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2008年3月10日 (月)

闇に葬られた市民参加検討会議の提言(5)

闇に葬られた市民参加検討会議の提言(4)の続きを示す。これで最後です。まとめて読みたい方はダウンロード出来ます。suggestion.docをダウンロード
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第2 市民参加の手法や仕組み作り、市民協働などについての補足
他のグループで検討した項目であるが情報の観点での補足を以下に示す。

1.    市民意見提出制度について
充分な情報の共有がなされた中での市民意見提出制度の導入と充実を望みたい。行政機関から充分な情報提供がされない市民意見提出制度では、行政機関のアリバイ作りと市民のガス抜きに終わってしまう危惧が大きい。また、意見の募集期間が短い市民意見提出制度も同じ危惧がある。
多くの市民からの意見も含め、様々な情報が行政機関と市民の間で共有された状態を作り上げること制度の導入の前提となろう。市の公共工事を例にしてみれば、「どのような必要性から」、「誰の発案により」、「誰が、どのような議論を踏まえ」、「代替え案の検討」、「誰がどのようなメリットを受け、誰がどのようなデメリットを被るのか」、「総合計画における位置づけ」、「誰が、どのように考え、いつ、どの時点でどの判断をしたか」、「どこまで引き返すことが出来るか」などの情報を事業決定前の早い段階で提供し、充分な意見募集期間を確保したうえで、寄せられた意見の内容と意見に対する回答も公表する必要がある。

2.    市民会議の設置について
検討会議後の在るべき姿の一つとして、公募による市民で構成する「(仮称)市民会議」は必要と考える。しかし、委員が公募によらず、区長等の地域代表や各種団体の代表者などが委員の大半を占めるとすれば、公選制等により区長選出の民主制が担保されていない現状に照らせば、市民会議とは名ばかりで、かえって一般市民の意見が抑圧されてしまう危険が大きい。行政指名枠やオブザーバー的かかわりで行政職員も参加の余地を残しておく必要があろうが、少なくとも、委員の大部分は公募によることが必要である。
また、「(仮称)市民会議」で議論するテーマの選定も重要である。行政機関から一方的にテーマを与えられて議論するのでは真の市民参加とは言えない。行政機関は大枠の提示にとどめ、詳細なテーマの選定も、「(仮称)市民会議」に委ねるべきであろう。
また、「(仮称)市民会議」で議論をする以上、その権限を明確にしておく必要があるが、そうした場合、本来的な市民代表機関である議会との整合性が問題となる。これについては、引き続きの課題となるが、人体で言えば心臓(血液の循環を司る器官)が議会なら市民会議は肺(その血液に酸素を送る器官)の役割のようなイメージとなればと考える。このような論点に対しては、議会において、「公聴会制度」を活用し、市民会議の役割を担わせることも有効と思われる。まだまだ、論議は不十分となので、引き続き、議会も含めた論議が必要である。
なお、「(仮称)市民会議」は公開し・会議録を公表することが不可欠である。「今、何が議論されているか」を公開・公表し、他の市民が自由に意見を述べる機会をつくるのである。市民の意見を聞く市民会議に、さらに別な市民が意見を述べるというのは2度手間のように見えるが、参加者が特定の市民に偏ったり、数の論理、地域エゴの論理で行政が動かされてしまう危険を回避するためにも必要な手間である。

3.    課題別「ふれあい広場」の設置について
「ふれあい広場」を地域別だでなく分野別に開催することが有効と思われる。特化したテーマ型コミュニティの時代と言われる現在、各種の市民団体はそれぞれのテーマに関して多くの情報・提言を有しており、それを行政機関と共有することは大変有意義である。そして、その延長線上に審議会が設置されれば、形骸化も防げるのではないか。
そして、より多くの市民参加を進めるためには「ふれあい広場」の垣根の高さを低くする工夫も必要である。堅苦しい雰囲気でにならずに、行政と市民、また、様々な世代の市民間のまさにふれあいの場となるような雰囲気造りが大切である。
また、合わせて現存の審議会の見直しと市政モニターなど現行の住民意思把握諸制度との整合性を考慮した整備も重要な作業となる。
なお、課題別「ふれあい広場」も「(仮称)市民会議」同様、会議を公開し・記録を公表することが不可欠である。

4.    常設形住民投票制度について
市町村合併など、市民生活に大きな影響を及ぼす事項については、議会で審議するだけでなく直接住民の意見を聞く制度が必要である。市長、議会、市民それぞれから発議が可能な常設形住民投票条例が制定されることが望ましい。市民参加への大きな動機付け(モチベーション上昇)にもつながるであろう。
ただし、充分な情報の共有が前提となる事は言うまでもない。行政機関から充分な情報提供がされないまま、また、議論が熟さないうちに住民投票を急げば、真の民意が反映されない危惧が大きい。多くの市民からの意見も含め、様々な情報が行政機関と市民の間で共有された状態を作り上げて、充分な議論を積み重ねることが住民投票制度成功の鍵となろう。

5.    市民活動支援センター、有識者登録制度(人材バンク)について
市民の利便性と言う観点から、市民活動支援センターや有識者登録制度(人材バンク)が有効であろうことは否定しない。しかし、支援の対象となる市民活動の選別や有識者登録の権限を全面的に行政機関に与えてしまえば、行政機関に都合によい人間や団体のみが支援対象になったり、登録される危惧や情報コントロールの危惧も否定できない。制度の導入にあたっては、公募による第3者機関に判断を委ねるなど、行政機関が恣意的に関与出来ない制度にして、行政機関に対する自由な批判を妨げない配慮が重要である。

6.    市民フォーラムについて
重要な行政課題について、議論を活性化するという観点から、公開討論会形式による「市民フォーラム」の開催は有効であろう。ただし、真に市民意見を反映させるためには、発言者の人選、司会役の人選、事前の情報提供など解決しなければならない問題も多い。また、本来的な市民の代表機関である議会との関係も問題となろう。多くの制度を作ることも大切だが、議会審議に多くの市民の声を反映させるための制度の構築(例えば議会審議資料の情報公開や議会による市民公聴会開催など)を優先すべきである。

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