ディズニーアニメーションの歴史
24/アーク(運動曲線)について
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ウォルト・ディズニー7番目のアニメーション原則
アーク(運動曲線)について
アーク(運動曲線)ついて生き物の中には、機械のようにまっすぐ前後へ、上下へと体を動かせるものはほとんどいません。
キツツキや、硬い外殻をもつ昆虫は、例外かもしれませんが、動物(生きもの)の動きは、普通、かすかな曲線を描いて動きます。頭部が前後に動くときなど。
そうなるのは、重量や、高等動物の体内構造のせいだと言われていますが、とにかく、ほとんどの動きはある種の曲線を描いています。
例を上げると、上の絵(イラスト)はものを指差す手が運動曲線に沿って動いています。アニメーターは運動曲線に沿って作画の位置を決めます。原画を描いたあと、中割り(動画のイラスト)が運動曲線に沿って描かれるように位置を指示しておきます。
運動曲線を無視して中割り(動画のイラスト)を描くと、全く変わってしまいます。この手法の発見は、キャラクターの動きのデザインを大きく変えました。以前は、通用していた硬くてこわばった動きが使われなくなったのです。
昔は、キャラクターが歩くときは、エンジン積んだ機械のようにギクシャクと上下運動をしていました。殴る動作や投げる動作は完全な直線軌道でも描けましたが、これもアクションは、さっと弧を描くことで始まり、以前紹介した手法、フォロー・スルーのねじれるような動きで終わっていました。
このアーク(運動曲線)の原則について理解が深まると、各カットを設計するとき、おおざっぱなポーズとともに図や点線を書き入れて、キャラクターがアクションの中でどこまで高く、どこまで低く動くかを示すようになりました。
カギとなるアクションを設計するときは、絵(イラスト)を仕上げるときのガイドラインとして、運動曲線を簡単に書き込んでおきます。そうして置くと、絵(イラスト)を仕上げる際、キャラクターのアクションをさらに進める方法がいろいろ見えてきます。
以前紹介した手法、潰しと伸ばしやオーバーラッピング・アクションの効果的に使おうとする場合、このやり方は特に役立ちます。中割り(動画)をするとき、運動曲線上に、描くのは、2枚の絵(イラスト)の真ん中に描くよりずっと難しいので、中割り係(動画を書くアニメーター)は、苦労します。
描く位置が指示されていて、原画のそばに「運動曲線に注意!」と書いてあっても、ともすれば直線的な位置に引き寄せられてしまうのです。
一連の中割り(動画に使うイラスト)タップで留めたまま「パラパラ動かして」(パラパラ漫画みたいに)みたとき、ようやく正しい動きが分かってきてそこでほとんど修正していました。中割り(動画)をするのが、熟練者であっても、運動曲線に忠実に描くのが基本だと分かっていても、すべての絵(イラスト)を間違いなく運動曲線に沿って描けるようにする方法は、まだ見つかっていませんでした。中割り(動画のイラスト)を直線上に並べて描くとアクションが台無しになってしまうのです。
ディズニーアニメーションの歴史はディズニーイラストの歴史でもあります。
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