ドルの不安(2)
ドルがどんどん下がっている。アメリカが金融機関救済のためドルを刷りまくるものだから、紙屑になりそうな勢いで値打ちが下がっている。「トイレット・ペーパーにドル札を刷っている」と言う人もいる。これで今の金融危機が乗り切れるならいいが、その保証はない。1930年の大恐慌の再来を予測する人まで出てきた。こうした騒ぎをよそに日本の政府はのんきな父さんで、日銀総裁も決められない。下がり続けるドルを買い支えるのか、それとも他に手立てを講じるのか、米国政府は協力を要請してくるはずだが、日本には中央銀行の頭取がいない!
小生は、バーナンキという人がグリーンスパンの後を継いで連邦銀行の議長になったときからこの先生(バーナンキは大学教授だった)にかつてのバルカーのような強靭な性格を期待するのは無理だろうと思っていた。今度の危機でも、昨年の夏まで抵当証券の危うさを認識せず楽観論を述べていた。今になって慌てて、不公平などかまっていられるものかとカネを倒産しそうな会社につぎ込んだ。これで危機が回避できるのなら中央銀行のトップなど誰にでも勤まる。日本と同じくドルを大量に抱え込んでいる中国はチベットの暴動でてんてこ舞いだ。今度の危機は予断をゆるさない。
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