公債費負担適正化計画を読み解く(8)
公債費負担適正化計画を読み解く(7)に続いて、沼田市が昨年9月に県に提出した「公債費負担適正化計画」を見ていく。
今回は、「2.実質公債費負担適正化の方策(6)計画期間中の実質公債費比率の適正管理のため方策」についてである。該当部分を全文引用する。
この計画に基づき、総合計画のローリングや予算編成を行うものとします。また、交付税等の数値の変動により影響を受けるものもあるので毎年計画の見直しを行い、一年でも早い適正化を進めます。
「総合計画のローリング」を行うといいながら、いまだに見直しがなされた形跡はない。また二枚舌だ。問題はそれだけではない。上位の第5次総合計画を変更を
しないまま(少なくとも市民に公表しないまま)、20年度の予算が編成されたのである。これでは、行き当たりばったりの予算編成と言わざるを得ない。やは
り、沼田の予算は鼻くそ丸めて万金丹 と揶揄されても致し方ない。いまからでも、第5次総合計画の見直しをしなければならない。
ところで、沼田市第5次総合計画(計画期間:平成19年度から23年度まで)が策定されたのは平成19年3月である。この公債費負担適正化計画が策定されたのは同年9月であるから半年前だ。わずか半年で、5年計画が根本的な変更を余儀なくされたということになる。さらに上位の新市建設計画(計画期間:平成17年度から26年度まで)も策定からたった2年で、根本的な変更を余儀なくされたのである。
原因は、公債費負担比率が18%を超え地方債許可団体に転落したことである。しかし、公債費(借金)が突然上昇したわけではない。「公債費負担率の計算方法が間違っている」と県から指摘され、再計算させられただけのことだ。解りやすく言えば、粉飾決算がばれたのである。
新市建設計画や第5次総合計画の策定には膨大な費用と手間がかかっている。ボランティアで策定に協力した市民も大勢いる。粉飾決算によって、これらが紙屑になってしまったのである。何という無駄使いなのだろうか。市長はその原因と責任を明らかにし、市民に陳謝しなければならない。これを見抜けなかった、議会や監査委員も同罪である。
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