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あなたが落選させたい議員は誰ですか?

ダントツ1位はやっぱりあの人

政治家の劣化が叫ばれる昨今の政界だが、嘆いてばかりいても仕方ない。そこで小誌はかつて古代アテナイで行われていた「陶片追放」の現代版を企画。1100を超える回答が寄せられた。誰が一番ダメで、誰がいなくなれば、この国の政治は少しでもよくなるのか。

 消費増税法案の採決が迫り、風雲急を告げる永田町。仕掛けたのは、小沢一郎・「国民の生活が第一」代表だった。

「参院の消費増税法案の採決を前に、衆院に自公をのぞく野党で不信任案提出を表明した。自公が不信任案に同調すれば、3党合意は破棄され消費増税法案の成立が危うくなる。自公が乗らなければ、自公は野党なのに解散に追い込む気がないと批判にさらされる。ただ、小沢氏が前面に出ると反発が出るので、野党党首会談でも上座に渡辺喜美・みんなの党代表を座らせています」(政治部デスク)

 不信任案は、全野党が賛成し、さらに民主党から15人以上の造反者が出ると可決される。

「小沢氏も本当に解散になるとは思っていません。選挙準備が整っていない小沢新党にとって解散は望ましくない。民主・自民にクサビを打ち、両党の支持率を下げるのが狙いです。一方、野田佳彦首相も、前後援会長企業の社会保障費不正請求問題や、弟の市議の政務調査費問題で政策秘書が退職するなどのスキャンダルを抱えています。消費増税法案は、3党合意をした以上、不信任案可決はないと高をくくっていましたが、合意の立役者である自民党の伊吹文明氏が『そんなのはパーにすればいいんだ』と倒閣に舵を切ったことから、予断を許さない状況になったのです」(同前)

 政局のキャスティングボートを握る形となったのが、政権批判を強める鳩山由紀夫元首相だ。小沢氏は不信任案提出を決めた直後に、鳩山氏と会談し、さっそく民主党を揺さぶってみせた。だが、鳩山グループも、

「側近は『消費増税法案が廃案になるのがベストだが、解散さえしないのなら、成立も仕方がない』と言っています」(政治部記者)

 いつ解散があってもおかしくない緊迫した政局となってきたが、ここで考える必要があるのが、解散が今の混迷を打破してくれるわけではないことだ。

「今、解散があれば民主が大敗するのは間違いないが、自公で衆議院の過半数を獲得できるか微妙。橋下徹大阪市長も不倫スキャンダルの影響で、すぐに国政に転身できる状況ではなくなった。そうなると自公、民主、第三極の三すくみになりかねない。今以上に政治は混乱する可能性があります」(前出・デスク)

 かつて古代ギリシャの都市国家アテナイでは、権力闘争が激しさをまし、国家の存亡にかかわるようになっていた。抗争に勝った貴族は敵対する一族を排除。敗れた貴族たちは、国外へ亡命し、隙を見て、クーデターを起こし、権力に返り咲く。こうした終わりなき権力抗争を防ぐため、考え出されたのが、独裁者になりかねない人物を、市民による投票で追放する「陶片追放」である。一族全員ではなく中心人物1人だけを追放に処して憎しみの連鎖を断ち切り、民主制の安定に貢献したとされる。

 今、日本の政治を混乱させている人物は誰なのか、誰がいなくなればよくなるのか。小誌は、現代版「陶片追放」を行うべく「週刊文春WEB」のメルマガ読者を対象に、「次期選挙で落選させたい議員は誰か」のアンケートを行った。

【次ページ】 解決策を示さず反対ばかり

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