記者の目:北九州市と震災がれき=穴戸護(西部報道部)

毎日新聞 2012年08月09日 00時37分

 北九州市が宮城県石巻市の震災がれきを受け入れ、月内には、西日本の自治体として初めての本焼却を始める。北九州市が、がれき受け入れを決めるまでの取材を通し、東京電力福島第1原発に由来する放射性物質の健康影響への不安と、被災地を支援したい気持ちの間で揺れる多くの市民の姿を見た。放射性物質は拡散させないことが原則で、市の決定にもろ手を挙げて賛成とは言い切れない。一方、市が公表したがれきと焼却灰の放射能濃度は高くなく、受け入れは許容範囲とも考える。北九州市は、かつて日本有数の公害を克服した経験を持ち、今は「環境未来都市」を目標に掲げる。公害克服のノウハウを最大限に活用し、市民の不安を取り除く努力を続けるべきだ。

 北九州市のがれき受け入れは苦難続きだった。3月市議会で震災がれき受け入れを求める全会一致の決議を採択し、5月には市内の焼却工場で試験焼却を実施した。この間、受け入れに抗議する県外の2人が公務執行妨害容疑で逮捕される騒ぎが起きた。

 試験焼却前後の大気中の放射線量は毎時0・04〜0・1マイクロシーベルトで自然界と変わらなかった。さらに、がれきの放射能濃度は1キロ当たり8ベクレル。最も放射性物質がたまりやすい粉状の飛灰も同約30ベクレルで、市の独自基準(がれき1キロ当たり100ベクレル、飛灰同330ベクレル)を下回った。

 ◇心揺れる市民、独自調査の声

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