ニュース

2012.8.12 18:46

室伏の当選無効 脇甘いJOCは猛省を

 国際オリンピック委員会(IOC)は11日、選手委員選挙活動で、立候補していた陸上男子ハンマー投げの室伏広治(ミズノ)に違反行為があったとして当選を無効にしたと発表した。活動禁止区域で選挙活動をしたことなどが、選挙規定に抵触したとみられる。

 日本オリンピック委員会(JOC)によると、IOCからは具体的な説明はなかったが、10日に室伏やJOC事務局幹部が事情聴取を受けた際、IOCは選挙活動の禁止区域となっている選手村食堂で、室伏が選挙活動を行ったことや投票権を持つ選手に物品を提供した疑いのあることを問題視した。JOCの市原則之専務理事は規定に抵触する違反はなかったと強調し「今後詳細を精査したうえでIOCに申し入れたい」と説明した。

 食堂は、各国団長会議でも伝えられた選挙活動禁止区域の1つで、室伏が「選挙システムの説明をしただけ」「物品は大会前に友人に配ったもの」などと主張しても、疑惑を持たれ兼ねない行動だったことは否めない。JOCは支援チームまで組んだが、脇の甘さを指摘されても仕方がない結果だ。室伏の当選は、2020年東京五輪招致活動の追い風になると期待されていただけに、とりわけJOCは今回の“オウンゴール”に身を引き締める必要がある。(産経新聞)