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メンバーの裁判

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2008年12月30日 (火)

腐敗について

三粋人が例によって谷川岳の絶景を愉しめる窓辺の卓に座った。深くものを考える人は山に籠り、野原を跋渉する。人生を享楽する人は南の国の海岸に別荘をつくる。

歴史家:近頃考えるのは、英国のアクトン卿が言ったとされる言葉だよ。「権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する」これは名言だね。沼田にだってあてはまるからね。

法律家:腐敗しない権力の例はひとつだけある。ブータンだよ。あそこの王様は、権力は腐敗する。王権も例外ではありえない、と言って、王制を廃し、民主国家にしようと決めた。驚いた国民が、ちょっと待ってください、いきなり民主国家にすると言われても、どうしていいかわからない、練習期間をください、とお願いしてもう暫く王様を続けてもらうことにした。国民は今選挙の練習をしている。ブータンの王権だけは腐敗していない。

ビジネスマン:それで世界中に人気が出て観光客が押しかけている。しかし、金儲けすることには極めて用心深く、急激な経済成長などは警戒しているそうだ。

歴:小泉改革に乗っけられ、アメリカ型の資本主義に国の形を変えてしまった日本人には羨ましい主体性だね。常々感じていることだが、日本人はアメリカ社会の悪いところばかりを真似している。アメリカ人は大統領を選ぶのにこれでもか、これでもかと人物評価を繰り返す。それでもブッシュのようなとんでもない大統領を選んでしまうんだが、少なくとも失敗を認め次に同じ過ちをしないよう戒める。日本は、人気というお笑い芸人とさして変らぬ基準で総理を決める。同じ間違いを何度でも繰り返す。

法:ところで吾が沼田はどうだい。

ビ:上層部は腐りきっているね、はっきり言って。新自由主義どころの話じゃない。根っこから腐っているよ。今の市役所の幹部級の連中などは吏員として物心つくときから腐れのなかにいるもんだから、腐敗に臭いに極めて鈍感だ。悪臭紛々たるなかで平気で生きている。

法:腐敗は一定の権力者が私腹を肥やすことだけでは片付かない。職員の士気に及ぼす悪影響のマイナスの方が大きい。詐欺や着服、横領などの犯罪の被害は盗まれた金額だけだが、たとえば、市の職員をコネで採用することの被害の大きさは計りしれないよ。コネ採用には裏でカネのやり取りがあるのが普通である。任命権者が、コネ採用した職員の親などから謝礼を百万円もらっていた場合、行為の被害は百万円で済むものではない。市民が受ける被害は甚大なんだ。厳密に追及すればむろん、形式だけでも十分に収賄の罪に問われるのだが、エライ人にお礼をするのは常識、と贈賄側は考えているし、出来のよくない子弟が一生お世話になるのだから、百万円ぐらいは当然と考えている。賄賂という自覚はあまりない。贈収賄が表面に出ることは滅多にない。

歴:昔の人は「四知」と言ってね、用心したものさ。贈収賄をすれば、まず天知る、地知る、我知る、汝知る、で知っているものが四つあるわけだ。

ビ:日本人は廉恥の心をなくしたね、羞恥心を持たない人が威張っている。

法:沼田をよくするには、腐敗を指摘し、腐敗臭を教えることから始めたらどうだろう。

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