長崎屋撤退報道から見た沼田の闇
もう半年以上も前のことになってしまったが、4月18日の上毛新聞経済面(9面)に、「長崎屋が来月撤退 グリーンベルと市 後継店誘致に全力 サンバード沼田店」との記事が載った。その中の以下の部分が目に付いた。
市は同施設に出店する店舗に対して改造費の二分の一や、テナント賃貸料の二分の一を助成する「グリーンベル21出店促進条例」を施行するなどして、長崎屋を誘致した経緯がある。
結論を先に言おう。この記事は間違いだ。
ここで「同施設に出店する店舗」とは長崎屋のことだ。このような大企業に二分の一も助成するとは、ずいぶんと大盤振る舞いだと思って、同条例を調べて見ようと思った。
まず、市のホームページの例規集にアクセスした。体系目次の第9編、第10編を調べたが、それらしい条例が出てこない。さらに、50音別目次のくにアクセスしてみたが、やはりそれらしい条例は出てこない。すべての頭文字から調べたが「グリーンベル21出店促進条例」を見つけることは出来なかった。おかしい。
そこで、市のホームページのサイト内検索に「グリーンベル」と入力してみた。やっと、見つかった。グリーンベル21テナント出店促進条例 である。
条例の第2条を見て、我が目を疑った。全文、引用しよう。
第2条 市は、前条の目的を達成するため、グリーンベル21を管理運営する沼田都市開発株式会社(以下「沼田都市開発」という。)に対し、助成金を交付するものとする。
補助金は、同施設に出店する店舗である長崎屋ではなく、沼田都市開発に交付されているのである。大きな違いだ。市が、「市が6割を出資する第3セクター」に補助金を支給していたのだ。これでは賃貸料などなんとでも加工できる。改造費の二分の一や、テナント賃貸料の二分の一を補助するというが、沼田都市開発は長崎屋から相場の賃貸料をもらい、さらに、市からも同額の助成金をもらうことが可能なのだ。まったくの二重取りだ。まして、ビルは沼田都市開発の所有ではなく、又貸しだ。同条例3条2項3号にはこうある。
沼田都市開発がグリーンベル21の所有者から賃借し、テナントに賃貸する場合において、グリーンベル21の所有者に対し支払う賃借料の2分の1の額」
結局、グリーンベル21の所有者を利する補助金だ。これで、地方自治法232条の2に規定される公益性が認められるか。
この件に関して、ある議員は匿名を条件にこんな情報を寄せてくれた。「他人の名義を借りているが、所有者には元議長も含まれている。これは市長も知っている。」
おそらく、上毛新聞は、市から「グリーンベル21出店促進条例」の説明を受けたのだろう。その際、条文まで確認しなかったに違いない。知られたくない条例は例規集からカットされているのだから、無理もない。市の説明を信用してそのまま記事にしたのだろう。
それにしても、隠蔽工作をここまでやるとは・・・ 沼田の闇は深い。
沼田の闇の深さを示す事実がまた一つ出た。つまり、GB21を公益性の高いビルと判断し助成することを正当化する一方で、市のカネがどこかに消えて行っても尻尾の掴みようがない仕掛けができていた、ということである。市長、元議長などが、(GB21を利用し)暗黙の諒解の下にパクリをやったのではないかと言うのは、極めて合理的な疑いである。元議長を黒幕とする権利者たちが、この赤字ビルをなんとしてでも市に引き受けさせようとする要求に対して市長が煮え切らない態度に終始している。つまり、市長はGB21の援助で甘い汁を吸ったのだ。それには、元議長も絡んでいる。だから、市長は元議長の恫喝に怯えている。市の財政を踏まえれば、GB21を引き受けるには、経営を好転させる何らかの目途が必要で、恰好だけでも、未来があるふりをしなければならない。何の成算もなしに赤字会社に出資し、それがすぐ倒産するようなことになれば、市長は刑事犯罪の容疑者となりかねない。損害賠償も請求されるだろう。市長は手を引きたい。だが、元議長になにかを握られているものだから、目を白黒させ、部下に丸投げすることしかできないのではないか。性格的に優柔不断であるにしても、それだけで、この長い不決断を説明するのは無理がある。
心ある市民はななにかあるにちがいないと言い出している。このブログが指摘した事実が意味するものと、市政の現状を直視するかぎり、さらに市長のこれまでの言動をそれに重ねあわせるなら、疑惑は深くなるばかりである。こうなれば、GB21はまず破産させ、汚いものをみな曝け出し、そこから再起できるものだけを再出発させるのが、最も賢明な策となるだろう。GB21存続を前提とした方策は、モラル・ハザードを引き起こし、愚劣な経営を市民の犠牲において続けさせる最悪の選択となる公算が大きい。
投稿: 峯崎淳 | 2008年11月21日 (金) 09:42
HPで確認すると出店促進条例の日付けは平成14年12月27日付けで星野市長が在職した年だ。
当市に取って山之内工業が倒産したマイナス経済波及効果に比べGB21の倒産など問題ではない。
こんないわく付不良物件を受け取っても市民は幸せにならない。
議員諸君12月議会でシッカリ論判せよ!!!
投稿: 鵜の目鷹の目 | 2008年11月21日 (金) 20:51