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メンバーの裁判

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2008年3月 5日 (水)

夕張化すると・・・

今日の毎日新聞に『夕張破綻一年・将来像見えず』と題する記事が出ている。昨年三月に財政再建団体となった北海道夕張市。以来、市民は「全国最低の行政サービス」に「全国最高の市民負担」という二重苦に耐えてきた。出口は見えてきたか? 出口どころか、人口の流失が加速している。

高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)が全国一(四割を越える)夕張市の深刻な問題は老人の孤独死である。昨年自宅で死亡した一人暮らしの高齢者は判明しているだけで九人。死後三日ほどたって発見されたケースが多かったという。市は、お願いしている町内会の見回りも高齢者、と窮状を明かす。

再生の頼みの綱の企業誘致も進んでいない。市は造成した工業団地の地価を坪七百円まで引き下げたが、光回線どころかADSLもない、という通信インフラの脆弱に企業もあきれて乗ってこない。そのうえ、若年人口が少ないから、進出して期待できるものが極めて少ない。

平成八年、九年の借金返済額は十億円強の予定だが、年々増えて二十四年度には三十億円近くなる。

私はこのままでは夕張市の再生の目はないと思う。現在人口は1万2千人ぐらいだが、ゴーストタウンに近づきつつある、と見る。三月二日には夕張市ない唯一の水泳プール「市スイミングセンター」の屋根が雪の重みで落ちた。市長は「子供のために修復しなければ」と話しているが、費用の当てはない。

沼田は四年連続で財政規模を縮小している。現在市長が提案している平成二十年度の一般会計予算は前年比7.3%減の198億円。一頃に比べれば、三十億円も少ない。しかし、聞くところによれば、沼田ぐらいの市の予算としては、六十億円も適正規模を越えている、というのである。

沼田の財政が窮迫した原因は過去の借金の利息と返済である。かつて拵えた「望郷ライン」は、いまではほとんど車が通っていない道路として知られているが、この借金返済に二億七千万円を向こう十年払い続けなければならない。道路をつくったのは西田洽司だ。西田は退職金を返納するぐらいの誠意を沼田市民に示し、謝罪すべきである。

今星野が提案している予算の配分が適切かどうか。これは厳密に検討しなければならない。沼田市議会の議員は馬鹿ばかりで、能力に欠けると言われているが、市民から高給を頂いているのだから、必死になって勉強し、努力目標として市民に納得のいく説明を心がけなければならない。頭の悪さ、血の巡りの悪さは、努力でカバーするしかない。

市財政がピンチになってきた原因は、大局的な見方をするなら、小泉内閣が採用した新自由主義路線にある。国債を七百兆円にも膨張させたそれまでの自民党(社会党も共犯)のでたらめ政治の時代は一億総中流などと浮かれていた。竹下などという馬鹿総理は地方自治体に一億円ずつご祝儀を配ったりした。

新自由主義は、格差をつくることを是とする。新自由主義路線(ワシントン路線とも言う)が幅を利かせだしてから、世界中に格差が拡大している。米国内のように政治的自由が高度に存在するところでも、経済的自由はなくなっていて、格差がいっそう拡大している。市場原理主義とは強いものがどこまでも有利になる仕掛けである。

こうした世界の潮流に我が沼田も押し流され、あっぷ、あっぷし始めた。さきほど夕張の借金返済が、今は十億円だが、24年度には30億円に増えるとあったが、緊縮財政を続けているのになぜそうなるのか。金利である。夕張が国の言うがままに借金して使ったカネには金利がついていた。

沼田とて同じである。今日すべてのカネには金利がつく。銀行に預けた預金にはわずかな金利しかつかないから、われわれは金利の重さに無頓着である。しかし、カネが資本と化するとき、金利は凄みを帯びる。たとえば、鉄道や道路は借金でつくられる。できた鉄道の運賃収入や道路の料金収入は、鉄道の運営費用を十分に賄うだけの額に達しても、鉄道や道路は決して黒字にはならない。最初の建設費用の返済が重くのしかってくるからである。赤字鉄道だ、赤字道路だ、と非難されるもののなかにはそういうものがある。人がたくさん利用し、地域に便益をもたらしていながら、鉄道が赤字経営になる理由は最初の借金による。

こうした金利負担は経済的活動を湿らせ、人々を消極的で防衛的にする。カネが入ったら必死に使うまいとする。カネを金利から解放するにはどうしたらいいか。昔の人は宗教の戒律で金利を取ってはならない、と決めたりもした。キリスト教もイスラム教も金利を取るのは罪とした。

答えは簡単である。新しいカネをつくるのである。このカネには金利がつけられない。時間がたつと一定の割合でカネの価値が減っていくからである。そんなカネがありうるのか? 実は、カネについて、われわれが思い込んでいることがいくつかある。この話の続きは次回にしよう。

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コメント

前市長の西田洽司は年寄りを騙した老人ホーム理事長に対する補助金の不正支出がばれて、沼田市に対して約2000万円を損害賠償することになった(前橋地裁で確定)。控訴も出来ず、市長が市に不法行為(背任)を働いていたことが裁判で確定したのである。
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=01&hanreiNo=6339&hanreiKbn=03
彼は、これを恥じて沼田から出ていくことも考えたらしい。しかし、現市長の取り巻きが沼田市国際交流協会の会長に担ぐなど持ち上げたため、恥を忘れ今も公職に就いている。http://www3.wind.ne.jp/niaoffice/
公共放送であるはずのFM尾瀬や青年会議所もやたらと西田を持ち上げるのである。
http://www.fm-oze.co.jp/guest710.html
http://nobuyama1.blog69.fc2.com/blog-entry-375.html
どうして、 市に対して背任行為を行った西田をこれほどまでに持ちあげるのか?それは、一連の放漫財政が西田だけの責任ではないからだ。現市長の星野にしても、市議、県議として望郷ラインの誘致に一役買っている。過去の借金については、星野とその取り巻きも西田と共犯である。だから、星野は財政難は前任者の責任だと言い逃れをしながらも、西田を持ち上げるのである。卑怯きわまりない。

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