現場にアタック
担当:白井京子
先週金曜から昨日にかけて3日間、東京ビッグサイトで開催されていた、
「コミックマーケット」略して「コミケ」というイベントに行ってきました。
アニメや漫画好きのオタクが集まって、好きな作品のパロディを描いた
「同人誌」の売り買いを行うイベントです。
オタク系のイベントとはいえものすごい規模で、同人誌を売るために出展するサークルは、
3日間合わせて約3万5千。同人誌を買いに来る
一般参加者の数は、3日間でなんと56万人!
コミックマーケット共同代表の市川孝一さんにお話を聞くと
「会場がこれ以上ない」と言っていました。そんなコミックマーケット、
企業も出展しているのですが、今回とある変化が起こっていました。
市川さんのお話です。
マンガを売ってるような出版社や、アニメの会社など、普通はオタク系の
企業しかいなかった。ちょっとずつ変わってきている。
今年もさらにたくさん来ている。新日本プロレス。CCレモン。
グーグルも来ている。ちょっとびっくりした。
以前からコミケに参加している人に聞くと
「今回のコミケはちょっと雰囲気が違う」と言っていました。
確かに会場に入るとグーグルのシンプルなロゴが目に付くし、
女性に人気のファッションブランド「アースミュージック&エコロジー」も
出展していました。56万人が集まるコミケが、オタク系じゃない企業にとっても
放っておけない市場になっている、というのも頷けます。
そんな中でも「なんでこんな企業が?」という意外なブースがありました。
それは「お寺」。しかもブースでは、可愛い女の子のイラストが描かれたお守りが
売られていて、これは七福神の弁財天様を今風のイラストに書き換えたもの。
それにしても、お寺がなぜこのようなグッズを売っているのか?
その経緯を、八王子のお寺「了法寺」でグッズのイラストなどを手掛ける
「とろ美」さんに聞きました。
元々お寺の方で看板を作りたいという話が持ち上がっていた。
今現代に老若男女、みんなに喜んでいただけるようなイラストで描いてほしいと。
はじめはそれこそ「お寺の神様をイラストで?でも私のイラストこんなんですけど
いいんですか?」とか思ったんですけれども、いろんなところでご紹介いただいた件もあり、
お寺に遊びに来てくださる、みなさん。CDとかお守りとかグッズとか展開を大きくして、
細かいのも含めると30点くらい。
実際、コミケ開催中の3日間でおよそ3000人が了法寺のブースを訪れ、
7~800点ものグッズが売れたそうです。そんな、オタク系のお寺として
話題になった了法寺なのですが、今回のコミケには、なんと自治体も出展していました。
それは、鳥取県。なぜ鳥取県がコミケに?
今回の出展の狙いを、鳥取県東京本部の本部長、大場尚志さんに聞きました。
鳥取県はゲゲゲの鬼太郎の水木しげる先生、名探偵コナンの青山剛晶先生、
遥かな町への谷口ジロー先生など、有名な漫画家をいっぱい輩出している。
そういこともあり、以前から漫画をテーマにした地域づくりを各地域でやっていて、
じゃあこの際とっとり県全体をまんが王国にしてやろうかと。
今年がその建国の年という位置付けで、「国際まんが博」というのを今年やろうと。
ここで国際まんが博のことをいろいろ宣伝させていただいて、
是非鳥取まで足を運んでいただきたい。
鳥取県は、今月から「国際まんが博」というイベントを開催しています。
4か月の開催期間中に300から400万人の来客を見込んでいて、
このイベント全体で10億円もの予算をかけています。県外からも多くの方に
来てもらうことを想定していて、大場さんは「漫画・アニメが好きな方は
好きな物のためならばどこまででも行く方も多い」と言っていました。
さて、漫画・アニメ好きなコミケ来場者の方々は、
鳥取県ブースにどのような反応を示したのでしょうか?
☆なんかメジャーな感じのが多いかなって思いました/
★みんなからも知ってるようなものもあるんで、見てますけどそこまで熱狂的じゃないんで。
☆一度行ったことありますけど、水木しげるさんの所。たぶん二度も行かないと思う。★ちょっと不思議な感じ。この空気の中、萌え系の中で、世界が違う。
他のブースと比べると突飛めいたというか、違和感を感じる
正直、鳥取県のブース、浮いてるな、という感じでした。素通りの人がほとんどでしたし...。
たしかに鬼太郎もコナンも、誰でも知ってるキャラクターでメジャーなのですが、
ほかのブースは、先ほどの了法寺のような可愛い女の子のキャラクターを
前面に押し出したものがほとんど。
もしかしたら、出す場所を間違えたのかな??とも思ってしまいますが、
56万人が来場するコミックマーケットで宣伝した効果はきっとあるんだと思いたいですね。