喫煙率の低下などの数値目標を掲げた政府に異議を唱えた県議会意見書に対し、3分の2の県民が批判的だとする調査結果を、市民団体「くまもと禁煙推進フォーラム」(代表・橋本洋一郎熊本市民病院診療部長、約170人)がとりまとめた。13日、県議会事務局に提出した。
「県議会が可決した意見書は県民に支持されていない」と訴えるくまもと禁煙推進フォーラムの高野義久副代表(右から2番目)ら=13日、県議会棟
政府は6月上旬、「がん対策推進基本計画」を閣議決定した。2010年現在で19・5%の喫煙率を22年度までに12%に減らすと明記。月1回は他人が吸うたばこの煙にさらされる「受動喫煙」の割合を飲食店で15%、行政や医療機関は0%にするとした。
県議会はこれに反対する意見書を6月定例会で可決。「葉タバコ生産に打撃を与え、厳格な分煙措置を求められる飲食店、事業所では売り上げが減少する」などとして、数値目標の見直しを求めた。
これを受けフォーラムは7月2日~8月8日、県民アンケートを実施。県内に住む20歳以上の3015人から回答を得た。
意見書への賛成は全体の30・0%、反対が66・4%だった。賛成した人は「吸うのは個人の自由。国が干渉することではない」(21歳女性)などと指摘。反対意見には「時代に逆行しており、恥ずかしい」(39歳男性)などがあった。
一方、政府の数値目標設定に対する賛成は86・5%に上り、反対は11・8%。喫煙者でも、賛成は56・3%と半数を超えた。
フォーラムの高野義久副代表は「たばこは多くの人に疾病や死亡をもたらすので、禁煙施策を推し進めるべきだ」と話している。(潮崎知博)
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