年寄りと子供
自治体の予算を考える場合に特に注意しなければいけないのは、その予算が子供と年寄りに及ぼす影響である。理由は簡単である。子供は、未来であり、年寄りは完成だからだ。
未来を粗末にすれな、犬猫に劣るし、完成をなおざりにするのは罰当たりである。
それに、未来は物を言わず、完成は容易に崩壊する。
満洲から引き揚げてきた土木技術者の原口忠次郎が神戸市長に当選したとき、神戸市は未曾有の財政危機に陥っていた。前市長がやった物産博覧会が大赤字を生んでしまっていたからだ。職員による「餅代寄越せ」デモが取り巻く市庁舎の市長室で、原口忠次郎はじっと目を瞑って耐えるしかなかった。職員の生活難は十分わかっていたが、餅代を払いたくても払う原資がなかった。
後に原口は自分の市長時代を回顧し、一つだけ私の自慢がある、と語っている。原口は、天才的な土木技術者で神戸のポートピアを創案、建設した男だ。人々は、きっとポートピア建設のイノベーションの話が聞けるものと期待した。だが、大土木技術者の原口は、「あの財政赤字の時代でしたが、私は教育費だけは削りませんでした。ほんの僅かですが、増えていたはずです。市長時代の私の自慢はこれだけです」と言ったのである。
この話は、予算を編成する者にぜひ聞いてもらいたい。
官僚による官僚のための予算案になってしまいました。職員数などを類似の自治体と比較するとよく解ります。
例えば、
富岡市 18年度決算
http://www.city.tomioka.lg.jp/www/contents/1174643111017/files/H18card.pdf
人口 53,995人 職員数 404人 人件費 3,702,908千円
定員適正化計画 平成22年度までに63人削減
これに対して
沼田市 18年度決算
http://www.city.numata.gunma.jp/introduction/images/H18_card.pdf
人口 54,787人 職員数 464人 人件費 4,275,422千円
富岡は人口が沼田の98.55%なので、これをかけて補正しても、職員数 457人 人件費
4,213,418円。
定員適正化計画 平成22年度までに25人削減
投稿: 杉山弘一 | 2008年2月25日 (月) 10:00