奈良県東吉野村の明神平(みょうじんだいら)(1323メートル)で合宿していて連絡がとれなくなっている私立上宮中学校(大阪市天王寺区)山岳・アウトドア部の生徒10人と引率教諭2人の捜索が14日朝から始まり、県警のヘリコプターが午前11時すぎ、山中で助けを求める人影を見つけた。県警によると、12人全員が無事だという。
奈良県警や地元消防の約30人が午前7時すぎ、ふもとの集落から2ルートに分かれて登山道に入り、降り続いていた雨が小康状態になったのを受けて午前10時15分ごろに県警ヘリが空からの捜索に加わった。
地上から捜索にあたっていた警察官が山中から「助けて」などと叫ぶ声を聞き、ヘリを誘導したという。現場は一行が下山に使う予定だった南ルートの中間付近から南側に外れた山中。
明神平は三重県との境近くにある元スキー場で、周辺の登山コースは初心者でも歩けることで人気があるが、この日は雨の影響とみられる登山道の一部崩落などもあり、危険な状態だった。
南東約3キロの三重県松阪市にある国土交通省千石平観測所では12日午後7時までの1時間に48ミリ、14日午前2時までの3時間に32ミリの雨量を観測。奈良地方気象台によると、気象レーダーのデータから12日以降、明神平付近では断続的に強い雨が降ったとみられる。
上宮中などによると、一行は11日から2泊3日の日程で明神平に入り、テントを設営して合宿。13日午後に下山する予定だったが戻らないため、生徒の保護者が県警に届け出た。