沼田市・20年度当初予算案(人件費は聖域!)
2008年2月16日付群馬建設新聞です。
http://www.nikoukei.co.jp/gunma/200802/20080216/kj080216_01.htm
沼田市の星野已喜雄市長は15日、20年度当初予算案を公表した。それによると、一般会計の歳入歳出総額を198億4238万1000円とし、19年度当初予算額214億496万7000円と比較すると、7・3%減額となる緊縮予算編成を行った。普通建設事業費に至っては、10億925万4000円となり、前年度の20億2745万6000円との対比で50・2%と概ね半減した。総合的にスリム化を図るために大幅減となったもので、一般会計のマイナス予算は4年連続となった。地方交付税など一般財源の急激かつ大幅な削減により、極めて逼迫した危機的状況にあることを示したもので、将来にわたって持続可能な財政運営を維持していくための「身の丈にあった予算規模」に近づけることに重点を置いたものになった。(6面に主要事業)
「普通建設事業費は、対前年比50・2%の減」とのことです。 これまで市の工事を担ってきた建設業者にとっては極めて厳しい状況です。談合防止なら努力すれば活路も開けますが、工事がなければ転廃業しかありません。何人もの従業員を解雇せざるを得ないでしょう。後手後手の対応がこういう事態を招いたのだと思います。
又、教育費の23.5%減もとても気になります。
それにしても、市幹部の「本来、新規事業には着手できない状況である」との発言には呆れます。まるで他人事で、自分の責任はまったく感じていない。総務部長の発言なのでしょうが、「本来、私は給料・退職金をもらえない状況である」というべきところでしょう。ご自分は聖域なんですね。
沼田の夕張化がいよいよ現実化してきたようです。昨年、私は「沼田が夕張化する危険が高いこと」を訴えました。「沼田の街づくりを考える会」などに出た折にも、夕張化が迫っていて手立てを講じないと、市の機能そのものがおかしくなり、そうなれば街づくりなど考えてもあまり意味がなくなtってしまう、と申し上げたところ、会の主宰者のご不興を買い、夕張化(と談合)の話はしてはならぬ、と禁句にされてしまいました。
しかし、今こうして沼田の夕張化がはっきり表面化してきました。しかし、「その話はするな」式の臭いものには蓋の心理構造を打ち破らないかぎり、夕張化から抜け出る道筋は見えて来ません。まず、今回市当局が発表した予算の意味するものを徹底的に突き詰めることからしか、再建の第一歩を踏み出す足場はないからです。
予算の意味するところが解明されたなら、誰が何のために、そうした意味の予算を作ったのか。予算執行の責任は誰がどう取るのか。こういうことを問い詰めて行くべきです。そして、最終的には、現在の制約の下でのあるべき理想の予算はどう組まれるべきか、議論を始めるのです。
私はまだ具体的な数字を見ていません。これから勉強するつもりです。数字には意味があります。意味を見極めたら、星野巳喜男市長には、そうした意味に対する責任を問うつもりです。まさかその数字は、鼻くそ丸めて万斤丹で拵えたものではないのでしょうから。なにか考え、捨て、選んだうえでの結果でしょうから。
投稿: 峯崎淳 | 2008年2月20日 (水) 07:28
沼田市は県の許可がなければ起債(借金)ができません。予算編成も県の管理下です。おそらく沼田市の予算案の大枠は県の市町村課あたりが作ったものでょう。これまで沼田市は「鼻くそ丸めて万斤丹」で予算編成をしてきましたが、今年はそれすらも出来なかったのではないでしょうか。
「夕張化」を財政の硬直化、つまり予算編成の裁量がなくなり投資的経費が使えなくなることと定義すれば、すでに沼田市は夕張化したと言えます。憲法論的には団体自治ができなくなったということではないでしょうか。
投稿: 杉山弘一 | 2008年2月25日 (月) 20:11