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2008年3月19日 (水)

ドルの不安(3)

アラン・グリーンスパンが昨年自伝を出したとき、ちょっとだけ読んでみようかと思ったが、結局止めた。グリーンスパンの古めかしい自由主義思想に触発されるものなどないとわかっていたからだ。書評が出たが、儀礼的なものばかりであった。グリーンスパンは、サブプライム・ローンという金融商品が登場したとき、その危険を察知できなかった。全てを市場の流れに委ね、人為的な規制はしない方がいい、と主張する彼は、連邦準備機構の議長の職責に怠慢だったとされて仕方がない。このグリーンスパンは、ブッシュが高所得者を対象にした大減税を提案したときも、財政赤字が十分に予測できたはずなのに支持を表明した。このようなブッシュの回し者みたいな男が議長だったことが、今日の米国の金融危機を深刻にしたことは否定できない。バーナンキだけ責めるわけにはいかない。アメリカがこの危機を、日本が土地バブルの後の混乱を収拾したやり方、つまり公的資金の注入によって回避しようとすれば、並大抵の金額ではすまない。日本はGDPの20%を投入した。米国が同じパーセントを投じると、それは3兆ドルすなわち300兆円もの額になる!いまは、二千億ドルとか三千億ドルの投入で、火消しを図っているが、この火事の火勢は衰えそうもない。グリーンスパンは火事は、限定的でサブプライム市場さえ鎮静化すれば収まると言っていた。外国にまで広がることはない、と言っていた。今現在そんな楽観的な見通しを持つ専門家はほとんどいない。

3兆ドルもの税金を突っ込んでろくでなしの金融会社を救わねばならんのか、と憤慨する米国市民も多いだろう。しかし、金融システムが崩壊すれば、大変なことになる。背に腹は替えられぬというのが今日の状況である。 

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