青森のスーザン・ボイル:元洋食店おかみが人生熱唱 弘前・尾崎順子さん、動画サイトで話題に /青森
毎日新聞 2012年08月14日 地方版
尾崎さんは「夫と二人三脚でやりきった」と感じ、閉店後は趣味の庭いじりをしてのんびり過ごそうと思っていた。一方、まりおさんは東日本大震災や実家の変化を受け「当たり前と思っていたものがなくなっていく」と故郷や家族の絆を再認識するように。そして昨年末、初めて故郷をテーマに歌を作った。
歌詞には赤いリンゴのイメージに、弘前の春夏秋冬の風景を織り交ぜ、「忘れられぬ故郷の色」と望郷の思いを込めた。大学進学で実家を離れる時に、見送りに来た尾崎さんが「泣きながら笑っていた」エピソードも入れた。
まりおさんの新曲を気に入った尾崎さんは、自ら歌いたいと申し出た。小学校で合唱部に入っていた程度だが、歌うのは大好き。まりおさんのコンサートに飛び入り参加したこともあった。まりおさんも「引退後にぼけないか心配だった」と快諾した。
今年1月、まりおさんが尾崎さんの歌を動画サイト「ニコニコ動画」に投稿すると、ノリが良く力強い歌声が評判に。県内外のイベントから出演依頼が来るようになった。動画サイトの運営会社が4月に千葉市で開いた催しでは約6000人の観客を前に熱唱。地元でも出演依頼が舞い込む。