村田、亡くなった高校の恩師には毎試合前に祈り

武元前川さんの遺影が飾られた京都・南京都高の会場で、村田を応援する人たち

　ロンドン五輪のボクシング男子ミドル級で日本人４８年ぶりの金メダルを獲得した村田諒太（２６）には、人生を変えた２人の恩師がいる。ボクシングとの出会いは、中学校時代の担任から勧められたことがきっかけだった。また、２年前に亡くなった高校時代のボクシング部監督には、試合前に必ず祈りをささげており、大一番を終え、最高の結果を天国に報告した。

　村田が通ったボクシングの名門・南京都高も、快挙に沸いた。同校では準々決勝から視聴覚室に関係者を集めて観戦会を開催。この日も約６０人が世紀の一戦を見守った。ボクシング部の西井一監督（４５）は「人一倍努力してきた成果が出てよかった」と興奮気味に話した。

母校・南京都高に飾られている高校時代の村田（左下）と、恩師・武元前川さんの写真（左上）。横には「武元軍団」と書かれたＴシャツが掛けられていた

　ボクシング部の練習場の壁には、村田の恩師で２０１０年２月に亡くなった前監督・武元前川（たけもと・まえかわ）さん（享年５０歳）の遺影と、背中に「武元軍団」と書かれたＴシャツが掛けられている。「武元さんの戦う集団」との思いを込め、亡くなった後に関係者に配られたＴシャツに、村田は試合前に必ず手を合わせてからリングに向かうという。

　西井さんは「何事にも熱心だった武元さんとの出会いで、村田は人間的にも大きく成長した。私自身もいろんな人に支えられたが、村田もその一人」。スケジュールの合間を縫って何度も母校に足を運び、後輩の指導にあたってくれた教え子に感謝した。同校では祝勝会や凱旋パレードでヒーローを祝福する予定。

（2012年8月13日06時02分  スポーツ報知）

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