現場にアタック

2012年08月13日(月)

担当:白井京子

先週金曜から昨日にかけて3日間、東京ビッグサイトで開催されていた、

「コミックマーケット」略して「コミケ」というイベントに行ってきました。

アニメや漫画好きのオタクが集まって、好きな作品のパロディを描いた

「同人誌」の売り買いを行うイベントです。

オタク系のイベントとはいえものすごい規模で、同人誌を売るために出展するサークルは、

3日間合わせて約3万5千。同人誌を買いに来る

一般参加者の数は、3日間でなんと56万人!

 

コミックマーケット共同代表の市川孝一さんにお話を聞くと

「会場がこれ以上ない」と言っていました。そんなコミックマーケット、

企業も出展しているのですが、今回とある変化が起こっていました。

市川さんのお話です。

 

マンガを売ってるような出版社や、アニメの会社など、普通はオタク系の

企業しかいなかった。ちょっとずつ変わってきている。

今年もさらにたくさん来ている。新日本プロレス。CCレモン。

グーグルも来ている。ちょっとびっくりした。

 

以前からコミケに参加している人に聞くと

「今回のコミケはちょっと雰囲気が違う」と言っていました。

確かに会場に入るとグーグルのシンプルなロゴが目に付くし、

女性に人気のファッションブランド「アースミュージック&エコロジー」も

出展していました。56万人が集まるコミケが、オタク系じゃない企業にとっても

放っておけない市場になっている、というのも頷けます。

そんな中でも「なんでこんな企業が?」という意外なブースがありました。

それは「お寺」。しかもブースでは、可愛い女の子のイラストが描かれたお守りが

売られていて、これは七福神の弁財天様を今風のイラストに書き換えたもの。

それにしても、お寺がなぜこのようなグッズを売っているのか?

その経緯を、八王子のお寺「了法寺」でグッズのイラストなどを手掛ける

「とろ美」さんに聞きました。

 

元々お寺の方で看板を作りたいという話が持ち上がっていた。

今現代に老若男女、みんなに喜んでいただけるようなイラストで描いてほしいと。

はじめはそれこそ「お寺の神様をイラストで?でも私のイラストこんなんですけど

いいんですか?」とか思ったんですけれども、いろんなところでご紹介いただいた件もあり、

お寺に遊びに来てくださる、みなさん。CDとかお守りとかグッズとか展開を大きくして、

細かいのも含めると30点くらい。

 

 

実際、コミケ開催中の3日間でおよそ3000人が了法寺のブースを訪れ、

7~800点ものグッズが売れたそうです。そんな、オタク系のお寺として

話題になった了法寺なのですが、今回のコミケには、なんと自治体も出展していました。

それは、鳥取県。なぜ鳥取県がコミケに?

今回の出展の狙いを、鳥取県東京本部の本部長、大場尚志さんに聞きました。

 

 

 

鳥取県はゲゲゲの鬼太郎の水木しげる先生、名探偵コナンの青山剛晶先生、

遥かな町への谷口ジロー先生など、有名な漫画家をいっぱい輩出している。

そういこともあり、以前から漫画をテーマにした地域づくりを各地域でやっていて、

じゃあこの際とっとり県全体をまんが王国にしてやろうかと。

今年がその建国の年という位置付けで、「国際まんが博」というのを今年やろうと。

ここで国際まんが博のことをいろいろ宣伝させていただいて、

是非鳥取まで足を運んでいただきたい。

 

 

鳥取県は、今月から「国際まんが博」というイベントを開催しています。

4か月の開催期間中に300から400万人の来客を見込んでいて、

このイベント全体で10億円もの予算をかけています。県外からも多くの方に

来てもらうことを想定していて、大場さんは「漫画・アニメが好きな方は

好きな物のためならばどこまででも行く方も多い」と言っていました。

さて、漫画・アニメ好きなコミケ来場者の方々は、

鳥取県ブースにどのような反応を示したのでしょうか?

 

☆なんかメジャーな感じのが多いかなって思いました/

★みんなからも知ってるようなものもあるんで、見てますけどそこまで熱狂的じゃないんで。

☆一度行ったことありますけど、水木しげるさんの所。たぶん二度も行かないと思う。

★ちょっと不思議な感じ。この空気の中、萌え系の中で、世界が違う。

  他のブースと比べると突飛めいたというか、違和感を感じる

 

正直、鳥取県のブース、浮いてるな、という感じでした。素通りの人がほとんどでしたし...。

たしかに鬼太郎もコナンも、誰でも知ってるキャラクターでメジャーなのですが、

ほかのブースは、先ほどの了法寺のような可愛い女の子のキャラクターを

前面に押し出したものがほとんど。

もしかしたら、出す場所を間違えたのかな??とも思ってしまいますが、

56万人が来場するコミックマーケットで宣伝した効果はきっとあるんだと思いたいですね。

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