◇新日本プロレス G1クライマックス <最終戦>
カール・アンダーソンに勝利し、声援に応えるオカダ・カズチカ=両国国技館で
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18選手出場▽12日▽東京・両国国技館▽観衆11500人(超満員札止め)
超新星オカダ・カズチカ(24)が初出場で初優勝、大会22回の歴史で史上最年少Vを達成した。決勝は米国の伏兵カール・アンダーソン(32)との対戦になり、必殺技のレインメーカー(近距離ラリアット)で粉砕した。これでIWGPヘビー級王者棚橋弘至(35)への挑戦権を獲得、年明け1月4日の東京ドーム大会での権利行使を表明した。
天井知らずの進化を続けるオカダが、2月に腰に巻いたIWGPヘビー級王座に続き、2冠目を手にした。勝った感想を問われても「特にありません」と、お決まりのフレーズを繰り返すばかり。勝って当然。この男の顔には、いつもそう書いてある。
決勝のリングの対角線上には、アンダーソンが立っていた。米国人とはいえ、プロレスラーとしては新日本育ちとあって、ファンの声援を一身に受けていた。だが、191センチ、107キロの体格でも、体力・技術でも上回るオカダには、終始余裕があった。相手が勝負に出たガンスタン(ネックブリーカー)をかわし、背後から助走をつけずにドロップキックで吹っ飛ばした。そしてツームストーンパイルドライバーからレインメーカーへ。惜しげもなく強さを見せつけ、試合後は会場をオカダコールに染め変えた。
賞金1000万円の使い道を聞かれ、フェラーリの頭金にすると答えたアンチヒーローぶり。マネジャー格である外道とは「当然のことが起きました!」の掛け声で乾杯。「プロレス界の中心に立って、金の雨を降らせてやる。金の雨は降りやまない」。新日本は年内にもビッグマッチを数大会予定しているが、6月に棚橋に取り返されたIWGP王座の奪回の舞台に1・4東京ドームを選んだのは「それがふさわしい場所だから」という。才気あふれる若者は、すでに来年も主役を張るつもりだ。 (大西洋和)
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