韓国大統領発言:「悪影響、数年続く」日本側懸念
毎日新聞 2012年08月14日 20時20分
【ソウル澤田克己】韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が14日、独立運動家への謝罪を天皇訪韓の条件だとする発言をしたことで、日韓関係の展望はまったく見通せなくなった。日本側の外交関係者は「信じられない発言だ。悪影響は数年単位に及ぶのではないか」と述べ、来年2月に発足する韓国の次期政権下でも日韓関係の修復は簡単ではないとの見方を示した。
発言は、地方視察での教育関係者との会合でのもの。10日の竹島上陸について話してほしいと参加者に言われ、「思いつきではない。深い配慮と(日本からの反発という)副作用がありうると(検討した)」などと述べた上で、天皇訪韓に自ら話題を移した。李大統領の真意は不明だが、予期せぬ質問に不用意な答えをしてしまったということではなさそうだ。
韓国政府は、李大統領の竹島上陸後、竹島周辺に整備する予定だった「総合海洋科学基地」の建設を当面見合わせることにするなど、日本側の反発を意識したかのような動きを見せていた。それだけに今回の発言は唐突感があり、与党セヌリ党の議員からも「日本にとっては敏感な問題なのに……」と今後の展開を危ぶむ声が出ている。