【ミシェル・フェルネクス氏】WHOは被害の矮小化に手を貸している
<追記>この動画必見です。


みなさんは、WHO(世界保健機関)というとどのようなイメージをお持ちでしょうか?

はてなキーワードを調べてみると以下のような解説があります。

“World Health Organization”の略称。通常、「世界保健機関」と訳される。健康を基本的人権の一つとして捉え、その達成を目的とする。1946年ニューヨークで行われた国際保健会議で採択されたWHO憲章に基づき、1948年国際連合の専門機関としてジュネーブ設立された。付属機関に「国際がん研究所」(”International Agency for Research on Cancer”、通称”IARC”――本部はフランスリヨン)がある。日本は1951年に加盟が承認された。

世界の人々の健康増進と保護を目的とした集団というイメージがあり、実際様々な活動をしています。しかし放射線障害に限ってはそうではないようです。世の中には色々と「大人の事情(都合)」のような話がありますが、ことが健康さらには命に関わる事が、経済性と天秤にかけられ切り捨てられてきていることに、このWHOが加担しているとなると、我々は何を信じればいいのでしょうか。

5/26東京新聞朝刊、こちら特報部にはこのWHOが「国際原子力ムラ」に従属してきた実態を告発するスイス・バーゼル大学名誉教授のミシェル・フェルネクス医師の記事が掲載されています。

WHO 独立性回復を

IAEAに従属「被害隠蔽の共犯」

 
 
「WHOは隠蔽の共犯者である。だが事故の教訓を福島に生かさなければならない」。

原子力産業が台頭した1957年に米国主導で設立した国際原子力機関(IAEA)や、国際放射線防護委員会(ICRP)は、事故(チェルノブイリ原発事故)による死者数を急性被ばくなどの数十人と公表。いまだ小児甲状腺がんの増加しか認めていない。

一方、ニューヨーク科学アカデミーの後援で編集され、2009年に刊行された本では、事故による死者は98万5千人と推定した。「被害実態を明らかにした研究者からの報告を黙殺し続けている。それに異を唱えないWHOは被害の矮小化に手を貸しているといってもいい」

59年にはIAEAとの間で「WHOは国連安全保障理事会に従属するIAEAの了解なしに情報を公開したり、研究したり、住民の救援をしてはいけない」との趣旨の合意をし、事実上「放射線分野での独立性を失った」。

「IAEAは放射能汚染から人々を守ることが目的ではなく、経済的な配慮を優先させる組織。被ばくが原因と思われる健康被害を過小評価したり否定したりし、汚染地域からの避難が遅れる可能性もある。原子力事故があってもWHOは介入を禁じられてきた」

チェルノブイリでは今でもさまざまな疾病の増加が報告されている。「死産、周産期死亡、先天性異常、感染症・・・。ベラルーシでは、飲食による内部被ばくも続き、子供の八割が何らかの病気にかかっている」

「WHOは早く従属的な立場から脱し、健康被害の情報を正確に評価しなければならない」。

しかし、WHOは09年に放射線健康局を廃止し、さらに後退している。

 

5/26東京新聞朝刊 こちら特報部より抜粋

 

原子力を推進する組織がある。科学の発展とともに人類が夢を見た訳ですが、それを規制する組織がまた必要だった訳です。しかし、事実上誰も何も取り締まったり牽制したりといったことができずに、野放し状態で好き勝手に原子力政策を続けてきてしまっているということなんですね。

そのために正常な判断が出来なくなり、事実とはかけ離れた安全神話ができあがっていったのではないでしょうか。

このミシェル・フェルネクスさんはこの5月に来日し、何度か講演を行ってくれたようです。

USTREAMに動画が上がっていましたので、ぜひご覧になってください。
IWJ埼玉1 「120520 核の傷から、子どものいのちを守る Michel Fernexさん・肥田舜太郎さんを囲んで」

120520 核の傷から、子どものいのちを守る Michel Fernexさん・肥田舜太郎さんを囲んで

756 視聴数 長さ: 179:23 日時 2012年 5月20日(日)13:00~16:30
会場 埼玉県保険医協会 大会議室
さいたま市浦和区北浦和4-2-2 アンリツ ビル5F 電話 048-824-7130
司会 松井英介
通訳 竹野内真理
講師紹介:
肥田舜太郎さん | 1917年広島生まれ。医師。広島市への原爆投下により自身が被ばく、その後被ばく者の救援・治療にあたる。
6,000人以上の臨床体験をふまえて、「原爆ぶらぶら病」と呼ばれる症状や、低線量・内部被曝の影響に関する研究にも携わった。全日本民医連理事、埼玉民医連会長などを歴任、現在は、全日本民医連顧問、日本被団協原爆被害者中央相談所理事長、市民と科学者の内部被曝問題研究会名誉会長。
著書に、『ヒロシマを生きのびて』(あけび書房)、共著書に『内部被曝の脅威』(ちくま新書)など。
Michel Fernexさん | 1929年ジュネーヴ生まれのスイス人。医学博士。ジュネーヴ、パリ、ダカール、バーゼルで医学を学んだ後、セネガル、マリ、ザイール、タンザニアなどアフリカ諸国に勤務、またフランス、スエーデンでも勤務し、寄生体学、マラリア、フィラリア症の問題で、世界保健機関と15年間,共同作業を スイス・バーゼル大学医学部教授に任命。
臨床医学,及び熱帯医学専門医。66歳で退職。以後、IPPNWの会員、またNPO「チェルノブイリ/ベラルーシのこどもたち」(ETB)を仏緑の党創立メンバーで反核の闘士であった夫人のソランジュ・フェルネックスと2001年に創設。
また2007年から、ETB、IPPNW,CRIIRAD、仏脱原発ネットワークなどとWHO独立のためのキャンペーン (IndependentWHO)を組織。
主催・問い合わせ
内部被曝研(市民と科学者の内部被爆問題研究会)医療部会
TEL:058-296-4038
FAX:058-296-3903
E-mail zazendoh@ccn.aitai.ne.jp
 
 

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