財政再建は何のため
沼田市の20年度予算案によれば財政再建のために教育費を20%以上削減するようです。噂では、小中学校の備品費はゼロだそうです。しかも、数年続くとか。真偽のほどは、議会の予算審議で明らかになるでしょうが、その位やらないと20%以上削減にならないでしょうからまったく根拠のないデタラメではないでしょう。
しかし、何のために財政再建を行うのでしょうか。誰のために行うのでしょうか。ここから考え直す必要があります。
沼田と違って、教育費を増やすために財政再建を行っている自治体もあるようです。例えば、市議会でも視察に行った福島県の矢祭町です。以下をご覧下さい。
沼田と何が違うのか、その理由は何か。予算審議はこれを検証することから始めるべきではないでしょうか。沼田市の20年度予算は、手段(財政再建)が目的になってしまっていないでしょうか。
それにしても、公費で視察をしてきた議員は何を見て、何を感じてきたのか。
「合併しない宣言により矢祭町は腹を決めた」矢祭町長 根本良一
http://www.zck.or.jp/forum/forum/2577/2577.htm
以下抜粋
財政は、この4年余、みる みる豊かになり、財政調整基金は 2億円くらいであったところが、 今では13億、財政力指数も0.18であったものが 18年度は0.4になることは確実。
また、正職員108名、嘱託職員 34名、都合142名在籍して総人件費が約10億だったものが、現在は正職員 75名、嘱託職員3名、合計78名、現在の人件費6億円で、約4億円の 減額となりました。更には年間142名在籍時に約3800万円だった年間超過勤務手当は、現在 78名で約600万円に減りました。そして何よりも、その時実施しようとしてできなかった住民 サービス・事業はあらゆるものが可能になってきました。
3人生んでも4人生んでも、あまり金が掛からないで立派に子供 を育てていける町づくりでなければならない。そのため、人件費を1年に4億円も節約し、1円たりとも無駄遣いしないで13億円も財産ができた。
(株)リゾート通信社 刊 かがり火 121号 より
議員報酬を日当制にした福島県矢祭町「決意宣言」全文掲載“町民とともに立たん”
http://www.kagaribi.co.jp/GeneratedItems/122genkou.html#Anchor------63773
以下抜粋
「合併しない宣言」以来、我々矢祭町議は議会改革に全精力を傾けてきた。平成14年7月4日、議員定数を18人から一挙に8人減らし、10人にした。そし て、平成16年3月の改選期から実施した。「一寸の虫にも五分の魂」という、身を切っても自立するために頑張っていく強い意思が込められている。6700 人の民意を反映する機能は貶めないという強い覚悟が秘められていることは言うに及ばない。この4年間を振り返るに、議会運営に支障を来したことはただの一 度もない。やればできるの意気込みを、実行をもって実証してきたのである。
我々が受ける報酬は、町民が汗を流してかせいだ税金であることを忘れてはならない。議員報酬の経過を辿れば、執行部とのもたれ合いの中、報酬審議委員会な るものを隠れ蓑にして、その額を住民の目の届かないところで決めていたと指弾されても、それに反論する言葉を我々は持たない。右肩上がりの時代からのお手 盛りを重ねてきた結果が、現在の議員報酬につながってはいないだろうか。50年後、100年後もびくともしない矢祭町を作り上げるためには、議会はもう一 度原点に帰らなければならない。我々議員は、町民の艱難辛苦を憂い、嘆く声を聞き、見たとき、現在の報酬制度にあぐらをかいているわけにはいかない。そし て、我々は報酬制度を根本から考え直すことを決意した。その際、我々は世間一般の常識にとらわれない。矢祭町はいかにあるべきか、矢祭町議会はいかにある べきかーーここが我々の議論の出発点であり、すべてである。
(株)リゾート通信社 刊かがり火 より
矢祭町は一つの完成された町をつくり上げた
http://www.kagaribi.co.jp/yamatri.html
以下抜粋
そこで、自然減の中でも人口は維持したいし、さらに増加に転じたいと願うところですが、実際は自然減が年に一○○名、それに対して増加が四○名、差し引き 六○名の人口減が生じています。矢祭町の出生率は一・九四、それをさまざまな施策を講じることによって、三くらいに高めたいのですが、当面、プラスマイナ ス0にすることが最大級の事業だと考えています。それを実現させた先に、それから反転して増加に転じることを目指したいのですが、そのため一七年度は三人 目の赤ちゃん誕生に一○○万円を祝い金として出しています。さらに本年度の一二月定例議会で議決していただき、四人目に一五○万円、五人目に二○○万円を 出しますが、これは一八(二○○六)年一月一日からの即実施を目指しています」
出生に対しての支援だけではない。子どもは産みっぱなしというわけにはいかないから、矢祭町では保育所や幼稚園の利用料や小学校・中学校の給食費など、子 育てにかかる各種料金をいっそう低額なものにしようとしている。さらには、雇用の確保にも積極的に取り組んでいる。
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