に、仮に、委託先が同居人が代表を務める会社であることを巧妙に隠蔽して補助金を得ていたとすると、詐欺罪(刑法246条、10年以下の懲役)の疑いも出てきます。
投稿: 杉山弘一 | 2009年4月17日 (金) 08:32
内村鑑三風に言えば、「尾瀬で食う」のと「尾瀬を食う」のとは、似ているが本質的に違う。行政を食い物にする連中と行政が結託したらどうなるか。尾瀬の薫風にオットセイの臭い息が混じることになる。
利根沼田の原住民たちよ、オットセイの駆除に立ち上がれ。君らとて人間ではないか。いつまでもオットセイに牛耳られていてどうする?
投稿: 峯崎淳 | 2009年4月17日 (金) 14:30
NPO法人尾瀬和楽舎のホームページを見つけました。http://www.karakusya.org
リンクミスが多く更新もしていない。かなりデタラメなサイトです。こういう状態が放置されているのは、かなりデタラメな連中が運営している証拠です。
それにしても、面白いことが書いてある。
「住民と企業、行政の垣根を越えて事業を進めていくことを理念として掲げます。」とは。なるほど、公私の垣根を超えて、公費を私的に使ったわけだ。
「尾瀬和楽舎は、当たり前を守るために、やれることから一歩ずつ地道に・・・行動していきたいと考えています。」
これにも笑った。ホームページのリンクチェックや更新は当たり前のこと。すぐにも行動すべきことだ。
投稿: 杉山弘一 | 2009年4月17日 (金) 16:12