三粋人質問に答える
「三粋人沼田問答:市役所」にコメントがあった。「コネで採用された奴って誰? その根拠になる情報は何処?」がその内容である。答えよう。新卒者対象の採用試験で学科試験に抜群の成績をとったAさんが、不採用となった。学科試験の担当者はA さんに、合格間違いなし、と太鼓判を捺してくれていたが、面接試験に臨んだAさんは、面接試験の場でBさんという応募者に、「採用はもう自分に決まっている」と言われ、ショックを受けた。結果はまさにその通りで、A さんは落ちB さんが合格した。その後のわれわれの調査で、コネが某市会議員であることが判明した。市会議員本人もこの事実を認めている。事実は認めているが、議員には罪の意識はあまりない。世の中とはそんなもの、コネを掴むのも(本人あるいは親の)甲斐性のうち、と信じて疑わない様子である。地方公務員になることを夢に見て地方自治を勉強してきたAさんの心はずたずたに引き裂かれたが、当議員は自分がAさんのみならず沼田市にも悪いことをしたとはまるで思っていない。三粋人はここに沼田の泥沼の深さを見ている。人の意識を変えるのは難しい。たった一つ救いになるのは、アメリカの例。三粋人はかつてアメリカ社会に住んでいたことがある。アメリカの白人の黒人に対する差別がどれほど深く根ざしているかよく知っている。ある教養豊かな知識人が、「なぜあなた方は黒人を差別するのか」、という私の質問に、「彼らは人間ではない。獣(アニマル)です。人間として扱うのが間違いなのです」と平然と答えた。論理的にも、生物科学的にもめちゃくちゃな主張である。しかしその人はいわゆる非常識な人ではなかった。それだけ深い黒人差別が普通だったアメリカ人がオバマという黒人を大統領に選らんだ。三粋人は、民主党の候補になる前にオバマはきっと殺されるだろう、と思っていた。しかし、彼は候補になり、遂に当選してしまった。予想は今のところ、外れている。六センチの厚さの防弾ガラスはまだ有効性を試す者が出ていない。もしかしたら、アメリカは本当に変ったのかもしれない、と三粋人は最近思いはじめている。沼田だって、いつか暗闇を克服する日が来る。それまで、諦めずに、言論の火を燃やしつづけよう。
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